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ミュージカル『サンセット大通り』音楽監督・指揮 塩田明弘が語るアンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽の魅力

  • インタビュー

2020年3月3日(火)

日本では3度目の上演となるミュージカル『サンセット大通り』が2020年3月14日(土)より東京国際フォーラム ホールCにて開幕します。

1950年公開の同名映画を原作に、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などでお馴染みのアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲によって1993年にロンドンで初演された本作。かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらした悲劇を描き、日本では鈴木裕美による演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演です。

そのすべてで音楽監督と指揮を務めてきたのが、塩田明弘氏。ブロードウェイで研鑽を積み、日本で手掛けた作品は『ジキル&ハイド』『デスノート THE MUSICAL』『天使にラブソングを~シスター・アクト』『ラ・マンチャの男』『ラ・カージュ・オ・フォール』『ラブ・ネバー・ダイ』などなど……ミュージカル界に欠かせない存在です。アンドリュー・ロイド=ウェバー作品も手掛けてこられた塩田さんに、稽古場にてお話をうかがってきました。

取材/中川實穗

 


 

▼公演詳細ページはこちら

 

■『サンセット大通り』はロイド=ウェバー円熟期の大作のひとつ

――3度目の『サンセット大通り』ですが、今作では音楽に変化があるそうですね。

大きくは譜面が変わりました。初演と再演で使っていたスコア(楽譜)から、けっこう変更があって。大きなところでは、楽器の編成です。さまざまな事情から楽器の編成がどんどん縮小されていく時代ですが、今回、ホルン、バストロンボーン、ギター、エレキベースが増えたんですよ。ロイド=ウェバーの得意とする重低音の楽器が増えて、17人編成になります。なのでより壮大になりますね。あとは、間奏を長めにしたり、短くしたり、いろいろな修正点がロイド=ウェバーのカンパニーから届いたので、それに基づいて、演出家の鈴木裕美さんと共につくっている、というところですね。

 

――スコアの変更とはどのようなものだったのでしょうか?

アレンジメントとしては、もっと登場人物……特にノーマですが、彼女たちの情景を、音楽によってもっと強く見せているというような変更が多いですね。

 

――ロイド=ウェバー氏の音楽はどのようなところに魅力がありますか?

彼はよく「現代のモーツァルト」と言われますよね。でも僕は、モーツァルトであり「ジュゼッペ・ヴェルディ」かもしれないなとも思っているんです。

 

――ヴェルディは、『アイーダ』(’51)や『椿姫』(’55)、『仮面舞踏会』(’57)を作曲された方ですね。なぜ似ていると思われるのですか?

音符(♪)って日本語では「おたまじゃくし」と言いますが、ロイド=ウェバーの楽曲って、そのおたまじゃくしにすごく音楽が入っているんです。だから、譜面通りに、着実に忠実に歌い演奏することで、全てが表現される。モーツァルトやヴェルディの楽曲にもそういうところがあります。なので、目をつぶっていても物語が手に取るようにわかるんです。すごく面白いですよね。よく「音楽が芝居をしている」と言いますが、本当にそういう感じ。

 

――その中で『サンセット大通り』はどのような作品でしょうか。

『キャッツ』が81年に初演されて、『オペラ座の怪人』が86年、それでこの『サンセット大通り』は93年。円熟期の大作のひとつだと思います。主人公ノーマの心情を映し出した楽曲が多いのは特徴ですね。美しいバラード「With One Look」や、哀愁を帯びた「Surrender」、ドラマティックに歌う「As If We Never Said Goodbye」などがあります。

 

――塩田さんがお好きな楽曲はありますか?

僕が大好きなのは、序曲です。不安を掻き立てる印象的なメロディーからスタートするのですが、曲中にマックスが歌う「The Greatest Star Of All」の旋律が入っているんですよ。巧みな手法だなと思いますね。入るのが、ノーマでもジョーでもなく、マックスの曲だというのが面白い。常にノーマの影のように振る舞うマックスの、この作品における役割が知れるというか、伝えられるようで。興味津々だし、鳥肌が立つところです。

 

■より内面的なものが伝えられる今作

――『サンセット大通り』は、2012年に日本初演、2015年に再演され、今回5年ぶりの再演となりますが、塩田さんの中で何か印象の変化はありますか?

今回、ノーマの想いや、ジョーの想い、いろんな登場人物の想いがより深くなっているなと感じます。カタチでいかず、より内面的なもの、心の中での葛藤のようなものも伝えようとしていると思う。それは音楽でも、演技でも。いろんな意味で、何回も観たくなる作品かもしれないなと思います。

 

――「より内面的なものを」という変化に対して、塩田さんは音楽監督としてどんなことをされるのでしょうか?

さっき「譜面に忠実に歌うこと、演奏することで物語が手に取るようにわかる」と言ったけど、その譜面……メロディーはもちろん、テンポや強弱、フレーズ、音の長さなどが表現しているものをまず僕なりに解読して、それを演者に伝えたり、演出家に伝えたりします。それが僕の今の仕事ですね。今回はニューアレンジになってより立体的になっている感じがします。今までも立体的だったけど、より顕著になってると思う。

 

――今回の会場となる国際フォーラムはオーケストラピットもありますが、そこに変化は生まれますか?

音が明らかに変わると思いますよ。今まではオーケストラが後ろにいましたが、その場合、“約束事”が多くなるんですよ。歌い出しのブレスが聞こえないので、合図のようなものを使って歌と音を合わせていくんです。でもオーケストラピットだと、呼吸を直で感じることができる。そうすると歌声も自然と乗っかっていく。全然違いますよ。より一層深みのある演技と音楽を、皆様にお届けすることができると思います。

 

――この作品は、初演でノーマ役を安蘭けいさんが演じ、再演は安蘭さんと濱田めぐみさんのWキャストになり、今回もおふたりが続投で演じられます。また、ジョー役は前作から引き続き平方元基さん、そして今作からの参加となる松下優也さんがWキャストで演じられます。キャストが違うと作品も変わりますか?

もちろん。全く違います。音楽も舞台も照明も変わらないのに、違う舞台に見える。素晴らしいことだと思いますね。Wキャストは同じ役のふたりが刺激し合い、切磋琢磨できるところがある。より一層みんなが成長して、いい舞台ができるんだと思いますね。

 

――今回のキャストの印象を教えてください。

安蘭さんとめぐちゃん(濱田)は、ノーマがどう生きてきたか、これからどう生きていかなければいけないかっていう、その強さだったり弱さだったり劣等感だったりプライドだったりが少しずつ違っています。それは彼女たち自身の人生が全く違うものなので。今回は、そういうものが今まで以上に顕著に出ていると思います。ジョーに関しては、元基くんは2度目なので、前回からの発見もあるだろうし、積み重ねもあると思います。逆に松下くんは新キャストで、まっさらな中でスタートする。逆にまっさらだからこその新しい解釈があります。見ていて面白いですよ。お客さんには、Wキャストの“動きの違い”を見るんじゃなくて、この人がどういうふうに役をとらえているかということを感じてもらいたいですね。

 

――ありがとうございました!

 


 

【公演概要】

サンセット大通り

作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
演出:鈴木裕美
出演:
安蘭けい&松下優也
濱田めぐみ&平方元基
※Wキャスト

山路和弘/平野 綾
太田基裕/戸井勝海/浜畑賢吉 他

期間:2020/3/14(土)~3/29(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC

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