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2020年、コロナ禍に電脳少女シロ主演、世界初の全キャストVTuberで演じられた衝撃のワンシチュエーションサスペンス映画「白爪草」がミュージカルに!2026年1月に世界初演を迎える本作の創作過程をまとめた制作レポートが到着。第2弾は、白椿 蒼(しろつばき あお)役の屋比久知奈、白椿 紅(しろつばき べに)役の唯月ふうか、担当プロデューサーの座談会をレポート。
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お客様のすぐ近くまで行くので、存分にドキドキしてください!
――新作ミュージカルということもあり、お客様も「どんな作品なんだろうか」と思っていらっしゃると思います。「こう届けたい」という思いはお二人のなかでありますでしょうか。
屋比久:どう届けるか、というよりも、これを見て今を生きる老若男女の皆さんは何を感じるのか、皆さんに委ねたいという思いもあります。映画ではV Tuberの電脳少女シロさんが演じていて、カウンセラーの桔梗先生という存在がいて、21歳の人間が主人公。演出も、描かれている心の中の葛藤も、人との繋がりも、「今」だなと思います。新しいものを作っている実感があるので、今を生きる人たちにどう届くのか楽しみです。
唯月:感想ボックスを置きたいよね(笑)。今までにない試みを沢山しているので、どう見えているか気になるし、他の人が演じているのを見たいです。お客様のすぐ近くで、間を通ってお芝居が進むので、存分に楽しんで、ドキドキしてください。私たちはダイレクトに感情をぶつけるので、ガシッと受け取ってもらいたいです。

屋比久:すぐ近くでお芝居をするので、遠くから俯瞰して観るのとも、オペラグラスで見るのとも違って、近いからこそ見えるものがあると思います。私たちは冷や汗だけど、(笑)生の舞台の良さが出ていると思います。
――お二人のお芝居を、200席の会場で、こんなに近くで見られる機会はとっても貴重なことだと思っています。クリエイターの皆さんとは、今の稽古場の雰囲気をそのまま劇場に持っていきたいよね!とお話しています。

レッテルの下にある、心の動きに注目してほしい
――稽古を重ねていくなかでお二人が思う、作品の見どころはどんなところにありますでしょうか。
唯月:蒼ちゃんが紅と立場逆転した時、実は何でも見透かしている、何でも手に持っているお姉さんに見える瞬間があります。蒼ちゃんの心の強さや、服役していた紅のことを色々な意味で待っていた、という気持ちの表現がとても上手なので、注目してほしいです。1回観るとゾクゾクすると思うし、意味が分かってから2回目を観ると、「こんなふうに思っていたんだ」と苦しくなると思います。
屋比久:紅は「母親を殺した」殺人犯というキャラクターだけど、進んでいくうちにどんどん人間らしさが出てきます。人生、運命、生きることに翻弄されている。色々な表情が渦巻いているなかで、決めたことを貫いて一生懸命走っていく紅が、蒼としてとても愛おしいです。紅の「母親殺し」というレッテルの下の心の動きに注目すると、より物語の中に深く入っていけると思います。最初は蒼が主人公のように感じるけど、紅の担う役割がすごく大きい。紅は客席に来るシーンが多いのですが、ふうか(唯月)が良い顔をしているので、是非細かく観てほしいです!
唯月:皆さんの近くにお邪魔します!(笑)

――現時点(12月上旬)で通しを3回していますが、3回とも全く違う通しになっていると感じます。お二人とも、信頼関係がないとできない挑戦の仕方をしているように感じますが、いかがでしょうか。
屋比久:ふうかがやってくれると、私もやろう!と思えるし、逆にそう思ってもらえたら嬉しいと思っています。ふうかとも先日話しましたが、ここまで密な内容で公演数もあるからこそ、こなしているように見えたくない。「こうしなきゃ」と固執しすぎないようにしています。
唯月:冒頭、ともちゃん(屋比久)が一人で演じているシーンを見ていると、3回とも全然違う。それを見て、「今日の蒼ちゃんはこういう感じか。私は今日こうやりたいな」と思うし、お互いの「提案」で作品を作れることが信頼関係に直結しているなと思います。
カンパニーに対して思うこととしては、普通、振付や立ち位置がついたらその通りにやらなければいけないことも多いのですが、今回は立ち位置が決まっていても、「まだ決め切らなくていいから、色々動いてみて」と余白を残してくださる。のびのび演じられて、稽古場に行くのが楽しみな理由の一つでもあります。ありがとうございます、と言いたいです(笑)。
一同:(笑)

