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豊かな音楽、ドキドキするアクションやリズムをとりたくなるダンス、そして華やかなフライング。世代を超えて長く愛され、今年で46年目を迎えるミュージカルミュージカル『ピーター・パン』。今回、フック船長を務めるのは、最近ミュージカルで目覚ましい活躍を見せている内海啓貴だ。一体どんなフック船長を目指しているのか?また子ども時代やキャリアについて、フランクに語ってくれた。
(取材・文:三浦真紀/撮影:番正しおり)
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▼ピーター・パン役山﨑玲奈
&
ウェンディ役山口乃々華
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最速のフック船長
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――本格的に稽古が始まり、今の手応えはいかがですか?
3幕まで一通り演出がついて、一安心というところです。「最速のナルシズムなフック」を目指しています。

――「最速」とはどういう意味ですか?
動きの面ですね。まずは殺陣。一般的に殺陣はカウントで動きをつけることが多いようですが、今回は役者同士の間合いでやるんです。音は僕らに合わせて音響さんがつけてくださるスタイル。これが完成したら、子どもたちが客席でポカーンと口を開けるんじゃないかな?そのくらいスピーディーでキレッキレの殺陣をお届けしたいです。
またパルクールも披露します。ピーター・パンが空中を飛ぶように、僕は地べたをものすごいスピードで移動するので、ぜひ注目ください。
――この作品のためにパルクールを練習なさったと聞きました。やってみた感想は?
初めてパルクールの稽古をした時は、その後4日間、筋肉痛が取れなかったです。そのくらい、自分が今まで使ったことのない筋肉を使っている感じ。それまでパルクールは僕にとって、ビルとビルを飛び回る危ないスポーツというイメージでした。だけど習ってみると、とても紳士的なスポーツなんです。怪我をしないためにいかに動くかを習い、身体づくりも行っています。俳優として貴重な経験ができています。


――動きの鋭いフック船長になりそうで楽しみです。フック船長はどんな人物だと思われますか?
最初のうちはピーター・パンにとっては悪党でも、自分の正義を貫いている男と考えて役作りをしていたんです。しかし歌詞に「悪党とは誰だ キャプテン・フック」とあり、自分のことを「悪党」と言っていることに気づいたんです。つまり悪党の自分がかっこいいと酔いしれている、そのナルシズムこそ彼だし、それも彼の正義の一つなのではないか。そう考えて、これからは作っていこうと思っています。またフック船長は貴族の家の出身で、敢えて海賊という自由な道を選んでいます。そのプライドや気品を大事にしつつ、人間味を出していけたらいいかなと。ただ怖いだけではなくチャーミングな面も大事にして、立体的な役作りをしていきたいです。

――客席の子どもたちにとってはピーターの敵!悪い奴!となるのでしょうか?
多分そうですよね。子どもたちはピーター・パンの味方ですから。だけど、フック船長もかっこよかった!と思ってもらえたら嬉しいです。
昨年観劇した時、終演後に子どもたちがみんなピーター・パンの雄叫び「あっあーああー!」をやっていて。今回は一人でも多く、フック船長の「ヨーホー!」をやってもらえたら(笑)。フック船長としてより動いて、時にはヒーローに見えるくらいまで行けたらいいなって思います。
――フック船長とウェンディのお父さんであるダーリング氏、二役を演じるのはどんな感覚ですか?
この二役は一見、相反するように見えますが、どちらも大人の象徴で、同時に恐怖の象徴でもあります。演出の長谷川寧さんからはどちらの役も、大人でありながら子どもと張り合うなど、頼りなさや弱さを出してほしいと言われています。例えばフック船長は、パイレーツの前では格好つけているけれども、スミーの前では弱気になってしまったり。また今回、鏡であることを大切にしているとおっしゃっていました。フック船長とダーリング氏は全く違う人物でも、鏡合わせでどこか根本的なところが似ていると。こういった部分をきちんと作っていきたいです。

――興味深いですね。大人も十分楽しめそう!
子どもたちだけでなく大人の方々も観てくださるので、大人の目線も大事にしたいと思っています。ワニの時計の音についても、ただ飲み込まれたそうで怖いというだけでなく、時を刻む音が大人になってしまう老い、その経過や大人になることへの迫り来る恐怖を表していると考えることもできます。だからこそ、寧さんの演出ではワニをパペットとして出さず、影絵で見せてフックの頭の中を想像させる。去年僕が観た時にこの見せ方が面白くて、実に演劇的だと思いました。「恐怖」をいろいろな角度から捉えられるように作っていけるのは面白いです。
たくさんの夢とサプライズがたくさん!
――山﨑玲奈さんのピーターはいかがですか?

去年、舞台で観たピーターそのままの天真爛漫な女の子で、役作りがいらないんじゃないかというくらい、ぴったりです。1幕の通し稽古で、ピーターが歌う「アイム・フライング」「ネバーランド」を聴いて、またお芝居を見て、感動したと同時にお尻を叩かれた気持ちになりました。舞台を観ていた時とは違うドキドキ感!作品に対するギアが一段上がりました。
――実際に参加されて、改めて『ピーター・パン』の魅力はどんなところだと思いますか?

