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2026年12月で閉幕が決まり、先日ラストイヤーのカムバックキャストの発表も話題となった『ハリー・ポッターと呪いの子』。ファンタスティックな魔法の世界と親子愛、複雑な人間ドラマ、ライブ感など、老若男女誰もが楽しめる舞台だ。ハーマイオニー役の松井玲奈とロン役の関町知弘、夫婦役を演じる二人が作品の魅力や舞台で起きていること、互いの印象などをざっくばらんに語り合った。
【2026年5月~7月公演】
〈先着先行〉1月25日(日)10時~
〈一般発売〉2月1日(日)10時~
2026年4月公演分まで、チケット好評販売中!
美しいハーマイオニーと可愛いロンはロマンス担当


――お二人は2025年夏に『呪いの子』デビュー。現在(2025年12月)、何回この舞台に立たれましたか?
松井:私は今、54ステージくらいです。
関町:僕は40ステージ越えたところですね。
松井:それだけの公演数をやったら、一般的な舞台だと千秋楽を迎えるかもう終わっている状態ですが、まだまだ続きます。もっとこうできるのではないか、組み合わせが変わると新しい発見があるなど、毎公演が発見だらけで飽きることがありません。長くやっても楽しい作品だと思います。
関町:僕はロン役なので、笑い声など反応が起きやすい台詞が多い。今日はここでこんなに大きい笑いが来るんだ!とか、逆に全然笑わないとか。だから毎回安心できませんし、逆にそれが面白かったりもします。
松井:関町さんのロンは「サプライズ!」の一言で会場を沸かせることができる。本当にすごいなと思います。ロンと一緒のシーンはロンが笑いの鍵を握っているので、こちらの間で笑いを潰さないように慎重になります。
関町:いやいや。逆にハーマイオニーが大事なんですよ。受け手の彼女がリアクションしていい表情をするから、笑いもどんどん増幅するんです。

――夫婦役として、お互いの印象はいかがですか。
松井:関町さんのロンは可愛いです(笑)。ハーマイオニーはロンに強く出なければいけない時もあって、「なんでここにいるの?それじゃダメでしょ!」みたいにピシャッと言う時、関町さんのロンには優しくしたくなっちゃう。
関町:あら(嬉)!
松井:ご自身が持つ、内側からにじみ出る可愛さ。だからハーマイオニーの私もちょっとマイルドで、他のロンの時よりも丸い気がします。そこはギアをぐっと入れて、ちゃんと厳しくしなければと思うこともあります。
関町:ロンの性格は自分とかなりリンクしてるので、演じていて楽しいし、自分から滲み出ながら演技している感じがあります。特にカッコつけながらもドジさが出る部分は普段の僕そのもの。よく見せようと思ってすぐにばれて、そこを突かれてあたふたする。しっかり者のハーマイオニーが引っ張ってくれる安心感があるから、僕の中のロンがどんどん溢れ出てくるんですよね。
一方、松井さんのハーマイオニーは凛としてて、階段のシーンのハーマイオニーは見とれるくらい美しい。心に秘めた強さがあって、でもたまに弱さを見せるしイライラもする。毎シーン違う人間模様がたまらないです。世界が変わっても、その時のロンはその時のハーマイオニーを愛してる。
松井:この作品はロンとハーマイオニーがロマンス担当ですからね。