屋比久:たしかに4面が客席で正面もないし、二人だからこそできることでもあるよね。決まり事は大事だけど、委ねてくださっています。やってみたことに対しても、「ありだね」「無しだね」という判断はありつつ、「ありよりのあり」として前向きに捉えてくださる。「もう少しこう見えたい」と伝えてくださって、否定が少ない。私たちものびのびできるし、のびのびしたいと思える。ありがたいなと思います。
唯月:そうだね。他の役者さんから見ると、「いいなあ」って思うと思います!
「仲良くなろう」をすっ飛ばして
――ワークショップの時から、既にお二人の信頼関係があったように感じましたが、いかがでしたか?
唯月:その通りです(笑)。「仲良くなろう」、「相手を知ろう」、という工程をすっ飛ばして、ともちゃんが何を思っているか、という中身を知っていく段階にフォーカスできたので、心強いです。とても甘えさせてもらっています!
屋比久:同じくです!特に相手と対峙する作品では、舞台上で心を許したいと思っているのですが、私はそれが苦手で、時間がかかるタイプでした。でも今回はふうかが相手ということで、ドキドキがない状態でスタートできたので、恐怖感が少なかったです。ふうかだから大丈夫と思えて、気を遣わないで稽古できています。
――初めて通したときに、とにかく自由にやってみる、そしてお互いがお互いを全力で受け止める、というお二人が印象的で、絶対に良い作品になると確信したことを覚えています。お二人の信頼関係がないとできなかったことだなと思います。
唯月:大変な作品だからこそ、自分の弱い部分をさらけ出せる相手、ということが大事だなと思っていて。ともちゃんが受け止めてくれるし、共感してくれる。感情が沢山揺さぶられる分、ともちゃんの優しさにいつも助けられているし、すごく大事な存在だなと最近特に思っています。


意見を言い合うことの大切さを感じる稽古場
――同じ役を演じる場合は、共感できたりシェアできたりする部分も多いと思いますが、今回お二人は別の役で、もちろん新作ミュージカルなので今まで同じ役をやっている人もいない。そんな状況はお二人にとっていかがですか?
屋比久:初めて出会ったのは2019年の『レ・ミゼラブル』で、同じエポニーヌという役でした。ダブルキャストやトリプルキャストをふうかと経験しているからこそ、乗り越えてきたものだったり、感じた恐怖感だったり、経験として共有できている気がしていて、それが今回うまく作用している気がします。
唯月:お互いが役に集中している一方で、お互いの役についても無意識で考えています。ともちゃんに相談すると、自分になかった答えが返ってくる。双子の役だからこそ共依存している感じがあって、シングルキャストだけど一人じゃない、と思えます。


――稽古の進め方も独特ですよね。早いタイミングで通して、じっくりみんなで話し合う。新作で正解もなく、作って壊して、の稽古は実際に取り組んでいてどうですか?
唯月:カンパニーに客観的に見てくださる方が多いので、意見を聞くと色んな捉え方があることがわかります。感想会みたいに、思ったことを言い合うタイミングがあるんですよね!一つの意見じゃないからこそ選択肢が増えて、そんなクリエイティブな環境にいられて充実しています。意見を言うこと、思いを恥ずかしがらずに言うことって大事だな、と思いました。
屋比久:私たちも周りも、思っていることを言える空気があって、一から作っていく現場としてこんな良いことはないなと思います。どう見えているのか、どう見せていきたいか、時間をかけて作らせてもらう。「時間がある!」と思える現場はなかなかないので、今回は「まだ時間がある」、「ここからまだまだ作っていける」という安心感がありますね。
ヒグチアイさんの音楽で表現する、作品の色
――この作品は、ヒグチアイさんの新しい音楽が作品の肝になっています。先程もヒグチさんとディスカッションをしましたが、いかがでしたか?
屋比久:さっき、アイさんがどのように音楽をつけていったのかを伺うことが出来て、面白いなと思いました。アイさんの音楽だからこそ表現できるこの作品の色がある。台詞として歌わなきゃ、と思ってしまいがちだけど、曲を書いた方の言葉を聞くと、音の運びや表現の方法を使って歌うことで見える新しい色があるな、と思いました。遊ぶような気持ちで音楽を楽しんで、歌ってみたいと改めて思いました。
唯月:今日はアイさんに、自分のなかにないグルーブ感や歌い方を教えていただいたので、自分の引き出しとして増やしたいです!紅の歌い方は、台詞の部分でも生かせる部分があるんじゃないかと今日思ったので、あと半月挑戦し続けて、怖がらずにぶつかっていきたいと思います!
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■【写真・動画】2026年1月8日開幕!新作ミュージカル『白爪草』稽古場披露レポート到着【屋比久知奈、唯月ふうか、元吉庸泰】/電脳少女シロ・ゲスト出演!スペシャルクロストークラジオ公開中

| 期間 | 2026年1月8日(木)~1月22日(木) |
| 会場 | SUPERNOVA KAWASAKI 座席表 |
| チケット情報 | チケット絶賛販売中! 全席指定:9,500円 U-25(25歳以下当日引換券):7,500円 全席指定映画上映会付チケット:10,500円 1月11日(日)16:00/1月17日(土)16:00のみの取扱い 舞台解説ツアー参加券:1,000円 お一人様1回につき4枚までの購入 *ホリプロステージのみの取扱い ※本公演はワンドリンク制になります。 ・入場後、ドリンク受付にてドリンク代(一律600円)をお支払いいただき、ドリンクコインをお受け取りください。 ・ドリンクへの交換は、開演前・終演後どちらでも可能です。 ・お支払いには現金、クレジットカード、各種電子マネー、QRコード決済がご利用いただけます。 販売スケジュール・詳細は下記をご確認ください。 チケット情報詳細>> |
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