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『ハリー・ポッターと呪いの子』キャストインタビュー/佐藤知恩×浅見和哉「キャストの熱量に、お客様の反応に後押しされて演劇でしか味わえない魔法が起きる」
  • インタビュー

2024年に参加し、今年3年目を迎えたアルバス・ポッター役の佐藤知恩とスコーピウス・マルフォイ役の浅見和哉。共に稽古してきたこのコンビは、作品愛もひとしお。初対面の印象や稽古や本番でのエピソード、ラストイヤーの意気込みを語る。

(取材・文:三浦真紀/撮影:SHUN ITABA)

      ▼TBSにて特別番組放送!
      ※TVerにて見逃し配信あり

アルバス/スコーピウス座談会 公開中!

01  キャストの熱量に、お客様の反応に後押しされて 演劇でしか味わえない魔法が起きる
02  ハリー・ポッターの世界は お客さんも一緒に作ってくれている
03  父と息子 不器用な二組の親子
04  大きな愛を感じる現場

2026年7月公演分まで、チケット好評販売中!

キャストの熱量に、お客様の反応に後押しされて
演劇でしか味わえない魔法が起きる

アルバス・ポッター役:佐藤知恩
スコーピウス・マルフォイ役:浅見和哉

――苦楽を共にしてきたお二人ですね。

浅見:話していないことがないくらい、あれこれ話しています。
佐藤:稽古も同じ組でしたから。でも僕はまだまだ奥深いよ(笑)。

――初対面でのお互いの印象を覚えていますか。

佐藤:(浅見は)華奢でめちゃスコーピウスっぽい!と思いました。

浅見:嬉しい(笑)。初対面は同期の4人(渡邉 蒼と久保和支含む)で一緒に行ったハリー・ポッターのスタジオツアー東京でした。最初すごく気まずかったけど、(佐藤は)とても真面目で落ち着いていて、一番大人っぽい印象がありました。

――その4人の中では渡邉さんが落ち着いていそうですが?

佐藤:その時の蒼くんはK-POPのアイドルのようなタンクトップを着てて。僕ら3人はそういう人が周りにいないから怖かったんです(笑)。

浅見:筋肉もすごくて。

佐藤:もう負けた!と思いました(笑)。蒼くん、その日は盛り上げようとわちゃわちゃしてくれていたんですよね。よく知るととても落ち着いた人なのですが。

浅見:和支はおしゃれでした。ハリーを意識して丸眼鏡をかけていて。

佐藤:変な人ではあった(笑)。

浅見:確かに。前半は気まずかったけどみんな徐々に打ち解けて。

佐藤:終わる頃にはすっかり楽しくなっていました。

――稽古で苦労したのはどんなところですか?

浅見:とにかく覚えることとやらなきゃいけないことが多かったです。立ち位置が細かく、決められた動きをやりながらお芝居するのに、最初はとても苦労しました。

佐藤:紙の資料を山ほど渡されて、これもこれも読んで!次のシーンはこれ!みたいな。稽古して、家に帰って復習。何とか次の日の台詞を覚えて……と必死でした。ついていくのがやっと。

浅見:そうだね。あっという間に一日一日が過ぎ去っていきました。

佐藤:5月の頭にディスカッションする期間が約2週間あって、そこからみんなで稽古して。

浅見:稽古期間は約2カ月。覚えることだらけで、稽古の合間にみんなで台詞を合わせて、何とか間に合うようにと頑張って。

佐藤:ワンドダンスを踊るキャストは朝早く来て、自主練していましたね。昨日やったことは必ずできるようにしておこうとみんなで助け合いながら、とてもいい雰囲気で稽古していました。稽古期間中にはたびたび観劇して、先輩のお芝居からも学びました。動きの確認をしつつ、こういう解釈もあるんだと発見したり。演出のエリックが「あなたのアルバスでいいよ」と言ってくれていたのは大きかったです。僕と蒼くんには別の指示が出ていたりもして、自分なりのアルバス像を考えることができました。

