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『ビリー・エリオット』ホームカミングアフタートークレポート
  • レポート

2017年、2020年のビリー・エリオット役を演じた4人がアフタートークにカムバック!
「ホームカミングアフタートーク」のレポートをお届けします。


■10月11日(金)
登壇者)2020年ビリー役:川口 調中村海琉、おばあちゃん役:阿知波悟美、ビッグ・デイヴィ役:辰巳智秋(司会進行)

川口 調(かわぐち・しらべ)
現在16歳の高校2年生。
2022年、世界バトントワーリング選手権で優勝。

中村海琉(なかむら・かいる)
現在15歳の高校1年生。
バレエとTAPのコンクールにて受賞歴あり。
2024年スカラシップにてNYへダンス留学。

2024年版の公演を観て

辰巳:自分が演じてた役を見てどうだった?

調:アングリーダンスで、辰巳さんとの思い出があるんですけれども・・・。
ビリーが板に飛び乗るとき、安全のために「乗った!」と大声で言わなきゃいけないんですが、リハーサルの時、僕の声が小さすぎて、辰巳さんに「もっと大きい声でやって」と怒られたのを思い出しました。

辰巳:サーフボードっていって、ビリーが板の上に乗って、二人の炭鉱夫が回すんですね。
本番前に必ずセーフティチェックをやるんですが、声が小さいと下の二人に聞こえなくて、いつ持ち上げたらいいかわからないので、必ず大きい声を出すように毎回注意してたね。
今回も同じくしてるんだけどね(笑)

調:はい、絶対言ってるんだろうなって思ってました!

一同:(笑)

海琉:僕はドリームバレエで空飛ぶ時、すごく疲れてて。その前も踊ってて、もう終わりの感覚なのに、さらにそこから空を飛ぶっていう・・・。

辰巳:最初は怖さはあった?

海琉:自分は大丈夫でした。

調:大貫さんとの回は怖かったです。パワーがすごくてブンブン回されて、ジェットコースターに乗っている感覚で!あのまま飛んでいっちゃうんじゃないかと思いました。

バレエは一からのスタート

辰巳:二人はバレエもタップダンスもオーディション受けたときが初めてだったの?

海琉:僕はタップはやってました。

辰巳:バレエは一から?

調・海琉:はい。

阿知波:そうなの?考えられない!
2人も当然やってたんだと思ってた!
頑張ったね・・・!本当に頑張ったと思う!

辰巳:前回2020年はコロナということもあって、僕たちの稽古も全部海外スタッフとリモートで全部やっていたので、大変だったよね。細かく伝わらない部分もあるし。

調:海外の演出補のサイモンさんと通訳さんと日本のスタッフさんと、リモートでレッスンがあって、家にあるものを見立てて代用しながら演技して、色々アドバイスをもらっていました。

辰巳:前回、本当は3か月弱東京公演があったんだけど、コロナで半分なくなって。今回、皆さん拍手だけじゃなくて声援を送ってくださるんですけど、前回はそれも受けていないですよね。拍手はたくさん受けてありがたかったけど、うらやましくも感じるでしょう?(笑)うわー!とかブラボー!とかヒューとか!

調・海琉:言われたいです(笑)

阿知波:そっかあ、ちょっとしみじみしちゃうな、おばあちゃんとしては。
2020年のビリーも今年のビリーも、比べるんじゃなくて、それぞれのビリーに思いがあるから、「この子はこういう時にこうだったな」っていう小さい思い出がいっぱいあるのね。今発表するようなことじゃないけど(笑)
海琉は汗かいてくると天然パーマのくるくるがいっぱい出てきて、「だいぶ今日はくるくるしてるな」って思ったり。
調は昔はあまりしゃべらなかったけど、大人になって喋るようになったね。

調:お仕事なのでちょっと頑張らなきゃと思ってそうなってたかもしれません(笑)

阿知波:そうか~じゃあ今はお仕事だからしゃべってるの?

一同:(笑)

調:いや、楽しく話させていただいています!(笑)

阿知波:ならいいけどさ!(笑)

おばあちゃんとビリー達との思い出

辰巳:阿知波さんは、Grandma’s Songで歌ってるのをビリーが見てる、というところもあって、ビリーとの関わりが多いですよね。

阿知波:そうだね。最後に腕を組んでハケていくときに、それぞれに言葉をかけてくれるんだけど、日々違うことを言ってくれて。「おばあちゃん素敵だったよ」とか「歌がとっても素敵だった!」とかいろんなことを言ってくれるんだけど、そのたびに泣きそうになってた!

