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【動画あり】『蜘蛛女のキス』稽古場レポート【石丸幹二、安蘭けい、相葉裕樹/村井良大】

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2021年11月9日(火)

11月~12月に東京芸術劇場プレイハウスにて上演されるミュージカル『蜘蛛女のキス』の稽古場レポートが到着。

(取材・文=市川安紀/撮影:渡部孝弘)
※写真は別日に撮影

 

▼ミュージカル『蜘蛛女のキス』

期間:2021年11月26日(金)~12月12日(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス

<東京公演チケット詳細>
SS席:15,000円/S席:13,500円/サイドシート:9,000円
U25チケット(25歳以下当日引換券)7,000円(※25歳以下対象・当日引換券・要証明書)

※サイドシートは、シーンによって見えにくい箇所がございます。予めご了承ください。
※未就学児入場不可。
※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
※やむを得えない事情により、出演者並びにスケジュールが変更になる可能性がございます。予めご了承ください。

対象公演来場でスペシャルアフタートークショーやトーク映像プレゼント特典も

 

▼STORY

舞台はラテンアメリカの刑務所の獄房の一室。
映画を愛する同性愛者のモリーナ(石丸幹二)は、社会主義運動の政治犯バレンティン(相葉裕樹/村井良大)と同室になる。人生も価値観も全く違う二人。お互いを理解できず激しく対立するが、時を重ねるうちに次第に心を通わせていく。
モリーナは、心の支えである映画スター大女優オーロラが演じる蜘蛛女(オーロラ/蜘蛛女:安蘭けい)について語り、運命を支配するように、“彼女”は現れるようになる。
極限状態で距離を縮めていく二人。
モリーナは所長から、バレンティンに関する秘密を聞き出すよう取引を持ちかけられている。しかし、バレンティンへの想いから、モリーナは動かない。
ついに所長は、モリーナがバレンティンの仲間と接触することを期待し、モリーナを仮釈放にすることを決める———。

 

 

【稽古場ドキュメント『創作の現場より』全3回公開スケジュール】


Vol.1 )本日公開

モリーナ役・石丸幹二が軽快な音楽に乗せて歌い踊る「♪ドレスアップ」や、バレンティン役・相葉裕樹との掛け合いシーンの稽古風景など。演出・日澤雄介によるコメントも。

Vol.2 )11月16日(火)17:00公開予定
蜘蛛女/オーロラ役・安蘭けいが、美しく格好よく魅せる、ショーナンバーの稽古風景。周りで踊りまくるダンサーズも要チェック。

Vol.3 )11月22日(月)17:00公開予定

バレンティン役・村井良大が稽古に本格合流。同役を演じる相葉との、“バレンティン像”の違いにも注目。

 

 

ミュージカル『蜘蛛女のキス』は観たことがなくても、一度聴いたら耳を離れないミステリアスなタイトルソングはご存じの方も多いだろう。『キャバレー』『シカゴ』で知られる音楽&作詞のゴールデンコンビ、カンダー&エブによる多彩なナンバーの魅力が炸裂する名作だ。とある南米の監獄という特殊な舞台設定のなか、同性愛者のモリーナと政治犯バレンティンの、刻々と変化していく関係性がスリリングに描かれる。その一方で、辛い現実から逃避するモリーナがしばしば夢想するのは、憧れの女優オーロラが演じる映画の世界。初めて観ると「ん? なぜ監獄にスターが?」と戸惑うかもしれないが、虚実や時空を軽々と飛び越えられるのがミュージカルの強みであり、大きな魅力である。人間の尊厳を問うシリアスなドラマと、心沸き立つ音楽&ダンスが融合する上質なエンターテインメントに、ノックアウトされること請け合いだ。

 

モリーナ役:石丸幹二

 

 

モリーナとバレンティンの距離

歌やダンスの稽古を経て、10月上旬からは本格的な芝居の稽古に入っていた。

今回がミュージカル初演出となる劇団チョコレートケーキの日澤雄介は、ひとまず作品全体の大まかな枠組みをつくり、それから登場人物たちの心の動きにフォーカスを当て、芝居部分を深めていこうとしている。11月上旬には、1幕を粗通しできるまでになっていた。