浅見:エリックは俳優個々の解釈や思いを尊重してくださる。だからそれぞれの個性を活かした役作りになっているんだと思います。

――稽古中の忘れられないエピソードがあったら教えてください。

浅見:たくさんあります。どれも濃すぎて……。

佐藤:新しいアルバスとスコーピウスの4人で稽古場近くのラーメン屋さんに行きました。そのラーメンが衝撃の美味さで(笑)、また行きたいと思っています。

浅見:あー!あったね。僕は稽古序盤、ドラコ役の永井 大さんと同じチームだったんです。帰りに大さんとご飯に行ったら夜遅くなってしまい、「うち来るか!」とお誘いいただいて。ご家族もいらっしゃると迷惑かと思いましたが、わざわざ連絡をとられて、急にお邪魔することになりました。大さんはとても熱い方で、そんなふうに僕と父と子の関係性を築いてくださったんですよね。

佐藤:深夜、キャストのグループチャットに大さんと和哉の自撮りが送られてきて、みんなビックリ(笑)。

浅見:3年目キャスト、頑張りましょう!って送りました(笑)。しかも、まだ僕らは稽古に入りたててで、1、2年目のキャストの方たちとはお会いしてない状態。でもこの時をきっかけに、大さんとの関係性が親子みたいに深まりました。


佐藤:3年目のキャストはそれぞれ、ポッター家、マルフォイ家、ウィーズリー家と大人のメインキャストの方々がそれぞれ絆を深めるために、僕たちを何度もご飯に連れて行ってくれたんですよね。本当に仲良くなりました。


浅見:ありがたかったよね。

ハリー・ポッターの世界は
お客さんも一緒に作ってくれている

――デビュー日のことは覚えていますか?

佐藤:とにかく楽しかったです!もちろん緊張していましたが。冒頭20分くらいはすごい速度で進んで、はける時に楽しいー!もうやめられない!って思いました(笑)。お客さんからもらえるものが多く、よし行くぞ!というみんなのパワーもすごかった。続投のキャストの方々も加わって、みんなで一緒にものすごく大きな波を作れている感覚がありました。演劇でしか味わえない特別な一瞬、特にこの作品ではそれが強く感じられる。最高に楽しかったです。

浅見:わかるなぁ。客席の熱気も感じましたね。実際にお客さんが入ると、こんなリアクションがくるんだ!と随所で感じて、それが新鮮で楽しかったです。お客さんと一緒に、みんなで乗って作っている感じがありました。

佐藤:そう!お客さんのウェルカム感が素晴らしかった。この作品はどれだけ愛されているのだろう?と思いました。お客さんも一緒に作ってくれている感じが確実にあるんですよ。

浅見:僕らは3年目のスタートだったから、正直めちゃくちゃ不安でした。お客さんの中には既に出来上がっている役の人物像があるんじゃないか、そこで自分のスコーピウスが受け入れてもらえるのかな?って。だけど始まってみたら、ウェルカムだしリアクションもすごくて最高でしたね。

――お客さんの反応はどんなところで起きますか?

浅見:今日は初めてのお客さんが多い、今まで何回か観てくださった方が多いとわかるのは、ラスト近くの戦いのシーンです。恐めの効果音が鳴ると、初見の方は後ろを振り返られる。振り返らない時は、何度か観ていらっしゃるんだな、と。

佐藤:僕たちキャストがみんな客席の方を向いているからね。あと芸術鑑賞で学生さんの団体がいらっしゃると自由にリアクションしてくれます。最初、ホグワーツの世界になる瞬間に、うわぁ!という声が聞こえてきたり。

浅見:あれ、嬉しいよね。

佐藤:アルバスも初めてそこを通るので、お客さんと同じ景色を見ている気がします。そのワクワク感に僕も助けられますし、このハリー・ポッターの世界にお連れできた!という嬉しさがあります。

浅見:熱を感じるよね。最初の場面で拍手と歓声が起こると、僕たちの気分も上がります。

父と息子 不器用な二組の親子

――最近、気に入っているシーンはどのあたり?

浅見:何と言っても「美しい丘」です。


佐藤:わかる!僕もです。


浅見:僕は毎回袖から見るのですが、ハリーとアルバスが向き合っているからどちらの表情も見たくて、下手袖から見たり、上手袖から見たりと、よく場所を変えて見ています。あそこは今日、めちゃくちゃ良かった!


