
まだ遅くはない。 平凡な男が見つけた最後の夢。
黒澤明監督が1952年に発表した映画「生きる」を原作に、日本を代表する演出家の宮本亞門、日本におけるオリジナルミュージカル創作を牽引する高橋知伽江、そして本年度トニー賞で優秀作曲家賞にノミネートされるなど、今もっともブロードウェイが注目する作曲家のジェイソン・ハウランドの3人がタッグを組んで生み出したミュージカル「生きる」。
初演時、その言葉にならないほど感動的なラストシーンに、劇場は涙で包まれた。ミュージカルファンのみならず、普段劇場に足を運ぶことのない男性が客席に多く見られたことも、本作が広く日本の観客に受け入れられた証明とも言えよう。2020年に行われた再演では演出がブラッシュアップされ、初のツアー公演も実施された。
3度目の上演となる今回も、主人公の渡辺勘治役を演じるのは、ミュージカル界のレジェンド、市村正親と鹿賀丈史だ。2023年に俳優生活50周年を迎える2人の魂のこもったパフォーマンスに期待が集まる。コロナ禍により、限りある人間の命の尊さを見つめ直す機会が増えた今、「残された自分の人生をどう生きるか」という本作の問いかけは、以前にも増して、皆様の心に届くだろう。
新キャストを得て、また新国立劇場 中劇場に場所を移して上演される「ジャパニーズ・ミュージカルの金字塔」をお見逃しなく!
(2020年上演舞台写真 撮影:引地信彦)
<東京公演>
期間:2023年9月
会場:新国立劇場 中劇場
主催:ミュージカル『生きる』製作委員会
企画制作:ホリプロ
企画協力:黒澤プロダクション
※大阪公演あり
FEATURE・INTERVIEW
特集記事・インタビュー
STORY
ストーリー
役所の市民課長・渡辺勘治(市村正親/鹿賀丈史)。早くに妻を亡くしてからは男手一つで息子の光男(村井良大)を育てあげ、今は息子夫婦(光男の妻・一枝(実咲凜音))と同居している。毎日毎日同じことの繰り返し、いわゆる“お役人”気質な助役(鶴見辰吾)を筆頭とする役所で、淡々と仕事をこなす日々であった。
そんなある日、渡辺は自らが胃がんであり、残りの人生が長くないことを知る。自らの生涯を振り返ると、そこにあるのは、意味あることを何ひとつ成し遂げていない人生。
愕然とした渡辺は、現実逃避のために大金をおろして夜の街に出る。しかし、30年間真面目一筋を貫いてきた渡辺には、金の使い道すらわからない。そんな時、一人出向いた小さな飲み屋で、売れない小説家(平方元基/上原理生)に出会う。渡辺の境遇に興味を持った彼は、“人生の楽しみを教えてやろう”と宣言し、2人は盛り場を何軒も渡り歩く。しかし、渡辺の心は一向に晴れず、募るのは虚しさばかり・・。
そんな渡辺の元へ、役所の若い女性事務員・小田切とよ(高野菜々)が訪ねてくる。はつらつとしたとよの初々しさに触れるうちに、渡辺は、自分の人生になかったものを見出すようになる。これからでも、自分に何かできることがあるのだろうか・・。渡辺は、第二の人生を歩みだす・・・。
CAST STAFF
キャスト・スタッフ
- キャスト
- 渡辺勘治:市村正親/鹿賀丈史(Wキャスト)
渡辺光男:村井良大
小説家:平方元基/上原理生(Wキャスト)
小田切とよ:高野菜々(音楽座ミュージカル)
渡辺一枝:実咲凜音
組長:福井晶一
助役:鶴見辰吾
佐藤 誓
重田千穂子
田村良太
治田 敦、内田紳一郎、鎌田誠樹、齋藤桐人、高木裕和、松原剛志、森山大輔
あべこ、彩橋みゆ、飯野めぐみ、五十嵐可絵、河合篤子、隼海 惺、原 広実、森 加織
- スタッフ
- 原作:黒澤 明 監督作品「生きる」
作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
―コメント
『生きる』を演出して、私自身、生きている今を大切に輝くものにしようと思いました。
コロナ禍を経て、生きる大変さや素晴らしさを感じた方も多いでしょう。そんなあなたに、この作品はミュージカルの枠を超え、人はいつになってもリセットができると背中を押してくれます。今回の再演は新たな素晴らしいキャストも参加して一段と深くなります。
ぜひ劇場に足をお運びください。必ずや今までにない体験、体感をお届けします。
SCHEDULE
公演スケジュール
<東京公演>
期間:2023年9月
会場:新国立劇場 中劇場
主催:ミュージカル『生きる』製作委員会
企画制作:ホリプロ
企画協力:黒澤プロダクション
※大阪公演あり
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