辰巳:二人もやっぱり覚えてる?

海琉:覚えてます!

調:大好きです!Grandma’s Song、舞台上で聴いてても、客席で聴いてても、すごい泣きそうになっちゃうんですよね。「おばあちゃん・・・!」って。大好きでした。
舞台上では男性アンサンブルの皆様がかっこよく踊ってるんですけど、そこは見ちゃダメ、おばあちゃんが歌ってるんだからみてあげてね、って・・・お疲れ様です!!!

(ここで丸山・加賀谷炭鉱夫登場)

辰巳:丸山君と加賀谷君です!

阿知波:しゃべらないの?

(丸山・加賀谷炭鉱夫、無言で退場)

阿知波:海琉は何か思い出ある?別にGrandma’s Songじゃなくていいよ、私に気遣わないで!(笑)

海琉:「Electricity」にすごい思い出があって。椅子の上での側転を、初日から2公演連続、ぐらついてできなくて。沢山踊った後にアラセゴンド・ターン(Electricityの最後に登場する、片足を上げたままターンするバレエの技)があって、バレエをほとんどやったことがなかったから大変でした。

辰巳:二人はバレエをやったことがなくて、あれだけのことをね!
海琉は歌をずっとやってて歌が得意で、調はバトントワーリング。

阿知波:世界大会優勝!

(客席拍手)

辰巳・阿知波:みんな世界行っちゃう!

辰巳:残りの二人(2020年ビリー役利田太一・ 渡部出日寿)も海外に留学して。

阿知波:海琉はいつ世界行くの?

辰巳:留学に行ったんだよね?

海琉:7月にダンス留学に行きました。全ジャンルで1ヶ月、楽しかったです。

辰巳:ビリーで培った基礎はあるわけじゃない?バレエにしろ何にしろ。そこはもう武器だよね。

阿知波:もう誰にも負けない武器を持ってるよ!

(中略)

2人はビリー終わった後にオリバー!(2021年上演)に一緒に出てたけど、ミュージカルはこれからも出ていきたいの?

調・海琉:やりたいです!!

もしまた『ビリー・エリオット』に出るなら?

辰巳:もしまたビリーに出るなら、二人はどの役がやりたい?

海琉:僕はトニーをやりたいです!かっこいいよね!調は?

調:いやもう、何でもいいです。
なんでもいいから、とにかくこの舞台に携わりたいです!

阿知波:私とっさに思ったんだけどさ、ドレスのタップのところって今でもできる?

調・海琉:できます!

阿知波:ちょっとやってみて!

(完璧に披露)

辰巳:タップキャプテンの丸山くんどうでしたか?

丸山:(見せ場は)その後じゃないの?

(より難しい、続きも披露。一同・客席大盛り上がり)

阿知波:すごい!!!でもやっぱりハアハアいうんだ

調:斜めの床が本当にしんどい!

辰巳:お客さんあまり気づかない人もいるんですけど、微妙に斜めなんですよ。すごい大変なことだと思います。

2024年のビリーへ

(ここで丸山・加賀谷警官が登場、海琉と調を連れ去って上手の柱に連れていく)

阿知波:何??

辰巳:そうでした、これもご紹介したくて。
前回公演から、大阪最終公演の時にスタッフさんが身長を測って柱に印をつけてくれてるんですよ。

辰巳:二人は印つけたの覚えてる?

調・海琉:覚えてます!

辰巳:今回のビリーも、大阪の最後に、そこに名前が刻まれるのでしょう。

(客席、拍手)

辰巳:今回のビリー達にエールとかは有りますか?

海琉:僕は当時ケガすることも多かったし、今回の公演数は倍くらいあるので、身体に気を付けて頑張って欲しいです。

調:今になって思うのは、『ビリー』に出させてもらっていたのは、とても有難く特別な時間だったので、残りの公演を、精一杯楽しんで欲しいです。

阿知波:終わった時に、ビリーロスにならなかった?

海琉:僕は特に…

一同:(爆笑)

海琉:達成感はありましたね(笑)

調:僕は凄くロスでした!また舞台に出たい…!て思って、それで『オリバー!』に出られたことも嬉しかったですね。

阿知波:また舞台に立ちたい、と思ってくれること、本当に嬉しいね。

辰巳:また共演することだって、あるかもしれないしね。頑張りましょうね、お互いに。

調・海琉:はい!!