佐藤:ほんと?それは良かった(笑)。


浅見:客席から見てもとても感動するシーンです。不器用な親子がお互いに歩みよろうとする、あの感じ。二人がどこに行き着くのか、毎回新鮮で、ほほえましかったり感動したり。普遍的に刺さる台詞もあって、本当に大好きなシーンです。


佐藤:そんなあちこちから見てるなんて、知らなかった。「美しい丘」はアルバスとして、ただただハリーと話せるシーンなので大好きです。派手な動きこそないけれど、芝居の自由度は高い。日によって、ハリーは英雄として生きるためにどれだけの犠牲を払ったんだろう?と感じることもあれば、やっとパパが自分のほうを向いてくれようとしてる、そこに重きを感じることもあります。その人その日によって千差万別に変わっていくし、それまでの約3時間半があのシーンに全て現れる。僕からしたら憧れの先輩とがっつり向き合ってお芝居ができる、そんな贅沢な時間は貴重でしかないです。この「美しい丘」のために3時間半頑張ってきたと言っても過言ではないと。

――あのシーン、アルバスとしてはハリーに対してどんな気持ち?

佐藤:まだまだぎこちなさを感じています。「美しい丘」はゴドリックス・ホロウでの出来事から数カ月後、あれ以来初めてハリーと会う場面でして。アルバスとしてはハリーが背負っているものを心の底から理解できたし、自分も成長して向き合わなきゃいけないと思う。でもこれまで何年も喧嘩をしてきた相手で、しかも父親。素直になるのは簡単じゃないんです。でもその狭間で何とか一歩踏み出していきたいと思っている。そんな姿を丁寧に描きたいですね。

――スコーピウスはラストでドラコパパに対しては、どんな気持ち?

浅見:うーん……。実際スコーピウスはパパと会話するシーンがとても少ないんです。だからハリーとアルバスが羨ましい(笑)。ママは出てこないし、パパとは目線で会話している感じです。物語は二人で話せていないところから始まって、ママの死を経て、アルバスとの冒険があり、最後にはハグできるようになる。その紆余曲折を上手くお伝えできたら。

――幕が下りて、父子関係だけでなくこの先アルバスとスコーピウスが仲良くやっていけるのか気になるのですが。

佐藤:もう絶対離さないです。こいつしかいない(キッパリ)。

浅見:……だそうです(笑)。

――小道具やセット、衣裳などで、こだわりを感じるものはありますか?

浅見:2幕のフクロウ小屋のシーンで着ているスコーピウスの衣裳は、イギリスの老舗ブランドによる高級な服。マルフォイ家ならではのこだわりを感じます。靴も表しているかもしれないですね。生徒たちを見ていると、ローブやセーターは同じでも靴が違ったりする。スコーピウスは堅いかっちりした革靴で。

佐藤:アルバスは柔らかい革靴です。フクロウ小屋のシーンでは、フクロウがたくさんいてめっちゃ可愛い! あれ、1匹1匹が違うんです。場当たりの時には推しフクロウを探しました(笑)。全部終わったら1匹もらえないかな?

浅見:ダメです(笑)。僕も一緒に探したけど、みんな可愛い顔をしてるよね。あと本にもこだわりが感じられます。特に図書室にある本。たくさん積んであるけど、劇中で開くことは一切ないんです。年代ものなのか表紙周りが汚れていて、ある時ふと開いてみたら中までちゃんとシミがあった。

佐藤:すごい!知らなかった。

浅見:見つけた時めちゃくちゃ興奮しました。おお!って声が出た(笑)。

大きな愛を感じる現場

――同役を演じるキャストたちとの交流で思い出深いことがあれば教えてください。

佐藤:僕が怪我から復帰した時、(原嶋)元久さんが僕のゲネを観てくれました。終わった後で「あそこはどうやってるの?」と質問なさったり、またハリーの位置が以前と変わったところでは、「前のタイミングで移動しない方がいいかも」とアドバイスをくださったのが印象に残っています。
初日には、(福山)康平さんが観に来てくださいました。でも僕にプレッシャーをかけないようにとアンサンブルさんの楽屋でご覧になって、本番が終わるまで自分がいることを内緒にしてくれて。終演後に「観たよ」と言われて、僕はまた適当な嘘をついてるなと思い、「何言ってるんですか!」と言ったら本当でした(笑)。

浅見:知恩のカムバック初日、僕はいつものごとく袖から見ていたんです。そうしたら康平さんが袖まできて、めちゃくちゃ愛のある優しい目で見ていたのを目撃しました。あんな目は今まで見たことがない。心からの愛を感じました。

