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ミュージカル界を震撼させた衝撃作/ミュージカル『パレード』稽古場レポート

  • レポート

2020年12月22日(火)

(取材・文/町田麻子)

20世紀初頭のアメリカで実際にあった冤罪事件を題材に、脚本:アルフレッド・ウーリー(『ドライビング・ミス・デイジー』)、作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン(『マディソン郡の橋』『ラスト・ファイブ・イヤーズ』)の本格派コンビがミュージカル化し、1999年のトニー賞で脚本賞と楽曲賞に輝いた『パレード』。

 

日本では2017年、ミュージカル初演出となった森新太郎の手により初演されて観客に衝撃を与えた作品が、2021年1月より4年ぶりに再演される。

 

2017年舞台写真

 

久々となった共演で変わらぬ名コンビぶりを見せつけた石丸幹二と堀内敬子ら続投組に、新キャストの今井清隆、福井貴一、内藤大希らを加えた新生『パレード』カンパニーは現在、コロナ禍にも負けず絶賛稽古中。今回一幕通し稽古を見学した。

 

▼ミュージカル『パレード』

《東京公演日程》 ※公演は終了しました
2021年1月17日(日)~1月31日(日)

2021年1月13日発表 中止公演のチケット払い戻しに関するお知らせ

会場:東京芸術劇場 中劇場

 
ほか大阪愛知富山公演あり。
 

▼STORY

物語の舞台は、1913年アメリカ南部の中心、ジョージア州アトランタ。
南北戦争終結から半世紀が過ぎても、南軍戦没者追悼記念日には、南軍の生き残りの老兵が誇り高い表情でパレードに参加し、南部の自由のために戦った男たちの誇りと南部の優位を歌いあげる。

そんな土地で13歳の白人少女の強姦殺人事件が起こる。容疑者として逮捕されたのはニューヨークから来たユダヤ人のレオ・フランク。実直なユダヤ人で少女が働いていた鉛筆工場の工場長だった。彼は無実にも関わらず様々な思惑や権力により、犯人に仕立て上げられていく。そんな彼の無実を信じ、疑いを晴らすために動いたのは妻のルシールだけだった。

白人、黒人、ユダヤ人、知事、検察、マスコミ、群衆…それぞれの立場と思惑が交差する中、人種間の妬みが事態を思わぬ方向へと導いていく…。

 

|濃い面々ばかりの豪華キャスティングは必然!

 

万全の感染症対策がしかれた稽古場に足を踏み入れると、カンパニーはこの日のメインメニューである一幕通し稽古に向け、いくつかのシーンの小返しを終えて短い休憩の最中。換気のためにドアが開け放たれた稽古場で、マスクと防寒着を着用することにも慣れた様子のキャスト陣が、相手役とセリフ合わせをしたり、鏡に向かって振付を確認したり、傾斜のついた舞台の感触を確かめたりと、それぞれに準備を進めていた。

 

豪華キャストであることは分かっていたつもりだが、主役級の俳優がズラリと顔を揃えた様はやはり改めて、“壮観”のひと言。15分の休憩後、ドアが閉められると、いよいよ通し稽古が始まった。

 

 

第一幕の幕開けは、1862年のジョージア州マリエッタ。

南北戦争に向かう若い兵士(内藤大希)が老兵士(安崎求)へと姿を変えると、そこは1913年4月26日、戦没者追悼記念日のジョージア州アトランタだ。

町の人々が南部への誇りを高らかに歌い上げる中、いつしか舞台は物語の主人公である、レオ(石丸幹二)とルシール(堀内敬子)夫妻の寝室に。同じユダヤ人ではあるものの、もともと南部出身のルシールと違い、北部出身のレオはアトランタに馴染めずにいる。

そんな中で起こる、レオが工場長を務める鉛筆工場での、13歳の工員メアリーの強姦殺人事件――。犯人に仕立て上げられたレオが、冤罪を主張するも、抵抗虚しく裁判にかけられるところまでが描かれる。

 

殺人事件の容疑者となったレオ役・石丸幹二と妻ルシール役・堀内敬子

 

物語が進めば進むほど、この豪華キャストは人気集めや話題作りのためではなく、必然なのだと実感させられる。

まず石丸と堀内が役に合っていることは、もはや言うに及ばず。身に覚えのない罪を着せられたレオと、そんな夫にどう接していいか分からないルシールの戸惑い、悲しみ、怒り、恐怖、葛藤…。石丸と堀内の切実な表情と歌声がすべてを余すところなく伝え、観ているだけで同じ感情を体験させられる。

夫妻がいかにも“冤罪被害者”然とした実直さ一辺倒のキャラクターではなく、きちんと人間味を持って描かれているのは、本作の脚本上の巧みさと、ストレートプレイで実績を積み、高い評価を得ている森の演出ゆえ。だがその巧みさが十全に生かされているのはやはり、舞台と映像の両方で幅広い役柄を演じてきた経験を持つ、この二人だからこそと言えるだろう。

