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舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』年末ファン大感謝祭2025 レポート
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TBS赤坂ACTシアターにて上演中で、先日2026年12月に千秋楽を迎えることが発表された舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。12月28日(日)に年末ファン大感謝祭2025が開催された。抽選により高倍率の中、招待された260名の熱いファンが集い、中にはホグワーツ生の扮装をした観客も。約1時間半の交流を楽しんだ。

(取材・文:三浦真紀/撮影:SHUN ITABA)

01  舞台ハリポタの軌跡
02  勇気を試す!百味ビーンズ対決
03  魔法力を試す!ハリポタ魔法数珠つなぎ対決
04  知力を試す!場面記憶対決

まずはクールな紹介映像が流れて、キャストが登場。アルバス・ポッター役の福山康平と佐藤知恩と原嶋元久、スコーピウス・マルフォイ役の浅見和哉と久保和支と大久保樹だ。MCはこの6名が交代で務めるという。

最初は「舞台ハリポタの軌跡」。スクリーンに映った年表と写真を見ながら、自由にトークを繰り広げる。

2022年は浅見がMC。プレビュー時から出演している福山に「何公演目ですか」と聞くと、すぐさま客席から「507回!」と声が飛んだ。福山曰く、「何周か回って、今は初めてやっている気分で新鮮」とのこと。「オーディションの募集があったのが2020年。2021年にオーディションをやって今なので、足かけ5年ぐらい関わっています。プレビューからずっと一人でやっていたから必死でした」。

続いて、2023年のトークに。MCは原嶋。佐藤はこの年のアルバス役が決まった後に観劇し、浅見はオーディション中、久保は1年目とオーディションの間に観劇したという。観劇の感想を聞かれて、佐藤「めっちゃ楽しくて、ここに入れるんだ!とスキップして帰りました」、浅見「ロングランだからこその練り上げられたお芝居を観て、すごいなと思いました」。西野遼が参加した時のことを聞かれた福山は、「僕は本番をしながら一緒に稽古しましたね。彼はスコーピウス一人での参加だったから大変だったと思う」と振り返った。

2024年、MCは大久保。この年にデビューした佐藤は「稽古が充実していて楽しかった。資料をたくさん渡されて、次はここでこう、早替えはここ…と覚えて。みんなでずっと稽古して、ご飯にもいっぱい行きました。一瞬で過ぎ去った感じ」、久保「3年目には稽古の進め方が構築されていましたね。1年目2年目の方々の試行錯誤の結果、僕らはスムーズに稽古できるのだろうと感じました」。浅見はデビュー初日に言及し、「お客さんを前にして、ここでリアクションがくるんだ!と感動しました。楽しい!って一瞬で過ぎ去ったイメージです」。

2025年、MCは佐藤。アフタートークやお見送り会などイベントが盛んな年だ。4月には福山アルバスが復帰。この年のTBS「オールスター感謝祭」について、佐藤「(渡邉)蒼くんが赤坂5丁目ミニマラソンで3位!しかも蒼くんはそんなに順位高いと気づいていなくて、笑顔で楽しい走りをしていたら3位になっていました」。この年にオーディションを受けた大久保は「すごく緊張しました」、原嶋「最終審査の時、更衣室に戻ってきたら、たっちゃん(大久保)が隣にいたけど気がつかない。声をかけたら、『あ、原嶋さーん』って(笑)」。また原嶋はオーディションで偉い人と握手をしたら合格できると聞いて実践したと披露、驚きを誘った。

また2025年7月から劇中での演出の変更があり、それ以前からのキャストは戸惑ったという話も。原嶋と大久保は、本番で初めての相手と組むことについて、大久保「トリプルキャストやダブルキャスト自体が初めてだったので大変でしたが、人が違うとこんなに違うんだと新鮮でした」、原嶋「楽しかったです。僕が大切にしたのは、受けた演出を一回忘れること。怪我に気をつけて、あとは目の前の人と楽しい時間を過ごせばいい舞台になると信じてやっていました」。