佐藤:そうだったんだ……。

浅見:スコーピウスの(大久保)樹さんと僕の共通点は、公演後にアイスバスに入ること。スタッフさんが冷水を用意してくださるのですが、入る人が少ないこともあり、アイスバスの話ができる貴重な相手。「最近水が冷たくなってきたね」とか話しています(笑)。
(久保)和支は稽古から一緒だったので、いろんなことをたくさん話してきました。本番が始まるとなかなか会えなくなるとわかっていたので、1〜2カ月に1回くらい会うか!みたいな感じで、今もどこか一緒に行ったりご飯を食べたりしています。

佐藤:芝居の話はするの?

浅見:あんまりしないかな。特に同じ役の人とはしないですね。ロングランをやる中で新しい課題が出てきて、最近こうなんだよ、みたいな話はしますが、中身の話はしないです。

――他のキャストとのエピソードで印象に残っていることはありますか。

佐藤:たくさんあります。特に稽古を共にした3年目の大人キャストの方たちからは大きな愛情をいただきました。印象的だった出来事を一つ。(榊原)郁恵さんが本番終わった後に、「今日のハリーとアルバスの喧嘩のシーンがすごくよかったです。あれはどうやったんですか?」と丁寧に質問してくださって、僕はビビリ散らかしました(笑)。こんなにキャリアのある方なのに、謙虚でストイックでまだまだ成長を望んでいらっしゃる。僕もそうならなければ!と刺激をいただいた。すごい衝撃でした。

浅見:大人キャストは皆さん謙虚ですよね。舞台に臨む姿勢も然り、日々どう良くしていくかに努めていらっしゃる。挑戦したり、誰かに聞いたり、決して怠らない。僕たちが何回公演を重ねてものんびりしてちゃダメだな、と。

佐藤:ずっと気合を入れていただいている感じ。

――最後に、今年いっぱいでエンディングを迎える今の気持ちと、読者の方にメッセージをお願いします。

佐藤:この2年間、このキャストの中に自分が入れたことが奇跡です。それを忘れずに、1公演ずつ着実に歩んでいけたらと思っています。最後に向けてラストイヤープロジェクトなどいろんな楽しいことがあります。初めての方も観たことがある方も、ぜひ劇場に遊びにいらしてください。

浅見:終わりが発表されて寂しさもあります。でも1年目のキャストからみんなで繋いできてここまで来られた。それはお客さんが来てくださったからこそできたことです。この作品を愛していただいて心から感謝しています。毎公演、みんなで熱量たっぷりに奮闘していますのでぜひご覧いただきたいです。

<佐藤知恩プロフィール>
1998年7月1日生まれ。広島県出身。
早稲田大学在学中にSeiren Musical Projectに所属し、ミュージカルを中心に活動を開始。卒業後は小劇場・ミュージカル・映像作品等マルチに活動。また、ラップを得意としており、アクロバットやキックボクシングなどもこなす。主な出演作は『American idiot』『最後の晩酌』『考える葦』『スプリング・スプリング』等。
『呪いの子』には2024年7月より出演。
公式Instagram)@chioncurry

<浅見和哉プロフィール>
1999年6月6日生まれ。埼玉県出身。
10代からストレートプレイやミュージカルなど数々の舞台作品に出演。近年は舞台だけでなくドラマでは、TBS「クジャクのダンス、誰が見た?」(25年)、CBC/BS朝日「タカラのびいどろ」(24年)、映画では「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」(23年)など映像作品でも活躍の場を広げている。
『呪いの子』には2024年7月より出演。

公式WEBサイト)https://pinupsartist.jp/actor/asami/
公式X)@_asamikazuya
公式Instagram)kazuya.asami

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作品名舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
日程上演中~2026年12月27日(日)
会場TBS赤坂ACTシアター
座席表
上演時間 約3時間40分(休憩あり)
本公演は、演出の都合上、
開演した後はお客様のお座席にご案内ができるお時間が限定されております。
詳しくはこちら>>
チケット情報2026年7月公演まで、チケット好評販売中!
チケット詳細はこちら>>
チケットに関するお問合せホリプロチケットセンター 03-3490-4949
(平日11:00~18:00/定休日 土・日・祝)
作品HP舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』公式Webサイト
https://www.harrypotter-stage.jp

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