ホリプロステージ

  • LINE
  • Youtube
  • Twitter
  • Instagram

ホリプロチケットセンター

03-3490-4949

11:00~18:00(平日)/ 定休日(土・日・祝)English

ホリプロステージ

チケット購入

FEATURE・INTERVIEW

特集記事・インタビュー

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』キャスト・スタッフ座談会【大貫勇輔、May'n、山﨑玲奈、伊礼彼方、演出:石丸さち子、音楽監督:村井一帆】

  • 特集
  • コラム

2022年5月25日(水)

5月8日(日)HIBIYAFESTIVAL2022にて行われたミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~)』スペシャルパフォーマンス。主演の大貫勇輔(ケンシロウ役)、May’n(ユリア役)、山﨑玲奈(リン役)、伊礼彼方(ジュウザ役)がそれぞれのナンバーを歌唱。また演出の石丸さち子、音楽監督の村井一帆とともに楽しいトークを繰り広げた。イベントの後、皆さんに感想と再演への抱負を聞いた。

(文:三浦真紀/撮影:富田大樹)

 

▼7/31までアーカイブ配信中!

 

 

再始動するミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター』
想像力を持って世紀末に立ち向かう

 


――素敵なトークと歌唱、ありがとうございました。日比谷の空に、高らかに皆さんの歌声が響きましたね。今の感想を教えてください。

 

大貫:僕は外で歌ったことがあまりなくて、まさに新しい感覚でした。確かに世紀末の世界では建物の中ではなく、こうして外で歌っていたんだろうなぁと。同時に、舞台上での景色が蘇り、ケンシロウを演じていたのがすごく昔のことのように思えました。

お客さんの反応がはっきりと肉眼で見えたのも、嬉しくて新しい体験でした。

 

 


――ケンシロウの「あたたたた〜」を見て聞けて、幸せでした。歌舞伎の見得みたいに、良いものを見た!と思えます。

 

伊礼:ほんと、最高!

石丸:待ってました!ってなりますよね。

大貫:僕、実はケンシロウのことを考えたら眠れなくって、朝5時に起きてしまいました(笑)。

 

 


――久しぶりでしたからね。May’nさん、今日のご感想は?

 

May’n:本当に、お客さんの顔が見やすかったですね。「氷と炎」はこれまでユリア自身の葛藤を込めて、そしてケンシロウとラオウのために歌ってきましたが、今日はお客さんに楽しんでいただけるようにと思いながら歌いました。

これは今日だけの特別な感情ですね。

 

 

伊礼:そしてジュウザはやっぱり蚊帳の外。こんなにユリアを愛しているのに(笑)。「ヴィーナスの森」は劇場でもお客さんが手拍子してくださる明るいナンバーで、いつも通り楽しく歌わせていただきました。

僕は10代後半から23歳くらいまで路上ライブをやっていたので、自然のもと、太陽に照らされ眩しいと思いながら歌う、あの感じを懐かしく思い出しました。

 

山﨑:最初、この作品は世紀末の話ですし、ナンバーを外で歌うのは新鮮だなって思ったんですけど、いざ歌ってみると気持ちよかったです。私が歌った「最後の真実」は侵攻隊長に向かって歌う歌なんですね。お客さまが全員侵攻隊長に見えて(笑)、そんな気持ちで歌わせていただきました。

 

 

石丸:改めて、この作品は皆さんに深く愛されているなぁと感じました。お客さまを含め、『FONS』チームなんだなと。今日はピアノ伴奏でしたが、オーケストラの音がオープンエアに蘇ったような気がして、私は多幸感に包まれました。

そしてフランク・ワイルドホーン作曲ならではのスケール感、野外で歌うのにふさわしい輪郭の大きな曲だと再認識できて、とてもいい経験になりました。

 

 

村井:作品のファンの方々がたくさん観に来てくださいましたが、きっと通りがかりに観てくださった方もいらっしゃることでしょう。

中でもMay’nさんが歌った「氷と炎」は最後、音が消えていく余韻で日比谷が無音になった気がして。街がこの音楽に吸い込まれていくようで感動しました。

 

 

石丸:劇場の街・日比谷は初日を開けたばかりの作品、千穐楽まで完走した作品、途中で涙をのんだ作品など、たくさんの想いが詰まっている街。その空の下での歌唱は本当に感動的でした。

 

 

 

緻密かつ大胆に再構築。
新たなものが見つけられるように


――久しぶりに皆さんがこうして再会し、何か再演へのアイディアとか湧きましたか?

 

大貫:はい。1幕最後のケンシロウのシーンはもっと何かできるよねって、石丸さんとお話ししました。新たなものが見つけられるように、今から考え、練り上げていきたいと思います。

 

 

伊礼:ジュウザとしては、ユリアとの関係性をもう少し明確にしたいなと。

石丸:二人の間の失われた過去のこと、ですね。

伊礼:それについては歌詞に一瞬しか出てこないんですよね。そこが具体的に伝わると、ジュウザの最期も見え方が変わるかと。

May’n:確かに。それに伴い、ユリアの心情もより具体的に、深く描けたらいいなと思います。ケンシロウとラオウに揺れ、ジュウザとの過去もある。

 

 

山﨑:私は今日、「最後の真実」を一人で歌うのは初めてで、ちょっと心細かったんです。だけど見にきてくれたキャストの方が、一緒にコーラスしたかったとおっしゃってくださって。その言葉からお稽古を思い出し、これは村人たちとの歌なんだと。みんなで力を合わせて、また歌っていきたいです。

村井:初演は勢いと熱量で突っ走れるところもあり、それも素晴らしかったりするわけですが、再演はプラスアルファとして緻密かつ大胆に音楽を再構築したい。そう思いながら伴奏をしていました。

