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『オリバー!』フェイギン役/武田真治インタビュー「オーディションでは何をしたのか記憶にないくらい必死でした。”井森ダンス”も出たんじゃないかな(笑)」

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2021年9月14日(火)

テレビの「筋肉体操」やドラマ、バラエティ番組、サックスプレイヤーとしての活躍が有名な武田真治。その一方で、舞台俳優として着実に経験を重ね、圧倒的な表現力を蓄えてきたことは演劇ファンの認めるところだ。

今回、満を持して『オリバー!』で主役フェイギンを演じる武田真治。

オーディションの様子や稽古が始まっての実感、ダブルキャストである市村正親への思い、宣伝ビジュアルでの扮装のこだわりなどを率直に語る。

(取材・文:三浦真紀)
 
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ミュージカル『オリバー!』

<東京公演>
期間:
【プレビュー公演】
2021年9月30日(木)~10月6日(水)
【本公演】
2021年10月7日(木)~11月7日(日)

会場:東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階

<大阪公演>
期間:2021年12月4日(土)~14日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール

https://www.oliver-jp.com/


【歌唱披露イベント ダイジェスト映像】

 

子供たちには、
どんどん悪くなっていくことを期待しています

 

――お稽古はどんな様子ですか?

今は(夏休み期間中は)子供たち中心のビッグナンバーをはじめ、子供たちと関わるお芝居部分を積極的に稽古しています。

今の子たちは上品で大人しくて、大人の言うことをすぐ聞いてくれますね。役がギャング団なので、むしろもっとお行儀悪くしなければいけないのですが…。座るときも必ず片足の膝を立てたり、真正面に向かず斜に構えるようにと指示が出ていても、気づいたらみんなきちんと体育座りをしていて(笑)。そんなお行儀の悪さはなかなか理解しづらいんでしょうね。

稽古が進むにつれ、どんどん悪くなっていくことを期待しています。

 

『オリバー!』 武田真治

 

――他の稽古場と違うところは?

すごく贅沢なことに稽古場が三つもあるんです。

子供たちはA班とB班があって、例えばA班が振付の稽古をしていたら、B班は別のスタジオで台詞の練習。三つ目のスタジオでは誰かが単独で歌稽古をしているという具合です。

キャスト全部で95名いて、これほど大きなカンパニーは初めて。まだ一緒に芝居したことのない子供たちもいるくらいです。

 

――子供たちとのお稽古で、どんなところに面白さを感じますか。

同じことをしていても、子供がやると価値が上がるんだなぁと。歌一つとっても、子供が歌うと希望に満ちるというか。僕も彼らからエネルギーをもらうことは多いです。

ある時、結構人見知りっぽい子たちなのかな?と思って、「腹筋やる人ぉ〜!」と募ったら、その場にいた約20人全員が参加してくれました。僕の周りを囲んで、みんなで一緒に腹筋して。多分、ご両親が僕のことを「筋肉体操の人だよ」って言っているんでしょうね。

子供って腹筋していても可愛いんです(笑)。10歳前後の子たち、つまり10年ぐらいしか生きていなくても、腹筋をやると人間性が見えるんですよ。中にはズボンの腿のあたりをつまんでその勢いで起きてきたり、数をちょろまかす子もいたりして、そんなズルの仕方も可愛いです。

 

 

絶対自分が受からなきゃと、
その必死な思いのみで動きました

 

ーー武田さんはこの役を目指してオーディションを受けられたそうですね。

はい。市村正親さんとのダブルキャストとして、いろんな方がオーディションを受けられたと聞いています。プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュさんにとって、日本での知名度や人気は関係ないですから、もう必死でした。

最初に「♪ポケットからチョチョイと」と「♪最初から考え直そう」を歌い踊る映像をイギリスに送りました。その後、演出家とリモートで面談し、「もっとこうしたら?」「もっと動きながらやってみて」と指示を受けて、その場でパフォーマンスをしました。それにパスしたら、今度は音楽監督と振付家、演出家のJPさん(ジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイ)と僕とでリモート四者面談がありました。三人が英語でおっしゃることを日本語にどんどん訳していただきながら、リクエストに応えて動きました。

面白かったのは、お三方の言うことが結構違うんです。何を優先し、どのくらいできるか、どのくらいできないかを人間性も含めて見ていたのでしょうね。

 

 

――これは難しい、大変だ!と思われた課題は?