 

演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)

 

芝居の肝となるのは、石丸幹二演じるモリーナと、相葉裕樹扮するバレンティンの、互いに対する感情の変化だ。

なお、バレンティン役のダブルキャスト、村井良大はひと足遅れて稽古に合流するため、まずは石丸と相葉、そして日澤が、時にディスカッションを重ねながら二人の距離感を探っていく。皆に「オカマ」とバカにされても、自虐と妄想で自分の身を守っているモリーナ。大好きなオーロラを真似て、優雅な立ち居振る舞いでおどける石丸モリーナの、まぁチャーミングなこと。

 

モリーナ役:石丸幹二

 

軽快なナンバー〈ドレスアップ〉ではウィンドースタイリストとしての自分をウキウキとアピールするものの、バレンティンには「うるさい!」と一喝されてアピール失敗。それでも懲りずに愛するオーロラの映画について話し続けるモリーナ、けっこうメンタルが強い。というか、そうして人に拒絶されても、何事もなかったかのような自分のままで振る舞うことが、辛酸を舐め続けてきた人生の中で身につけた、彼なりの生きる術だったのだろう。

 

社会正義の実現という使命感に凝り固まったバレンティンが、毛嫌いしていたモリーナになぜ心を開いていくのか。普通の芝居であれば、繊細な台詞のやり取りを重ねてその過程を見せていくところを、ミュージカルでは歌と場面の転換であっという間に飛び越えてしまう。

 

左より)バレンティン役:相葉裕樹(Wキャスト)、モリーナ役:石丸幹二、バレンティン役:村井良大(Wキャスト)

左より)バレンティン役:相葉裕樹(Wキャスト)、モリーナ役:石丸幹二

左より)モリーナ役:石丸幹二、バレンティン役:村井良大(Wキャスト)

 

前述のようにそれが魅力である一方で、だからこそ、それぞれの心の内側、真情を丁寧に埋めていかなければ、二人の関係性の変化に説得力を持たせることは難しい。場面が進むにつれ、日澤は相葉に「今、バレンティンは(モリーナに対して)どれくらいの距離感だろう?」と問いかけ、石丸には「(バレンティンの恋人)マルタの存在を受け入れるのもモリーナにとっては“愛の奇跡”ですよね」と声をかける。

モリーナが「自分も女だったら」としみじみ歌うバラード〈彼女は女〉は、彼の心の痛みが胸に迫る名曲のひとつ。〈嘆きの壁3〉のように、マルタへの熱い想いがこぼれ出てしまうバレンティンの姿が、モリーナの心をさらにざわつかせるのだ。

 

 

ミューズにして死の女神

「監獄の中にいる現実の人間」であるモリーナとバレンティンとは打って変わって、安蘭けい演じる蜘蛛女/オーロラは、あくまでモリーナの妄想の中に現れるミューズである。とはいえ、単なる「想像上の象徴」では終わらないところがこの役の難しさ。オーロラは〈夢の中なら〉〈愛し合おう〉といったご機嫌なラテンナンバーでは男達を従えて華やかにきらびやかに歌い踊り、時にはモリーナを力強く励ます。

ただし、彼女が演じた役の中で唯一モリーナが忌み嫌うのが、死の匂いをまとう“蜘蛛女”だ。彼女のキスは死への誘い。恐ろしくも人を惹きつけてやまないダークな魅力は、この作品全体のトーンを決定づけている。

 

蜘蛛女/オーロラ役:安蘭けい

 

安蘭は表裏一体ともいえる二つの役柄を行き来しながら、生身ではない存在としてどのような居方をすればいいのか、演出の日澤と共に探っている最中だ。〈愛は奇跡〉などほかにも聴きごたえのあるナンバー揃いだが、なんと言っても白眉は、冒頭に挙げた主題歌〈蜘蛛女のキス〉。これは後半、ここぞという場面で登場するので、1幕の稽古中には残念ながらナマで聴く機会に巡り会えず。本番でのお楽しみに取っておこう。