久保は原嶋と初めて組んだ時の印象を「すごく頼りがいがありました。俳優としての経験値が多くて安心感があり、何を投げても返してくれる。今は仲良くなったけど、実は最初は怖かったです」と心の内を語り、大久保も浅見もその第一印象に共感していた。

大久保については、佐藤から「すごく元気で、稽古で場所を移動する時はいつも一人だけ走っています。だから僕が歩いていると、さぼっているみたいに見えて困る」とクレームが(笑)。

愉快なトークの後はゲームコーナー「呪いの子・対抗試合」。劇中の三大魔法学校対抗試合を思わせる企画で、勇気、魔法能力、知力を試される。アルバスチームとスコーピウスチームに分かれての闘いだ。

第一の課題は、勇気「百味ビーンズ対決」。挑戦者は味のわからない百味ビーンズを自分で選び、交互に食べる。美味しい味だったらポイント獲得、まずかったらポイント没収となる。試合ルールの説明では「息子たち頑張れ!君は暗闇を照らす光だ」とナレーションを務めたのは、ハリー・ポッター役平岡祐太!客席は大盛り上がりだ。挑戦者として、「必ずスコーピウスに勝利を!」と勇ましく大久保が登場、佐藤はその声色を真似して「私が行かせてもらおうか!」。

スコーピウスチームが先行でいざスタートした。大久保がビーンズを口に含み、味わってみる。と、なんとも苦しそうな顔をして倒れ込んだ。これは最初からまずい味を引き当てたか!その様子にアルバスチームは「圧勝!」と大喜び。しかし、大久保は「待って待って、美味しいかも?」と言い出し、大騒ぎに。そこで何味かを確かめると、なんと青リンゴ味。大久保の味覚は疑わしいことが判明した(笑)。次の佐藤は食べた途端に「まっずい!くっさいです」と泣きそうな顔に。腐った卵味の威力は並大抵ではない。再び大久保が別のビーンズを食べると、「美味しい!」とニコニコ。味を確認すると、なんと「ミミズ味」で客席は大爆笑。大久保の味覚は完全に信用を失ったが、勝負は0対10でスコーピウスチームが先行した。

第二の課題は魔法能力「ハリポタ魔法数珠つなぎ対決」。説明のナレーションはドラコ・マルフォイ役の内田朝陽。ハリー・ポッターシリーズに出てくる魔法を交互に唱え、相手が唱えた呪文も自分が唱えた呪文も覚えて、順番通りに唱えなければならない。つまり、どんどん覚える要素が長くなっていくというわけだ。この記憶力対決は福山vs浅見。


福山先行で始まり、杖を使ってカッコよく魔法を唱えていく。「ノックス」「エクスペリアームス」「インセンディオ」「ルーモス」「アロホモラ」……。どちらも真剣勝負で続いている。しかし次のターンで福山は「わからないや、なんの魔法だった?」と焦った様子。しかし少し考えて「モリアーレ」を思い出した!福山が「オブスキューロ」を唱え、浅見は次のターンで「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」を繰り出した。「おおー!」と客席がどよめく。浅見が唱えた「ヴィンガーディアム・レヴィオーサ」をなかなか思い出せない福山に対し、佐藤が「あなたのは違うの!」と映画の有名なシーンのハーマイオニーを真似てアシスト。無事、「ヴィンガーディアム・レヴィオーサ」を捻り出すことができた福山は、「オブリビエイト」を加えた。9つの呪文を即興で記憶できるとは!驚きの声が上がる中、浅見は呪文を唱え出し9つをクリア。最後に「ピエルトータム・ロコモーター」と勝負をかけた。続く福山は悪戦苦闘するが、「参りました」と降参。しかし予想以上の白熱ぶりで俳優のすごさを目の当たりにした。0対30でスコーピウスチームがリード。キャストたちの「ハリポタ愛」が感じられる一幕となった。