■10月14日(月祝)
登壇者)2017年ビリー役:木村咲哉、未来和樹、おばあちゃん役:根岸季衣 ブレイスウェイト役:森山大輔(司会進行)

木村咲哉(きむら・さくや)
現在18歳の高校3年生。舞台を中心に活動中。

未来和樹(みらい・かずき)
現在22歳の大学3年生。東京大学経済学部在学中。起業家としても活動中。

7年ぶりにビリーの舞台上へ

森山:どうですか、この舞台上に久々に立った感じは?

和樹:7年ぶりですね。この傾斜の感覚、懐かしいです。

根岸:お客さんはあまり感じないかもしれないんですけど、斜めなんですよ。

和樹:軸をだいぶ後ろにしておかないといけないので、平坦なところで踊るのとだいぶ違うんです!

根岸:たやすくやっているように思えるけどね。

森山:・・・踊れたりするの?

一同:早い早い!(笑)

和樹:前回の2020年ビリー、皆さん綺麗に踊ってたじゃないですか。練習してないけど全部覚えてます、みたいな。あの日咲哉から動画が送られてきて、何も覚えていない、どうしよう!って(笑)

森山:それで、こっそりやってきたの?

和樹:いやいや、練習してきたら面白くないじゃないですか!この場で覚えてるかチャレンジを・・・!

根岸:ダンシングドレスの一番盛り上がるところが良いんじゃない?

和樹:エクスプレス(Expressing Yourself)の後半覚えてます? ・・・オフマイクで無理だよって言ってきた(笑)やってみよう!前半を一回ちゃんとやって、後半覚えてるかチャレンジを(笑)何百回やっていますから!

 (ダンス披露、客席拍手)

和樹・咲哉:流石にここはね!覚えてますよ!

和樹:最後の方・・・やってみる?これは7年くらい思い出してないから!(笑)

(続き披露、客席拍手)

森山:水でも飲んでいただいて(笑)

ビリーたちの近況

根岸:身長ほとんど変わらなくなっちゃったね。

咲哉:あ、いや全然僕の方が高いです!

和樹:こういう生意気なとことは変わってないんですよ!

森山:咲哉が1番末っ子で。

和樹:はい。僕が一番上だったんですけど、もう全員僕のことを舐めてて(笑)咲哉は4つ下なんですけど、呼び捨てでこき使ってくるんですよ!(笑)

咲哉:こき使ってないです!

根岸:普段も会ったりするの?

和樹:ちょいちょい会うよね。

咲哉:ちょいちょいたまにね。

和樹:勉強法を聞きにくるんですよ。

咲哉:東大生なんで。

和樹:英語の勉強法を教えろって命令文で送ってくるんです。

咲哉:違う違う(笑)

根岸:プレビュー公演の時に、(初演のビリーが)5人揃って来てくれて、それがすごく久しぶりでね。和樹くんなんて7年ぶりだもんね。

和樹:そうなんですよ!随分ご挨拶できていなかった方もいらっしゃったし、5人で集まるのは本当に7年ぶりだったので、感動の再会みたいな。

根岸:あの時5人と撮った写真はお宝写真です。いろんな人にこっそり見せてる!(笑)

7年前の思い出

森山:踊っているのをみると当時のことを思い出しますね。根岸さん、思い出に残っていることはありますか?

根岸:私も初めてだったから、何が何だか。部屋が分かれていて、大学の授業みたいで、こんな複雑なスケジュールで稽古するなんてなかったから、ずっとドキドキだし。

森山:普通の舞台は稽古場が1箇所なんですけれども、ビリーの場合は6部屋くらい借りて、この人は歌、この人はダンス、って時間割みたいになっていて、一日ずっと忙しいんですよ。覚えてるのは、咲哉はグミが好きで。

一同:(笑)

根岸:だって赤ちゃんみたいだったもんね。声もだけど、まだ赤ちゃん体型だったもんね。

和樹:ちょっとディスってますよね!?

一同:(笑)

森山:お客さんからいっぱいグミをもらって、嬉しくなっちゃってずっと食べてたんですよ。だんだん丸くなって、ブレイスウェイトになっちゃうからダメ、一日ひと袋までって決めて抑えてたね。

和樹:最近はグミ食べるんですか?

咲哉:前ほどは食べなくなりました(笑)

和樹:最近のマイブームは何ですか?

咲哉:ピアノを始めまして。独学で。

和樹:音楽家咲哉になるんですか。ミュージシャン咲哉・・・?

根岸:(和樹は)大学行きながら何をやってるんだっけ?

和樹:舞台はあまり関係ないんですけど、自分の会社をやってます。学生を集めて企業と結びつける人材系のことをやってて、連続起業家みたいな感じでいきたいなと思ってます。いずれ舞台にカムバックして。
※連続起業家:新規事業を次々と立ち上げる起業家のこと。

根岸:踊れる起業家?