音楽がかかっていない、何もないところで「ダンスをしてください」と言われたことです。

僕はダンス経験が乏しくて。それでも、市村さんがやろうとしてるこのプロジェクト何らかのお手伝いをすることが、散々世話になってきた僕からの恩返しだと思っていましたから、絶対自分が受からなきゃと、その必死な思いのみで動きました。

正直、何をしたのかはあまり記憶にないんです。多分、ホリプロの伝家の宝刀、大好きな先輩の『井森ダンス』も出たと思いますよ(笑)。あれは無我夢中になったら出るものなんですね。

 

 

「ジャズダンスを踊って」と言われても、ダンスのジャンル自体がよくわからない。とにかく動いていたら、「君はヒップホップっぽいね」と(皮肉を)言われたり。多分、見ていた方たちも何を言ったらいいのかわからなかったんでしょうね。

もし映像が残っているなら、いつか見直してみたいです。爆笑オーディション風景としてYouTubeにあげたら、結構再生回数が伸びるんじゃないかな(笑)。

 

――それは頑張られましたね。そこから合格の流れに?

いや、その4者面談の映像をキャメロン・マッキントッシュさんがご覧になるという話で、忙しい方だから返事は1カ月後かもと言われていました。

ところが2日くらいですぐに返事来て、やらせていただけることになりました。本当に涙が出るほど嬉しかったです。

 

 

15年間 、ずっと市村さんを見てきました

 

――武田さんはこれまで『オリバー』の原作者チャールズ・ディケンズ原作の『スクルージ』や『スウィーニー・トッド』で19世紀イギリスの貧しい人物を演じられてきました。そういった時代背景や世界観を経験なさってきたのも、大きかったのでは?

『スクルージ』で守銭奴であるスクルージのもとで働く薄給の事務員ボブ・クラチットを演じたこと、また『スウィーニー・トッド』に参加したこと。

確かに面談のとき、産業革命で一気に貧富の差が開いて街中が煤だらけになったことなど、時代への理解についての話はあったと思います。

 

▼市村がタイトルロールを務めたミュージカル『スウィーニー・トッド』でも共演。武田は大竹しのぶ演じるパイ屋の女店主ミセス・ラヴェットを慕う、純朴な青年トバイアスを演じた

 

 

『スウィーニー・トッド』(2016)舞台写真 左から:大竹しのぶ、武田真治/写真撮影:渡部孝弘

 

――師と仰ぐ市村正親さんと同役であることに、感慨はありますか。

そうですね。15年間、多くの作品でご一緒させて頂いて、地方もあちこち行ったり、お食事に連れて行ってもらったりして、ずーっと市村さんを見てきました。ですから、同じ役をやらせていただけるのは本当に嬉しいです。

 

歌唱披露イベントでの様子

 

――市村さんは武田さんから見て、どのような俳優ですか。

翻訳劇をその国の文化を残しつつ、日本のお客さんにどうしたらわかってもらえるかを突き詰めて提示するという点においては、日本一、いや世界一ではないでしょうか。

 

市村正親版 フェイギンのメインビジュアル

 

こういうことを言いたいのなら、このくらい意訳した方がいいんじゃない?とか、脚本家や通訳、日本語訳の方では思いつかないようなアイディアを出されることが多々あります。翻訳劇は英語直訳の日本語でそのままやると理解しづらいことが多く、その難解さが日本のお客さんを楽しませると考えている演出家や作品も大勢いらっしゃいます。

確かに勉強になるかもしれないけれど、楽しいかと問われるとどうなのか。そこが市村さんの根本的な考え方なのかなと思います。

市村さんは観客の皆さんに感覚的に楽しんでいただけるように、日々細かく言葉の順番を入れ替えたりなさっています。ちょっと言葉を入れ替えるだけで、こんなに伝わりやすいんだ!と、本当に勉強になります。

 

 

『スクルージ』(2015)舞台写真 左から:市村正親、武田真治/撮影:田中亜紀

 

 

どう生きようか?という前向きな姿勢が
エネルギーになります

 

――チラシやポスターの扮装写真は、最初武田さんだと気づかないくらい、今までのイメージからは別人で驚きました。

リモート打ち合わせで、海外のメイクさんやまだ来日前だった演出家がもう少しカッコよくした方がいいんじゃないかと気を遣ってくれたくらいです(笑)。

だけど、いや、オリジナルの感じでいきましょうと、自分のこだわりを通しました。「もう少し髪の毛のあるかつらをかぶってもいいよ」とも言われたけど、それじゃ面白くないですよね。

 

武田真治版 フェイギンのメインビジュアル

 

――フェイギンはスリ集団の元締めの役です。演じていて面白いところは?