 

蜘蛛女が導く運命

蜘蛛女/オーロラのほか数少ない女性の登場人物が、香寿たつき演じるモリーナの母と、小南満佑子扮するマルタだ。共にモリーナとバレンティンにとっては心の支えとなる存在で、四人それぞれが大切な人を思って歌う〈ディア・ワン〉は、感涙必至のすばらしく美しいナンバー。相手を大切に思うからこそ、心の中とは裏腹な言葉が口をついて出る。

香寿、小南の心震わす歌声も相まって、千々に乱れる複雑な思いが交錯する四重唱には陶然としてしまう。

バレンティン役:相葉裕樹(Wキャスト)

バレンティン役:村井良大(Wキャスト)

 

モリーナの母には、息子を誇りに思う〈恥だなんて〉という深い感動を呼ぶ一曲もあって、生身の女性陣はポイントを絞った登場シーンながら、しっかりと作品に厚みをもたらす役割を担っている。しかし、現実は過酷だ。なぜモリーナとバレンティンは同じ房に放り込まれているのか。これは偶然ではなかった。もがきながら懸命に生きようとする彼らの、互いを思いやる気持ちを利用するのが、鶴見辰吾演じる刑務所の所長である。鶴見も稽古には後から参加のため、見学した際には登場していなかったが、酷薄な運命を象徴する権化的な存在として、芝居パートをがっちり締めてくれるに違いない。また、囚人達をいたぶる看守二人を、間宮啓行と櫻井章喜という芝居巧者が扮することで、人間の醜さ、恐ろしさをリアルに感じさせる存在になりそうだ。

 

と、濃密な見どころ聴きどころが次から次へと押し寄せる名作の凄さにすっかり魂を持っていかれたのだが、まだ1幕をざっくり通したばかり。

モリーナとバレンティンの運命はどう転がるのか、そして蜘蛛女のキスを受けるのは──? ヒリヒリと痛みが胸をえぐるドラマでありながら、不思議とその痛みが昇華されるラストシーンまで、余すところなく感受したいと思う。

 

左より)モリーナ役:石丸幹二、演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)

 

 

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【公演概要】

ミュージカル『蜘蛛女のキス』

<キャスト>
モリーナ:石丸幹二
蜘蛛女/オーロラ:安蘭けい
バレンティン:相葉裕樹/村井良大(Wキャスト)

所長:鶴見辰吾
モリーナの母:香寿たつき
マルタ:小南満佑子
マルコス:間宮啓行
エステバン:櫻井章喜

アウレリオ/囚人(所長役 カバー):藤浦功一
囚人フエンテス/狂信的革命家:佐々木 誠
アムネスティ国際オブザーバー/囚人エミリオ(マルコス/エステバン役 カバー):俵 和也
ガブリエル/囚人:伊藤広祥
脱走囚/カルロス:半澤 昇
オーロラの男達/囚人達:当銀大輔
オーロラの男達/囚人達:荒木啓佑
オーロラの男達/囚人達:矢内康洋
オーロラの男達/囚人達:橋田 康

モリーナの母/マルタ役 スウィング:小島亜莉沙
オーロラの男達/囚人達 スウィング:上條 駿

<スタッフ>
脚本:テレンス・マクナリー(マヌエル・プイグの小説に基づく)
音楽:ジョン・カンダ―
歌詞:フレッド・エブ

演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
翻訳:徐賀世子
訳詞:高橋亜子
音楽監督:前嶋康明
振付:黒田育世
美術:二村周作
照明:佐々木真喜子
音響:山本浩一
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:宮内宏明
歌唱指導:亜久里夏代
映像:ムーチョ村松
ステージング:当銀大輔
演出助手:伴・眞里子
舞台監督:齋藤英明

 

<東京公演>
期間:2021年11月26日(金)~12月12日(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス
主催:ホリプロ/TOKYO FM
共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
企画制作:ホリプロ
https://horipro-stage.jp/stage/spiderwoman2021/

<大阪公演>
期間:2021年12月17日(金)~12月19日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場
お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/992/

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