 

 

 

 

もはや絵空事ではない。
戦いや戦争、それに抗うこと

 

――初演から1年足らずでの再演。今、再び上演する意味について、どう思いますか。

 

石丸:すごく責任を感じています。

あまりにも現実がこの話に追いついてしまったので。もはやこの物語は私達にとって絵空事ではない。多分、15歳の山﨑玲奈さんにとっても、戦いや戦争、それに抗うことについて、初演時とは明らかに違うものが見えてきていると思うんです。台本に書かれたこと、昭和の時代に書かれた物語を、改めて今の世に問う。そのことを稽古でもう一度、一から感じ直し、その上でミュージカルというエンターテイメントに昇華したいと考えています。

 

 

大貫:エンターテインメントには日常から逃れてストレスを発散する役割もありますが、その一方で現実に向き合うことも大事だと思います。その片鱗を感じ、知る先に何が待っているのか。僕ら演者とクリエイターがきちんと芯となるもの、心やメッセージみたいなものを持って作ることで、僕らにもお客さんにもきっと新たな気づきが生まれていくんだろうと思います。

今、『メリー・ポピンズ』のバートを演じていて、これが実に天国なんですよ。楽しくて楽しくて、起こることの全てがハッピー。それに対して、この作品は荒れ果てた世紀末の世界で、ある種の地獄。そこに戻り、苦しみと向き合うことでケンシロウとして説得力を増すことができるのかもしれない。ちゃんと向き合っていきたいです。

May’n:この作品の一番胸を打つところは、ケンシロウの優しさや愛はもちろん、全ての登場人物がそれぞれの正義を持っていることだと思います。それぞれが掲げる正義、自分の守りたいものを深く描いているから、グッとくる。ユリアも自分が持つ正義を掲げながら、改めてそれを探し感じながら大切に演じたいです。

伊礼:ほんと、正義って厄介だなと思いますね。僕が悪役が好きなのはそこなんだけど、現実でそうなってしまうのはやっぱり悲しいじゃないですか。正義だけはどうにか統一できないかなって思う。

May’n:そうですよね。みんなそれぞれに正義があるから、ぶつかるんですよね。

石丸:その点、ラオウは悪役じゃないんですよ。ラオウの人間的な魅力が出てくるのが、この作品の面白いところ。みんなラオウのことが気になっていて、なぜあの生き様になったのか、その根っこにあるものが垣間見えるところが。

伊礼:僕らがエンターテイメントとしてお伝えして、皆さんがスカッとして考えるきっかけをお持ち帰りいただけたらいいですね。もう一つ、この作品の素敵なところは、最後バットとリンの若いカップルで終わるところかな。

山﨑:えー、カップルですか!?

伊礼:ああ、ごめん。カップルじゃなかった(笑)。

石丸:バットが泣いてるよ(笑)。原作では紆余曲折のある二人ですが。

伊礼:未来を背負う若者二人にバトンを手渡す。希望の光が見えます。

May’n:わかります!次の世代に託すのが素敵ですね。

 

 

山﨑:お稽古の頃はまだ想像がつかない世界で、架空だけど歴史上の物語みたいな感覚を持ちました。でも今は、社会情勢から見て、これは現在進行形で続いていることなんだと実感しています。その辺りの思いをリンに活かせたらと思います。

石丸:新たにみんなと感じ合って、お稽古したいですね。新キャストも加わり、自分たちがどこを目指してどんな作品を作ろうとしているのかを分かち合いながら。この大変な作品、お稽古は夏になります。みんなで心を労わりつつ、想像力を持って戦いの世界に向き合いたい。優しさと強さ、振り幅強くいきましょう!

 

 

 


【公演概要】
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』


<東京公演>
期間:2022年9月25日(日)~30日(金)(予定)

会場:Bunkamuraオーチャードホール
主催:ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』製作委員会

<福岡公演>
期間:2022年10月7日(金)~10日(月祝)(予定)

会場:キャナルシティ劇場
主催:キャナルシティ劇場/サンライズプロモーション東京

企画制作:ホリプロ

<スタッフ>
原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊 漫画:原 哲夫)
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子
編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ハウランド
音楽スーパーバイザー:塩田明弘
振付:顔安(ヤン・アン)
   辻󠄀本知彦
音楽監督・編曲:村井一帆
美術:金井勇一郎
照明:日下靖順
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
   竹田団吾
ヘアメイク:馮 啓孝
追加音楽:ジェイク・ワイルドホーン
アクション:渥美 博
映像:上田大樹
   大鹿奈穂
フライング:松藤和広
歌唱指導:林アキラ
稽古ピアノ:中野裕子
演出助手:菅田恵子
     元吉庸泰
     矢本翼子
舞台監督:広瀬泰久


<キャスト>
ケンシロウ: 大貫勇輔
ユリア:平原綾香/May’n(Wキャスト)
トキ:小西遼生
ジュウザ:伊礼彼方/上川一哉(Wキャスト)
シン:植原卓也/上田堪大(Wキャスト)
マミヤ:清水美依紗
トウ/トヨ:AKANE LIV
リュウケン他:宮川 浩
レイ:三浦涼介
ラオウ: 福井晶一/永井 大(Wキャスト)
バット: 渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈/桑原愛佳(Wキャスト)

リハク他:中山 昇
ダグル他:宮河愛一郎
青年ラオウ他:一色洋平
青年トキ他:百名ヒロキ
フドウ他:澄人
ミスミ他:齋藤桐人
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
LEI’OH
小板奈央美
柴田実奈
島田惇平
野間理孔
森内翔大


公式HP=https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2022/
公式Twitter=https://twitter.com/musical_fons #アタタミュ #北斗の拳ミュージカル

特集・PICKUP一覧に戻る