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ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』ビジュアル撮影レポート【コメントあり】

  • レポート

2021年10月5日(火)

全世界、累計発行部数1億部超えの伝説的コミック「北斗の拳」が日本発のオリジナルミュージカルとして、今冬2021年12月、日生劇場にて初上演!

ビジュアル撮影時の様子とコメントをお届けします。

主演、ケンシロウ役:大貫勇輔のビジュアル撮影レポートはこちら>>

 

 
▼ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』

<東京公演>
期間:2021年12月8日(水)〜29日(水)
会場:日生劇場

大阪名古屋公演あり

 

<チケット販売スケジュール>

プレミアム会員
《抽選》10/11(月)13:00~10/17(日)23:59
《先着》11/2(火)17:00~11/7(日)23:59
ホリプロステージ無料会員
《先着》11/2(火)18:00~11/7(日)23:59

一般発売 11/9(火)11:00
 
Yシート(20歳以下限定)
11/10(水)17:00~11/16(火)23:59
https://horipro-stage.jp/musical_fons2021-ticketinfo/#Link03

 

#1.加藤和樹、ドラマティックにトキを体現!

 

 

2021年8月上旬のある日、ミュージカル『フィスト・オブ・ノース・スター〜北斗の拳〜』でトキ役を務める加藤和樹のビジュアル撮影が行われた。

この撮影のために自身の体重を増加し、筋肉をつけて撮影現場に現れた加藤和樹。簡素なシャツとパンツに革のベルト、ニュアンスのあるシルバーヘアから覗く細いヘッドバンドの中央に光るのは小さな赤い石。余計なモノを削ぎ落とした衣装でトキとして撮影に挑む。

 

 

姿見で全身チェックをしながら「嬉しいですね、トキになれるとは」と声を弾ませつつカメラの前へ。自然に足を開き、正体でスッと呼吸を整え、静かにレンズを見つめる。やがてその目に柔和だが確実に力強い光が宿り、両手を正面で合わせてゆっくりと全身に力を漲らせれば──そこにいるのは紛れもなくトキだ。そのままカメラマンの指示に従って北斗神拳の型へ。生命力としなやかさが感じられるスムーズなムーヴィング、豊かな手の表情、ブレない体幹、視線。原作監修の方からも「これはちょっとすごいですよ!」との声が上がる。

 

 

最初のモニターチェック。スタッフがPC前に集まる中、加藤は自身の立ち位置から動かない。天井を仰ぐように静かに空を見つめ、太極拳のような動きを繰り返しながらひたすらコンセントレーションを高め続ける。その様子に触発されるように撮影もググッと熱を帯びていく。「すごくいいです!」と声をかけられながら、振り向きざま、少し無理めのポージングもすんなりと決める。重厚な型と慈悲を湛えた表情がライトに照らされる刹那、ギリシア彫刻と見間違えるほどの高潔さでトキとして存在する加藤。その後も「北斗有情破顔拳」など背後に荒野が見えるようなドラマティックな場面を重ね、静の中に強さを感じるポートレートや目を閉じた印象的な1枚まで。撮るべきカットをノンストップで制覇した、スピード感のあるシューティングが繰り広げられた。

 

「終了です!」の声で初めて笑顔を見せモニターに駆け寄る。ともに充実した撮影を全うしたスタッフと歓談する姿から伝わるのは、作品に寄せる深い愛情と揺るぎない情熱。その思いはこうしてまた一歩、本番へと近づいていくのだ。

 

■コメント:加藤和樹(トキ役)

漫画もアニメも大好きだった「北斗の拳」がグランドミュージカルに!
僕自身もこの世界観をどう舞台に立ち上げていくのかと想像は膨らむばかりですが…でもね、フランク・ワイルドホーンさんの豊かな楽曲と、役者以上に役や作品を理解し一心同体になって作品創りに臨んでくださる石丸さち子さんの演出ですから、これはもう「愛に満ちた作品になるぞ」と確信しています。

 

トキはラオウをも凌ぐ実力者でありながら、死の灰を被り病気になり、北斗神拳を人を倒すためではなく人を救うために使いたいと考える、慈悲と強さに満ちた人物。本当に自分自身、この作品の中で一番好きなキャラクターなんです。大人になった今、改めて原作に触れ、さらにその生き様に魅せられています。僕もトキのように大きな心で演じたいですね。