気持ちをまっすぐに伝える大切さ
――舞台上で心に残っているエピソードを教えてください。
松井:ロンがハーマイオニーを執務室に入らせないように止めるシーン。関町さんがセットのドアに頭をぶつけて、ものすごく素直に「イタッ!」って言ったんです(笑)。それがロンらしくて本当に素なんだ!と。お客さんもクスッとしちゃうし、ハーマイオニーはこういうところに惹かれるんだろうと感じました。ごまかしている顔も愛らしい(笑)。
関町:自分でも、今「イタッ!」って言ったと思いました(笑)。ハリー役の(稲垣)吾郎さんと玲奈ちゃんが笑いを堪えていましたね。
松井::吾郎さんは考えるポーズをしながら、後ろを向いて(笑)。
関町:肩がめっちゃ揺れていた(笑)。本番ではなぜあんなにたくさん稽古したのにこんなことが起こるの?みたいなことが結構あるんです。
僕が印象的なのは、ラスト近くのハリーの家族を見守るシーン。あそこは演出が割と自由で、ある時僕が辛くて思わず手を玲奈ちゃんのハーマイオニーの背に回したら、その手をハーマイオニーが優しくギュッと握ってくれたんです。
松井:ああ、握ったかも。
関町:そうしたら涙が止まらなくなって、夫婦だなって思ったんです。いつも僕を引っ張ってくれて、こんな時にも支えてくれる。ただでさえ悲しいのに。それから毎回、手を背中に持っていくようになりました(笑)。
松井:でも毎回握ってはいないかも(笑)。
関町:それもリアルでいいよね。決まりにならないのがいい。
松井:あのシーン、ハーマイオニーとしてはロンを引っ張るというより、ロンに支えてもらっているんです。お互いに思い合っていることが表れていると、今のお話から感じました。ロンの手の感覚も日によって違いますし、関町さんからもらうものもいっぱいあるなと思います。

松井:もう一つ、2幕にロンが改めてプロポーズをしてくれるシーンがあって、一番最近やった公演の関町さんが本当に素敵でした。ハーマイオニーを好きというまっすぐな気持ちを一生懸命に伝えてくれて、目には涙が浮かんでいて。その気持ちが伝わってきて、その後の急展開、まだ二人の愛情が残っているようなちぐはぐな空気感がすごく良かった。ベスト・オブ・関町です!
関町:うわぁ!覚えてねぇ〜(泣)。
松井:毎公演違いますよね。別の日は違うシーンで力をもらったりもします。

――衣裳や小道具、セットでご自身の役を表していると思うものはありますか?
関町:ハリー、ハーマイオニー、ドラコはみんな服装がかっちりして清潔感がすごい。でもロンはジャンパーを着たりと緩い感じ。魔法省勤務でも貴族でもなくて、ジョークショップをやっているからキチンと感は意識していない。すごくリアルだなと思います。あの黄色いジャンパーはよく見るとかなり汚れていて、それもロンらしさの演出なんでしょうね。
松井:衣裳合わせの時に細かくサイズを測っていましたよね?
関町:そう。Tシャツが少し出ているのも計算されてのこと。下をもうちょっと出したいから、別日で違うTシャツを着たりとこだわりがすごい。ロンは髪型も劇中に結構変わります。7:3だったり、2幕の最初はパンキッシュで無造作だったり。裏で髪をしょっちゅう直しています。


松井:ハーマイオニーは杖でしょうか。舞台裏に杖置き場があって、ハーマイオニーと書いてあるところから取ったのに、持った瞬間に、あ!これ私のじゃない!と。この杖と共に歩いてきたんだな、必要不可欠な存在だと実感しました。クリスマスツリーの点灯式イベントの時もスタッフさんがハリー、ロン、ハーマイオニー3人分の杖をパパパッと渡してくれたんですよね。すると、みんな「これ、自分のじゃない気がする」と確認したら、実際に違っていて。杖が主を選ぶと言われていますが、それぞれの杖に特徴があり、持ち主の手に馴染んでくるのかもしれませんね。
関町:いい話だねぇ。
松井:もう一つ、私はVワールド(タイムターナーにより発生した、ヴォルデモーが支配している世界線)でつけているベルトがお気に入り。そこに杖をさっと挿す仕草が荒々しくてソルジャー感がいいんです。衣裳合わせでこのベルトを初めて見た時、裏側にHermione Jean Granger Rena Matsuiと名前が書れていて、とても印象深かった。特別なベルトだと思っています。
関町:ロンもVワールドではイカしたロングコートを着て、普段のロンとは全然違いますね。だけど、そんなに格好つけていたロンが最後には「怖い」と言う。ロンはどこか無理していた、それが伝わるコートです。びびっているからこそ格好つけていたのだろうと僕は解釈しています。

