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『ミセン』に続き、第二弾となる新作予習講座を実施。ホリプロステージ会員の中から抽選で選ばれた約60名の会員のみなさまと『ある男』を予習したイベントの様子をレポート!

8月4日に開幕する新作ミュージカル『ある男』の創作過程について、井川プロデューサーによる事前講座が開催された。作品をミュージカル化するに至った背景や制作の舞台裏など、普段はなかなか聞くことのできない貴重なエピソードが語られた。
『ある男』について/題材に選んだ理由

2018年に読売文学賞を受賞し、世界中で翻訳された平野啓一郎氏による長編小説「ある男」。2022年には妻夫木聡、安藤サクラら出演の映画が公開となり、日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む8つの最優秀賞を受賞。人間の本質を問うテーマ性がいまも多くの人に深い余韻を残している。
その物語が、今、圧倒的な歌唱力と演技力を誇るキャスト陣と共に世界初演を迎える。
「なぜこの作品をミュージカルに?」というお声をよく頂くが、最初からミュージカルになる確信を持っていた。
「海外の方とミーティングをしているときに、日本には文化として、いい小説や映画がたくさんあるねという話をしていて、その時ふと頭に浮かんだのが「ある男」でした。そこから改めて小説を読み直し、具体的に考えた時にミュージカルだからこそ表現できる部分がたくさんあると感じました。現在、浦井健治さん演じる城戸章良と小池徹平さん演じる”ある男”(X)によるデュエット、”♪暗闇の中へ”というMVが公開されています。この二人の役は現実世界では交わらないが、時空を超えて同じ空間に存在できるというのはミュージカルだからこそできる表現だと思います。」
「この作品のテーマはとても普遍的で、”個人とは何か”という問い、そして現代社会で生きる中で苦しいこともたくさんありますが、この作品から懸命に生きる人たちのエネルギーを強く感じ、さらには、「ある男」の偽りの人生の先にある”愛”の物語を感じ、ミュージカル化したいと思いました。」
作品にとってベストなスタッフィング・キャスティングを考えている
「ジェイソンさんとは2015年に世界初演を上演した『デスノート THE MUSICAL』の立ち上げの頃から関わりがあり、なにか新作をつくりたいねという話をずっとしていました。原作を読んでほしいと伝えたらすぐに読んでくださって、本作をミュージカルというエンターテインメントの形でお客様に伝えることができることに共感していただきました。またかねてからご一緒したいと思っていた瀬戸山美咲さんに脚本・演出を、絶大な信頼を置いている高橋知伽江さんに歌詞をお願いすることができました。」
「キャスティングについては、デスノートの再来と言われることもあるのですが、それは全く意識しておらず、それぞれの役にベストだと思った方にお願いをさせていただきました。キャスティングの際は、それまでに出演作を拝見したり、過去作品でご一緒した時の印象などから、いつも役とのリンクを感じてご相談しています。」

物語のはじまりは「愛していた夫が、全くの別人でした」という一本の電話から
「弁護士の城戸章良は、谷口理枝から死んだ夫の過去や戸籍すべてが偽りということが判明し、捜査をしてほしいという依頼を受ける。章良が”X”と名付けたある男のことを調べていく内に、自分自身が彼の人生にのめり込んでいってしまい、その中で様々な学びと自分自身と深く向き合っていくことになる・・・。話は複雑そうに感じるかもしれませんが、シンプルに城戸章良とXが時空を超えてお互いに影響しあっていくのを主軸にストーリーが展開されていきます。」物語の構造を決めるまでには紆余曲折あったようで、「昨年一回目のワークショップを実施しましたが、その時と比べると、全く違う構造に変更しています。成立する作品ではなく、これだ!と自信を持って届けることのできる台本をカンパニーのみなさまにお渡ししました。」

「今回、音楽は9人編成の生演奏を予定しています。ジェイソンさんの楽曲はとても色彩豊かで、心に染みるバラードから、エッジのあるロックテイストな楽曲まで、まさに音と共に登場人物たちの心の旅を感じて頂き楽しんでいただけると思います。ぜひ、ミュージカルだからこそ語られる「ある男」を楽しみにしていてください。」と締めくくった。
<プロデューサーより来場者へのメッセージ>
本日はお暑い中、また週初めというタイミングにも関わらずご来場いただきありがとうございました。
今後も、創作過程など色々な事をみなさんと共有しながら、作品の世界を楽しんで頂きたいと思っております。本作を観終わった時に、きっと深い愛を感じ、旋律と共に描かれる物語から、言葉では伝えきれない感情の揺らぎを感じて頂けると思います。ぜひご期待ください。劇場でお待ちしております!
ご参加いただいた方からの感想コメント抜粋
ーある男の小説を読んで、これミュージカルになるの?と思った一人ですが、お話を聞いて舞台を観るのがすごく楽しみになりました。音楽・演出・歌詞・キャストがどのような経緯で決まっていったのかもお話していただけて、妥協せずに良いものを作るという志を感じました。
ーステキなイベントに参加できて光栄です。作品が上演される前にお話を聞くことで、作品に対する期待度が高まりました。また、作品がどのように作られていくのか、現場の方のお話を直に聞くことで、作品の見方が変わりました。作品の背景を知って観る面白さを早く感じたいと思っています。
ーネタバレを聞いてしまったらせっかくの新作が楽しめなくなると、心配していたのですが、ネタバレになるようなことには触れずに制作の過程を熱意を込めて話してくださったのでよかったです。
ーいつも、新作はどういう経緯で生み出されるのだろう?と思っていたので、お話が聞けて大変嬉しかったです。なにより、プロデューサーさんの作品への愛がとても伝わって来ました。そしてキャストの皆さんの話を聞かせてもらったのも良かったです。わたし自身も作品に愛情が湧いて来ました。8月4日が楽しみです。
ー楽しみにしている一方で、なかなか情報が追えておらず、(製作発表の記事などにも目を通せておらず…)本日拝聴した中で、城戸が在日三世であるとかマイクロ差別等の単語を聞き、様々な差別に関しては現在日本でも確かに無視できない話題であり、その辺りが関わってくるとなると単純な楽しみとはまた違いますが非常に興味を惹きつけられるものがありました。
ーある男をミュージカルにすると聞いて、イメージがわかなかったのですが、お話を聞いて、興味が湧きました。もう一度本を読み返して観劇にのぞみたいと思います。
ミュージカル『ある男』はこの夏8月4日に東京建物 Brillia HALLにて開幕いたします。
東京公演のチケットはホリプロステージにて、絶賛販売中!
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作品名 | ミュージカル『ある男』 |
日程 | 2025年8月4日(月)~8月17日(日) |
会場 | 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) 座席表 |
上演時間 | 2時間45分(予定) |
チケット情報 | チケット絶賛販売中!1階S席:平日15,000円/土日祝15,500円 2階S席:平日14,000円/土日祝14,500円 A席:平日9,500円/土日祝10,000円 B席:平日7,000円/土日祝7,500円* ※予定枚数終了*=ホリプロステージのみ取扱 (全席指定・税込) |
チケットに関するお問合せ | ホリプロチケットセンター 03-3490-4949 (平日11:00~18:00/定休日 土・日・祝) |
作品HP | https://horipro-stage.jp/stage/aman2025/ |