 

 

そんなレオとルシールをいわば“陥れる”形になるのが、知事スレイトン(岡本健一)、新聞記者クレイグ(武田真治)、検事ドーシー(石川禅)、証言者コンリー(坂元健児)、政治活動家ワトソン(今井清隆)、判事ローン(福井貴一)。そして事件の第一発見者もう一人の容疑者ニュート(安崎求)、メアリーの母(未来優希)、メアリーの友人フランキー(内藤大希)ら、豪華俳優陣が扮するキャラクターたち。

 

新聞記者クレイグ役・武田真治

検事ドーシー役・石川禅

証言者コンリー役・坂元健児

政治活動家ワトソン役・今井清隆

判事ローン役・福井貴一

 

レオの冤罪は、誰か一人が作り出したものではなく、彼らそれぞれの(時に悪意のない)思惑と集団心理が重なった結果だ。その“思惑”を、一人ひとりの登場シーンはそれほど多くない中でしっかりと印象づけなくてはならないのだから、全員が演技力・歌唱力・存在感(・濃さ)を兼ね備えた主役級俳優であることは必然というわけだ。ちなみに彼らは全員、本役のほかにアンサンブルも兼ねている。

 

 

アトランタの人々がやたらと美声で歌ウマ揃いなことも、本作の隠れた見どころだ。

 

 

|はじける“森節”に稽古場は…

 

再び換気と確認のための短い休憩が取られたあとは、森新太郎による“ノート”(いわゆるダメ出し)タイム。立ち位置、体の向きや動きのタイミング、セリフの抑揚についてなど、細かい点を次々と指摘していく。

「皆さん第一声が弱い。この人数のミュージカル俳優が集まってこんなもんですか!」とハッパをかけたり、時には自ら演じて見せるだけでなく歌って見せたり(!)と、“森節”を存分に炸裂させていた。

 

 

「あの表現は要らない」といった歯に衣着せぬ厳しい物言いの中に、クスッとしてしまうようなユーモアがあるのも、森のノートの面白いところ。この日も、「出てくる時はもっと胸張って」と言ったあとで「今日そこはサカケンさん(坂元)が一番よく出来てました」と付け足して笑わせると、稽古場は一気に和やかなムードに包まれた。

厳しさと柔らかさが同居するクリエイティブな雰囲気の中、30分以上にわたるノートのあとも、妥協のない稽古は続いていった――。

 

 

『パレード』のストーリーは、観ていて楽しくなるようなものでは決してなく、むしろ苦しさすら覚えさせられるもの。それでも観たくなるのは、観ると感動するのは、その“苦しさ”が巧みな脚本と音楽、俳優たちの濃密な演技、そして森の鮮やかな演出によって、一流の“ミュージカル表現”に昇華されているからだろう。

一幕の稽古だけでこんなに心が動くのだから、ここに照明や衣装、さらに森版『パレード』の代名詞とも言える“紙吹雪”が加わり、そしてもちろん第二幕の結末にまで達したら、一体どれだけ心が揺さぶられるのだろう。

4年前の初演をも上回る感動の予感に、本番がいっそう楽しみになる稽古風景だった。

 

 

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【公演概要】
ミュージカル『パレード』

作:アルフレッド・ウーリー
作詞・作曲:ジェイソン・ロバート・ブラウン
共同構想及びブロードウェイ版演出:ハロルド・プリンス
演出:森 新太郎
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
振付:森山開次
音楽監督:前嶋康明

<キャスト>
石丸幹二、堀内敬子、武田真治、坂元健児、福井貴一、今井清隆、石川 禅、岡本健一
安崎 求、未来優希、内藤大希、宮川 浩、秋園美緒、飯野めぐみ、熊谷彩春
石井雅登、白石拓也、渡辺崇人、森山大輔、水野貴以、横岡沙季、吉田萌美

<東京公演>
期間:2021年1月15日(金)~31日(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス
主催:ホリプロ/ TOKYO FM
共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場

 

<大阪公演>
期間:2021年2月4日(木)~8日(月)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場  ABCテレビ
お問い合わせ:梅田芸術劇場 
TEL:06-6377-3888(10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/910/

 

<愛知公演>
期間:2021年2月13日(土)・14日(日)
会場:愛知県芸術劇場大ホール
主催:テレビ愛知/キョードー東海
お問い合わせ:キョードー東海
TEL:052-972-7466(10:00~19:00 日・祝休)
http://www.kyodotokai.co.jp/events/detail/2028/

 

<富山公演>
期間:2021年2月20(土)・21日(日)
会場:オーバードホール
主催:チューリップテレビ/イッセイプランニング/(公財)富山市民文化事業団/富山市
お問い合わせ:イッセイプランニング
TEL:076-444-6666(平日 10:00~18:00)
http://www.issei.ne.jp/2020/04/2021029901/

 

企画制作:ホリプロ

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