純粋さ、ですね。僕、1幕の通し稽古で泣いちゃったんです。稽古場で実際にフライングをしているわけではないのに、子どもたちの嘘がない素直なお芝居を見て、自分は飛べなくなってしまったのかな?と。また、ピーターが導いてくれて、それを素直に受け取るウェンディとジョン、マイケルなので。お客さんが僕らの表現を素直に受け取ってくださることで、客席までネバーランドに染まっていく感じが1幕からしました。たくさんの夢が詰まっていて、それに加えて、ネバーランドに行くとパルクールあり、ワニが影で出てきたりとサプライズがたくさんあるので、お楽しみいただきたいです。
――観ているうちに大人も子どもの頃の気持ちに戻ってしまいそうですね。
本当にそうです!観劇した時、隣の席にお子さんが座っていて、子どもの頃の自分と重ねていました。そういえばあの頃は野球をめちゃくちゃ楽しんでいたな!幼稚園の頃はバスの運転手さんが怖かった!とか、いろいろと思い出してきたんです。ああ、僕は大人になったんだなぁ、とも。人それぞれに気づきがあり、共感できるところがあるかと。

――ご自身はどんなお子さんでしたか?
野生児で、秘密基地を4つくらい持っていました(笑)。緑に囲まれた盆地で育ち、高いところが大好き。日々、木登りしたり、ジャンプしたり。ある日、太い蔓が木に絡まっているのを見て、その蔓を切ればターザンみたいにぶら下がって飛べるんじゃないかと思いついたんです。けれども、のこぎりを入手できずに雑草を刈る小さな刃物で1カ月かけてその蔓を切り、ターザンロープを作りました。そんな子どもだったので、この作品で演者がそり立つ壁を登ったり、フライングしたりするのを見ると、血が騒ぎますね。
節目の10年~さらなる成長へ~
――そんなユニークなお子さんだった内海さん、なぜ俳優の道へ?

この間、ファンの方に教えていただいて気づいたのですが、今年でミュージカル歴10年になりました。
中学生の頃にドラマ「ルーキーズ」を見て俳優の仕事に興味を持ち、18歳で初舞台。でも20歳の頃に一度辞めて、友達と路上ライブをやっていた時期がありました。そして21歳の時に『テニスの王子様』に出演したのが、ミュージカルの世界に入るきっかけとなりました。そこからはや10年。芸術系の学校を出たわけでもなく、特殊な道のりだと思います。
――特に最近の若い世代は子どもの頃からミュージカルを目指して、英才教育を受けてきた方たちが多いですからね。
今回の事前稽古で、子役キャストたちに「二役をどんな演じ分けをするのか、楽しみです」と言われました(笑)。あと「台詞がいっぱいありますが、もう覚えましたか?」と。皆さん、本当に素直で可愛い。そういったコミュニケーションができるのもこの作品ならではの楽しさです。
――10年の節目にフック船長を演じる。何か意味があるのかも?
もちろん意味があると思いますし、僕自身がステップアップしなければいけない作品だと思っています。こうした大人の代表みたいな役どころは初めてで、いつかやりたいと願っていました。稽古しながら新たな階段を踏んでいる実感はあるので、絶対に成功させたいです。


――この先、ミュージカルで演じたい役、出てみたい作品はありますか?
いつか挑戦したいのは『ジキル&ハイド』。お芝居とミュージカルが見事に融合した作品で、何より楽曲が素晴らしい。やはりミュージカルは歌が要で、歌唱力があってこその芝居と感じさせられます。そういった作品に出られように頑張っていきたいです。
今までやらせていただいた『ロミオとジュリエット』のベンヴォーリオや、『1789 -バスティーユの恋人たち-』のデムーランはお話の中でバランサーの役割であり、主役に刺激を与える人物だったと思います。役者として芝居相手にどう影響を与えられるか、そして広い視野で全体をみる力が培われた気がします。
これまでの経験を経て、この先は今までとは逆の人物も演じてみたいです。
――最後に読者の方たちにメッセージをお願いします。
観て、聴いて、五感で楽しめる作品、それが『ピーター・パン』。たくさんのサプライズがちりばめられていますので、素直に楽しんでいただけたら嬉しいです。今回、親戚の子が初めて僕の舞台を観にくるんです。年末年始にいつもお年玉をあげている子が!おじさんはこんなにかっこいいんだと思ってもらえるように頑張ります!



| 作品名 | 青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』 |
| 日程 | 2026年7月27日(月)~8月7日(金)[16回] |
| 会場 | 東京国際フォーラム ホールC 座席表>> |
| チケット料金 | ◉ネバーランドシート(妖精の粉付): 【おとな・こども共通】昼の回:11,000円/夜の回:10,500円 ◉S席: 【おとな】昼の回:9,000円/夜の回:8,500円 【こども】昼の回:7,000円/夜の回:6,500円 ◉A席: 【おとな】昼の回:5,200円/夜の回:4,800円 【こども】昼の回:3,600円/夜の回:3,200円 ◉注釈付ネバーランドシート(妖精の粉付): 【おとな・こども共通】昼の回 10,500円/夜の回 10,000円 ※全席指定・税込、こども=3歳~12歳 |
| ツアー公演 | 大阪、愛知、山梨公演あり |
| 作品HP | https://horipro-stage.jp/stage/peterpan/ |