和樹:本当にそうで、歌って踊れる起業家になろうかなと(笑)ビリーを何回か見させてもらって思うのは、ビリー観るとものすごい元気出るじゃないですか。感動するし、明日から頑張ろうって。他のものにはない、舞台だからこそだな、自分が作っていけたら生きてる感じがするな、って考えてます。

森山:何でも協力するんで。

和樹:是非お願いします!それまでずっとブレイスウェイトさんやってください!

根岸:もう何代にも渡ってビリーを持ち上げてね!

森山:和樹は全然手間かからなかったね。優秀だったから。

根岸:最後成長痛で、大阪公演出られなくなっちゃって。悲しかったけれど。

和樹:そうなんですよ。この舞台に再び立つことができて、めっちゃ感動してます。

根岸:2人と一緒にトークやることになって、また会えるってなって嬉しかった!

森山:今日来てくれて本当ありがとうね。

和樹・咲哉:こちらこそありがとうございます!

和樹:この間ビリー5人揃って、みんなでごはん行って、色々話して、同窓会みたいなものをやったんですけど、奇跡的な話があって。みんな、今でもビリーの舞台に立つ夢を見るんですよ。急遽「ちょっと君やってくれない?」って言われて。「いや覚えてない!」ってなったところで起きるっていう同じ夢をみんな見てるんです!(笑)全員の心の中に、ビリーをやったっていう経験は潜在意識としてあって。

根岸:踊りも急にやってできるっていうのは、身体に入っているんでしょう?

和樹・咲哉:そうですね・・・。

森山:だってずっと踊ってたからね。

根岸:咲哉くんはオーディション受けるまで、バレエは全然やってなかったんでしょ?

咲哉:やってはいたんですけど、ヒップホップがメインだったので、ビリー受ける前は全然できなくて。ビリーの期間で成長させてもらいました。

根岸:よくやったよね。

和樹:すごいですよ、小4ですから。

森山:世界最年少だもんね。

和樹:スタッフさんが照明のテストをやるとき、今も咲哉の声で練習してるらしいんですよ。咲哉の赤ちゃん声を聞いてみんな癒されてるのをさっき知りました。

森山:声聞いただけでどのビリーか分かるから、僕らはそれだけで泣いてました。初演は、Electricityのヒップホップバージョンもあったよね。

根岸:Electricity、みんな全然違ってた!

2024年版の公演を観て

和樹:プレビューも今日も、リョーマくんで観たんですけど、プレビューからさらに磨きがかかってると思いました。

森山:身長も伸びてるしね。こっちは大変だけど(笑)

和樹:毎日重くなって!

根岸:成長するのはビリーだけでなく、バレエガールズも!

和樹:そうですね、バレエガールズも持たないといけないですからね!毎回ビリーを持ち上げていらっしゃいますからね。

森山:毎日毎日持ち上げて、疲弊して(笑)成長期だからどんどん伸びて、嬉しい悲鳴って感じ。

根岸:初演と再演はシングルでやってましたね。

森山:そうですね。今回はダブルで、本当に助かってます。で、どうなの、今日見て!

和樹:どうでしたか!

咲哉:急に振るね!

和樹:しゃべらないって宣言してたけど!

咲哉:(和樹が)まとめてくれるんで(笑)

和樹:僕らの一番の爆笑ポイントは、ブレイスウェイトさんが脱いだシャツで脇を拭くってのが一番面白かった(笑)

一同:(笑)

和樹:チャレンジングなことを舞台の上でやるじゃないですか。縄跳びしたり、足で鍵拾ったり。何回か通うと、今日はいつもと違うな、って見えてきますよね。

森山:大変ですけどね、やること多すぎて。

根岸:毎日本番前にセーフティ(安全確認)もやってるもんね。本番始まっても、稽古続けてるのが辛かったって言ってたよね。

和樹・咲哉:そうですね。

(警官帽を被った加賀谷、丸山が登場)

一同:警官の方だ・・・!

森山:あっという間ですが、終了のお時間となりました。本当にありがとうございました。

根岸:2人に会えて嬉しい。

和樹:僕らも嬉しいです!

森山:最後にビリージャンプをお願いします(笑)

和樹:さっきの2倍くらいは飛びたいよね。本気でやりますよ!勝ったら50ペンスね!

咲哉:OK!(笑)

(華麗なビリージャンプ披露、客席拍手) 

一同:ありがとうございました!

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