 

「ひでぶっ!!」「あべし!!」と血の気の多いシーンもお馴染みですが(笑)、お客様にはぜひここに描かれている男たちの熱さ、ただのバトル漫画ではない壮大で深い深い魅力に触れて欲しい。男と男が命を削りあって闘う姿に燃え、彼らがそれぞれに抱く愛に感動し、その信念に共感してもらえたら──。“本気で「北斗の拳」をやったらこうなる”という、衝撃的に満ちたミュージカルの楽しさに出会っていただきたいです。

本番に向け太極拳の稽古も続けていきたいし、身体も…どれくらいムキムキにすればいいんだろう??そこもまた漫画原作の難しさであり楽しさでもあり。原作ファンの方々の期待にもお応え出来るよう、作品世界の研究はもちろん、ビジュアルの再現も追求していきたいと思っています。どうぞお楽しみに!

 

#2.小野田龍之介が秘めたる熱さのトキに!
 
 
 
 

2021年7月下旬のある日、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』でトキ役を務める小野田龍之介のビジュアル撮影が行われた。

薄汚したベージュの貫頭衣のような衣装を着て、銀の長髪でスタジオに現れた小野田。さまざまな舞台を経て、実力をメキメキとつけてきている小野田だが、きょうはやや緊張しているように見えた。

小野田は、原作者サイドが用意したトキの絵にぐっと顔を近づけて、熱心にそれを真似る。両手を直角にあげる「北斗有情破顔拳」など、腕の角度や向きなどを微調整しながら、どうしたら本物のトキに見えるのか。カメラマンをはじめとするスタッフからの指示を取り入れながら、また試行錯誤し、ビジュアルをつくっていく。

 

 

小野田はトキが使う拳法を表現するために、太極拳の稽古を始めているという。その成果もあるのだろうか、すらりとした筋肉ながら、しっかりとした体幹を感じる出立ちだった。役の内面の理解もさることながら、まずは形から入る。それもまた一つのアプローチなのだと思う。

小野田の撮影の途中、演出の石丸さち子がスタジオを訪れた。石丸は、撮影を後ろの方で見守っていた。「原作と、俳優のイメージと、私の中のイメージが初めて重なるのがビジュアル撮影。面白いですよね」などと語っていた。そして、時折何かをメモしていた。俳優たちのビジュアルから、演出のイメージがまた更に膨らんでいったことだろう。

 

小野田は、10パターンほどのポージングをして、撮影を終えた。まさにこの日、トキというキャラクターに初めて対峙したわけだが、いろいろと気づきもあったはず。小野田がこれからどんな風に役を深めていくのか、とても楽しみだ。

 

■コメント:小野田龍之介(トキ役)

一歩トキに近づいたかな、と思えるビジュアル撮影でした。シルバーの長髪も、うまく汚しが効いている衣装も、スタッフの方に「似合っている」と言っていただけて、少しほっとしました。

 

「北斗の拳」についてですが、原作を見てきた子ども時代(世代)ではなかったものの、日本のみならず、世界各国で大人気の作品ということはもちろん存じておりましたし、エネルギーに満ちあふれた題材だと思っています。

もともと『デスノートTHE MUSICAL』のように、漫画原作×ブロードウェイミュージカルというプロジェクトに興味がありました。いつかは携わってみたいと思っていたので、こうして今回、キャスティングされたことが嬉しいです。

 

石丸さんがどう演出するのか、ワイルドホーンさんはどんな楽曲を生み出されるのか、我々キャストがどう作品の1つになれるのか。「北斗の拳」をミュージカル化するということは、我々キャストはもちろん、きっとスタッフさんもまだまだ未知数なことだらけ。でも、想像がつかないからこそ、挑みがいがあると思っています。今回の公演を盛り上げて、日本中で「北斗の拳」風を巻き起こしていきたいですね。

 

12月の公演で、肌寒い時期の公演ですが、きっと我々キャストは露出が多めになるでしょうから(笑)、風邪をひかないように、健康管理に十分気をつけて、劇場でお待ちしております。みなさんも温かい格好で劇場に足をお運びください。どうぞ応援のほど、よろしくお願いします。

