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ミュージカル『サンセット大通り』稽古場レポート

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2020年2月26日(水)

2020年3月14日(土)より東京国際フォーラム ホールCにて開幕する、ミュージカル『サンセット大通り』。本番まで1か月を切り、熱を帯びた稽古場の様子をお届けする。 

取材/中川實穗 撮影/宮川舞子

 


 

▼公演詳細ページはこちら

 

『サンセット大通り』は、1950年に公開された同名映画を原作に、『キャッツ』『オペラ座の怪人』など世界で愛されるミュージカルを数多く生み出してきたアンドリュー・ロイド=ウェバーによって1993年にロンドンで初演された作品。かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらした悲劇を描き、日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。ノーマ役を安蘭けいが演じ、“当たり役”と高い評価を得た。2015年の再演では、ノーマ役に安蘭と新たに濱田めぐみを迎え、ふたりの歌姫による夢の競演が実現。5年ぶりの再演となる今回もノーマ役は安蘭けいと濱田めぐみ、ノーマに住み込みでシナリオを書くことを命じられる売れない脚本家ジョー役は2015年に続き平方元基と、今作からの参加となる松下優也が、それぞれWキャストで演じる。

本番さながらのセットが組み立てられた稽古場。これから行われるのは、劇中歌「With One Look」歌唱シーンの動画撮影だという。撮影に備え咳払いをする松下……と、その真似をする平方。ふたりが笑い合い、和やかな空気だ。「With One Look」は、無声映画で栄光を築いたノーマが、自らのまなざしは言葉より世界をふるわせると歌う楽曲。ノーマとジョーが出会うシーンでもある。

 

左)安蘭けい 右)松下優也

 

まず撮影が始まったのは、安蘭×松下のペア。本作ではWキャストの組み合わせは固定制で、安蘭ノーマ回は松下ジョーが、濱田ノーマ回には平方ジョーが出演する。ちなみに平方は、前作では安蘭とのペア。今回、新たな組み合わせとなる。重厚なノーマの屋敷のセット。その中で深みのある歌声を響かせる安蘭。「さあ見て!私を!」という強さや自信、けれど密かな哀しみも感じさせるノーマだ。それを見つめる松下ジョーはどこか引き気味で、付き合わされている感すら漂う。現代の若者を思わせる姿で、ノーマとジョーの間にあるギャップが際立ち、心がざわついた。撮影は一発OKで、続いて濱田×平方の組み合わせに。続けて聴くと、同じシーンでもこんなに違うかと感じさせられる。濱田ノーマは、気高く輝きながらも突然スッと目をそらすような、そんな揺れがある。なにもかもを包み込んだような歌声も印象的だ。そのノーマを前にした平方ジョーも当然、松下とは全く違う反応。ジッと彼女を見つめ、目をそらさない。心がつかまれているようにも見え、ふたりの運命が今始まった、というような気持ちにさせられた。こちらのペアも一発OKで、撮影終了。観ていて、出会いでこんなに違ったら、これからどうなるの!?と、Wキャストの醍醐味を堪能できる時間となった。

 

安蘭けい

濱田めぐみ

 

休憩を挟み、通常の稽古がスタート。借金取りに追われるジョーが、仕事を得ようとハリウッドの撮影所を訪れる、序盤のシーンから始まった。のちにジョーと恋に落ちる脚本家ベティー(平野綾)、大物プロデューサーのシェルドレイク(戸井勝海)、ジョーの親友アーティ(太田基裕)、大物映画監督のデミル(浜畑賢吉)らも登場し、アップテンポなナンバー「Let’s Have Lunch」を歌唱する場面だ。印象的だったのは、鈴木が芝居に対して“プレゼント”を例に「まずは“中身”を大事にすることを意識してほしい」と説明したこと。「会場が大きいからと言って、芝居を大きくすることをまず考えてしまうと、プレゼントを“リボン”から選ぶことになる。でもまずは中身を選んでほしい」と話す。このシーンでは、ジョーがハリウッドの撮影所で忙しく働く仲間たちと挨拶を交わしながら、プロデューサーのシェルドレイクのオフィスに訪れ、自らの脚本を売り込むがうまくいかない姿が描かれる。“仲間たち”といえど、そこは生き馬の目を抜く世界。そこで忙しなく行き交っている人たちは、一人一人が一筋縄ではいかない人間なのだ。鈴木の意図が伝わり芝居が変わると、そんな彼らに対するジョーの心情もより鮮やかに浮かび上がってきた。

 

前列左より)戸井勝海、平野綾、平方元基

 

さらに鈴木が、うまくいかず落ち込むジョーに撮影所で働く人々のエネルギーが圧を与えるシーンについて「(圧をかける側の人たちには)刀ではなく医療メスのような鋭さがほしい」と振り付けへのダメ出しをしていると、音楽監督の塩田が「この歌詞の息継ぎを10cmから1cmにするイメージにしてみて」と提案。ミュージカルだからこその表現の研ぎ方だ。その後も「ここはもうちょっと笑ってほしい」「ここはもうちょっとタイトに」などと調整を重ねていたが、そのすべてで鈴木は「なぜなら」を、例え話なども交えながら丁寧に説明していた。再々演であってもイチからつくっていることが伝わってくる。

ジョーが中心となるこのシーン。稽古は、まずは経験者の平方がやって、次に松下がやってみるという流れだったが、先ほどのノーマとのシーンと同じで、ふたりのジョーは全く違う。松下のジョーは若く、不満や苛立ちが素直に顔に出ているのがどこか愛嬌にもつながっている。平方のジョーはなにかを受け止めているような感じがあってたくさんの感情が受けて取れる。それによって当然、周りの人々との関係性の見え方も変わるのが、観ていて面白い。松下がシーンを通した後、平方となにか話していた。Wキャストを担う4人で唯一の新キャストである松下だが、しっかりと溶け込んでいるようだ。

 

松下優也

平方元基

 

ちなみにこのシーン、シェルドレイクのデスクがスライドで登場したり、ジョーが車に乗って横切ったり、セットがめまぐるしく動いていく。物語に入り込んで観ていると、気づいたときには当然のように存在している舞台美術だが、そのすべてがキャストとスタッフの連携によるものだということが、稽古場にいるとよく見える。目に余裕があれば……セット転換にも注目してみてほしい!

 


 

【公演概要】

サンセット大通り

作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
演出:鈴木裕美
出演:
安蘭けい&松下優也
濱田めぐみ&平方元基
※Wキャスト

山路和弘/平野 綾
太田基裕/戸井勝海/浜畑賢吉 他

期間:2020/3/14(土)~3/29(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC

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