子供たちを手懐けて生き方を教えているという意味では、すごく規模の小さいロックスター気取りで、そんなところが可愛いなぁと思います。大きく間違っていますけどね(笑)。

「♪ポケットからチョチョイと」では何ということを子供たちに教えているんだ!と思うけれども、時代背景もあり清く正しくとかじゃないところが可笑しくて。お芝居じゃないと絶対口にするようなことのない台詞や歌が面白いです。

 

 

――最後に、『オリバー』という作品の魅力を教えてください。

生きることに一生懸命な人々は、すごく魅力的だと思います。貧困に喘ぎ、状況を嘆いたり時代を憂う部分はありながらも、こんな時代だから死んでしまえという考え方にはならない。では、どう生きようか?という前向きな姿勢がエネルギーになります。

今は世界的にパンデミックで大変な時代ですが、作品を通してこの状況を乗り越えよう!というエネルギーを皆さんにお届けしたいです。

 

『オリバー』武田真治  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<キャスト>

フェイギン:市村正親/武田真治(Wキャスト)
ナンシー:濱田めぐみ/ソニン(Wキャスト)
ビル・サイクス:spi/原慎一郎(Wキャスト)

オリバー・ツイスト:エバンズ隼仁/越永健太郎/小林佑玖/高畑遼大(クワトロキャスト)
アートフル・ドジャー:大矢 臣/川口 調/酒井禅功/佐野航太郎(クワトロキャスト)

ミスター・バンブル:コング桑田/小浦一優(芋洗坂係長)(Wキャスト)
ミセス・コー二―:浦嶋りんこ/鈴木ほのか(Wキャスト)
ミスター・サワベリー/ミスター・グリムウィグ:鈴木壮麻/KENTARO(Wキャスト)
ミセス・サワベリー/ミセス・ベドウィン:北村岳子/伊東えり(Wキャスト)
ミスター・ブラウンロウ:小野寺昭/目黒祐樹(Wキャスト)

ベット:植村理乃
ノア・クレイポール:斎藤准一郎
シャーロット:北川理恵
サリー婆さん:河合篤子
ローズセラー:青山郁代
ミルクメイド:元榮菜摘
ストロベリーセラー:飯田恵理香
ナイフグラインダ―:森山大輔

荒井小夜子、家塚敦子、石川剛、大久保徹哉、小原和彦、金子桃子、菊地まさはる、小林遼介、今野晶乃、白山博基、鈴木満梨奈、高瀬育海、髙田実那、照井裕隆、宮野怜雄奈、吉田玲菜、蘆川晶祥(五十音順)

フェイギンのギャング団(Wキャスト)
チャーリー・ベイツ:中村海琉/日暮誠志朗
ディッパー:河井慈杏/福田学人
ハンドウォーカー:山口俊乃介/山下光琉
スネイク:市村優汰/河内奏人
キング:入内島悠平/花井 凛
キャプテン:本田伊織/髙橋唯人
スティッチム:杉本大樹/瀧澤拓未 
スパイダー:高田夏都/田中琉己
キッパー:田中誠人/平澤朔太朗
ニッパー:髙橋維束/渡邉隼人

救貧院の子どもたち:(Wキャスト)
磯田虎太郎、市川裕貴、小川竜明、西口青翔、石倉 雫、井上綾子、木村 心、木村律花、久住星空、黒川明美、河本雪華、佐藤 凌、鐘 美由希、高澤悠斗、土屋飛鳥、寺﨑柚空、土岐田 育、仲西 奏、平賀 晴、廣瀬健也、弘山真菜、松浦歩夢、森田みなも、矢田陽輝、涌澤昊生、涌澤摩央(五十音順)

<スタッフ>

原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作詞・作曲:ライオネル・バート

<東京公演>
期間:
【プレビュー公演】
2021年9月30日(木)~10月6日(水)
【本公演】
2021年10月7日(木)~11月7日(日)

会場:東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
主催:ホリプロ 東宝 TBS 博報堂DYメディアパートナーズ WOWOW
特別協賛:大和ハウス工業
後援:ブリティッシュ・カウンシル
お問合せ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日11:00~18:00/定休日 土・日・祝)/東宝テレザーブ 03-3201-7777

<大阪公演>
期間:2021年12月4日(土)~14日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール

主催:ホリプロ 東宝 TBS 梅田芸術劇場 読売テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ WOWOW
特別協賛:大和ハウス工業
後援:ブリティッシュ・カウンシル
お問合せ:梅田芸術劇場06-6377-3800(10:00~18:00)

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