第三の課題は知力「名場面記憶対決」。説明ナレーションはマクゴナガル校長役の岡まゆみ。スライドショーには、舞台写真と番号がセットで映し出される。それを記憶し、最後に出てきた番号をもとに、客席に飾ってある写真群から探し出す。正解ごとに10ポイントの予定だったが、アルバスチームのお願いにより20ポイントになった。原嶋は「このポイントなら3回やったら圧勝できる」とホクホクだ(笑)。この試合は原嶋vs久保。スクリーンに次々と映し出される写真に集中する二人。最後の番号を見て、原嶋「やばい」。観客の反応から写真を必死に探す原嶋が面白い。一方の久保は自信満々で迷うことなく写真を持ってきた。正解は久保の「組み分け帽子とスコーピウス」で、スコーピウスチームは20ポイントを獲得し、点差がより開いた。そこでアルバスチームは「お願いがあります。次は30ポイント、いや40ポイントで」と懇願。30ポイントにしてゲームを進めることになった。

2回目はどちらのチームも「嘆きのマートル」の写真で正解。30対80に。アルバスチームは再びお辞儀90度で「50ポイントにして最後じゃんけんがいいです」(笑)。第3問は写真の枚数が一気に増えた。原嶋はすぐにわかったようで、「キター!」と大喜び。浮かれるアルバスチームに対して、観客に助けを求めるスコーピウスチーム。なんと、持ってきたのは同じ「三校対抗試合の応援」の写真。どちらも正解かと思いきや、キャストが違うという引っかけ問題。まんまと罠にはまり、悔しがるキャストたち。30対80でスコーピウスチームの勝利となった。

その後、観客と記念撮影を行い、締めの挨拶をして感謝祭はお開きに。キャストはみんなサービス精神旺盛で、わちゃわちゃ青春!という雰囲気もありながら、真剣で二枚目な顔も見せてくれた。トークで舞台の裏話を聞けたのも興味深い。お見送り会まであり、あっと言う間の1時間半。この先もチケット購入者向けにマジック体験会やワンドダンスレッスンのほか、様々なイベントや企画が用意されているという。『呪いの子』のラストイヤー、とことん参加して楽しみたい。


会場:TBS赤坂ACTシアター

上演時間:3時間40分 ※休憩あり

主催:TBS ホリプロ ATG Entertainment

特別協賛:東海東京フィナンシャル・グループ

With thanks to TOHO

In association with John Gore Organization

<チケット情報>
■2026年4月公演分まで
TBSチケット、ホリプロステージ、各プレイガイドにてチケット好評販売中

販売詳細:https://horipro-stage.jp/news/hpcc202602_04_tickets/

<2026年4月公演までの 出演キャスト>

ハリー・ポッター:平岡祐太/大貫勇輔/吉沢 悠

ハーマイオニー・グレンジャー:酒井美紀/松井玲奈/奥村佳恵

ロン・ウィーズリー:ひょっこりはん/上山竜治/関町知弘

ドラコ・マルフォイ:内田朝陽/姜 暢雄/渡辺邦斗

ジニー・ポッター:白羽ゆり/安藤 聖/吉井 怜

アルバス・ポッター:福山康平/佐藤知恩/原嶋元久

スコーピウス・マルフォイ:浅見和哉/久保和支/大久保 樹

嘆きのマートル:出口稚子

ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:倉澤雅美

デルフィー:乃村美絵/高山璃子/野邑光希

組分け帽子:尾尻征大

エイモス・ディゴリー/アルバス・ダンブルドア/セブルス・スネイプ:間宮啓行

マクゴナガル校長:岡 まゆみ/白木美貴子

秋山和慶/浅野郁哉/チョウヨンホ/古沢朋恵/半澤友美/隼海 惺/肥田野好美/久道成光/

星 郁也/石原健太郎/加茂享士/柏村龍星/肥塚綾子/小結湊仁/黒田 陸/馬屋原涼子/森田万貴/

小川 希/岡 直樹/織詠/大竹 尚/坂入美早/篠原正志/鈴木翔吾/田口 遼/髙橋英希/手打隆盛/

上野聖太/薬丸夏子/横山千穂

ルード・バグマンの声:吉田鋼太郎

※各キャストの出演時期の詳細については公式サイトをご確認ください。

公式WEBサイト)https://www.harrypotter-stage.jp
公式X)https://x.com/hpstagetokyo
公式Instagram)https://www.instagram.com/hpstagetokyo/
#ハリポタ舞台 #呪いの子

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