時代が変わっても、実は地続きの物語
――物語の面で、演じることで深まってきたところはありますか。
関町:先ほど話した階段のシーンは切ないですね。稽古の時から思っていたけど、舞台でやると、より、そう思うようになりました。ハーマイオニーとは結ばれていない現実。別に不思議なことではないし、ロンは何も思っていないはずなのに、何かが溢れ出す。ハーマイオニーからも何か出ているような、そこはたまらないです。毎回泣きそうになるけど、涙を必死にせき止めています。
松井:そうなんですか?
関町:泣きそうになるシーンが多いんですよ(笑)。
松井:イギリスで上演しているバージョンでは、あのシーンは二つにわかれているんです。日本版はそこが一つに凝縮されているので、より濃密なんだと思います。
私が深くなってきたと思うのは……、個人的な解釈ですが、2幕の執務室でのプロポーズの前に、ハーマイオニーが「離婚したいと言うこと?」とロンに言うシーンがあります。私はなぜ彼女がいきなり高ぶるのかがいまいちわからず、稽古からずっと探っていました。でも公演中のある日、気づいたんです。ロンが、ローズがいなかった世界があるなんて……みたいなことを言う、その言葉にハーマイオニーが責められていると感じたのではないかと。人間って気持ちが弱くなると、勝手に責められているように思えたりします。それで急に離婚!ってなるけれど、ロンがプロポーズをしてくれたことで気持ちが持ち直した。そう考えて演じてみたら、悩んでいた部分がすっと通った気がしました。それ以来、ハーマイオニーがローズと再会するシーンやその後のプロポーズのシーンもVワールドからの地続きで繋がっているように感じます。これは何回もやったからこそ気づけたことですし、周りのキャストのお芝居から引き出していただけた部分。すごくいい発見だったと思います。

――ハーマイオニーとローズのシーンはいつ観てもジーンとしますね。
松井:私も好きです。
関町:そこにロンはいないんですよ。いて!って思いますもん。
松井:なぜだろう?
関町:僕も最初、なぜいない?って考えていたんです。僕の解釈では、ハーマイオニーに怒られると思い、関係ないよってスルリと逃げたんでしょうね。そんなずるがしこさもロンにはあるのかもしれません。

スウィングとアンサンブルキャストに注目!
――他に、舞台上で気になることは?
松井:スウィングの方たちが素晴らしいと思っています。稀に昼夜公演で役が変わったり、急に交代して出ることがあって、それでも即「大丈夫です!」と舞台に向かう。緊張もするでしょうが、それを見せることなく完璧なパフォーマンスをお客様に届けてくれます。なおかつ舞台セットを動かしたりもするので、安全を守りながら最後まで物語を一緒に運ぶ。そんな姿を見ると本当にカッコいいです。この間も「僕は3カ月ぶりにこの役をやります」「去年の8月以来なんですよ」と言う声が聞こえて、それはカムバックだよ!と
関町:わかります!僕も何か覚えるよって言いたくなる。
松井:またアンサンブルのキャストも皆さん本当に素晴らしくて。ワンドダンスや2幕頭のVマーチを袖で見ていて、いつも客席から見たい!という気持ちになります。
――2026年12月末に閉幕となります。そのことも含めてお客様へのメッセージをお願いします。
関町:この魔法の世界が観られなくなるということ自体、ピンとこなくて不思議な気持ち。まだ観ていない方は早く体感していただきたいです。そうしたら、2回、3回と観たくなるはず。そのためにも早めにお越しいただき、この魔法の世界を味わっていただきたいです。
松井:終わってしまうのは本当に残念です。私自身この作品が大好きなので、一人でも多くの方に観ていただきたいです。ハリー・ポッターを知らなくても楽しめますし、人と人の強い絆の物語でもあるので、親子で、また友達と一緒に観ても楽しめます。劇場でお待ちしております。


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| 作品名 | 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』 |
| 日程 | 上演中~2026年12月27日(日) |
| 会場 | TBS赤坂ACTシアター 座席表 |
| 上演時間 | 約3時間40分(休憩あり) 本公演は、演出の都合上、 開演した後はお客様のお座席にご案内ができるお時間が限定されております。 詳しくはこちら>> |
| チケット情報 | 2026年4月公演まで、チケット好評販売中! 【2026年5月~7月公演】 〈先着先行〉1月25日(日)10時~ 〈一般発売〉2月1日(日)10時~ チケット詳細はこちら>> |
| チケットに関するお問合せ | ホリプロチケットセンター 03-3490-4949 (平日11:00~18:00/定休日 土・日・祝) |
| 作品HP | 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』公式Webサイト https://www.harrypotter-stage.jp |