 

 

#3.植原卓也、狂気の美しさを纏うシンになる

 

 

2021年8月上旬のある日、ミュージカル『フィスト・オブ・ノース・スター〜北斗の拳〜』でシン役を務める植原卓也のビジュアル撮影が行われた。

スタジオ内の準備が整ったところで「自分じゃないみたい」とつぶやきつつメイクルームから登場した植原。思わず目を奪われずにはいられないブロンドの長髪に全身白づくめのゴージャスな出で立ちは、麗しくもフォトジェニック。ファーストカットから現場のテンションも一気に高まった。

 

まっすぐにレンズを見つめる憂いのある表情。スッと立っているだけでも漂う自信、威圧、高貴さがカメラに収められていく。ロング丈のマントの下から覗くのはやはり眩しい白のスーツ。大きくポーズを取るのではなく、ちょっとした手の上げ下げや顔の角度で静かな躍動を生み出しながら、全身でシンらしさを探る。

「強くニヤリとして」「今のすっごくかっこいい!」とカメラマン。「ありがとうございます!」と少し照れ気味の植原。モニタには次々に魅力的なカットが並んでいく。

 

 

続いて原作絵を参考にしながらのポーズ撮影。

まずトライしたのは、今まさにケンシロウの胸に七つの傷を刻もうとするあのシーンだ。原作監修の方に「ここにケンシロウ、こちらにユリアがいるイメージです」とシチュエーションを託される。求められるのは必要最低限の動きで圧倒的な存在感を出すこと。余裕の表情で顔の前に手を立てて──植原の長い指が手に豊かな表情を添え、物語性のあるカットが完成した。

 

 

後半はさらにアクティブに。「人生初めてのポーズかも」と言いながらマントを豪快にバサッ。威風堂々とした画力に一斉に歓声が上がる。ジャンプ、そしてキック!長い足が天高く蹴上がった瞬間は今日イチの「おお〜っ!」。さらに「狂気の眼で」のオーダーに応え、シンという人物の生き様を顔そのものから伝えるポートレイトを撮ってオールアップ。静から動へ、キャラクターの振れ幅を一気に駆け抜けた充実のセッションとなった。

 

■コメント:植原卓也(シン役)

この姿になって数時間、まだまだ慣れていない自分もいるけれど(笑)、スタッフのみなさんにテンションを上げていただき、自分でも「よし」と思えるショットを出せて…少しずつですが「自信を持って挑んでいけるぞ」という気持ちになれています。“漢”なキャラクターたちとは一線を画すモノがシンには求められているのだと、この撮影からも学ばせてもらいました。「足、そんなに上がるんだ!」と褒めてもらったのも嬉しかったな(笑)。

 

これまでも漫画原作の作品に関わらせていただくことはありましたが、出演の報告をしたときの父の喜びようからも、改めて「北斗の拳」という作品が愛されてきた歴史とパワーを実感しています。その原作を得てのミュージカル。百戦錬磨のキャストとスタッフが集結しました。みんなでギューッと絞り出したエンターテインメントのエキスが漲った、壮大なスケールの舞台になるのは間違いないでしょうね。

僕も歌、ダンス、芝居、アクション…日生劇場のステージで自分が持てるものを最大に放出していく瞬間がとても楽しみ!全てをやりきった、出し切った、届けられたと、役者として自分が思い描く高みに到達できたと胸を張れるように、そして、どの要素もひとつもこぼさずお客様に楽しんでいただけるように、常にチャレンジを忘れず挑みたいと思います。

 

主人公がものすごく強くて、さらに周りにも強い男たちがいて…これは、彼らの愛と欲望の物語。観ている間ずっと血が滾っているような気分になるんじゃないかなぁ。ぜひ何度も観て、じっくり味わっていただけたら嬉しいです。

 

#4.上田堪大、武道の魂が感じられるシンを呼び起こす

 

 

2021年8月半ばのある日、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』でシン役を務める上田堪大のビジュアル撮影が行われた。

 

全身白に包まれた上田が和やかな表情で撮影スペースにやってきた。まずは肩慣らし。カメラマンの「さ、始めましょう!」の声かけで最初のカットが始まる。

「登場の場面のイメージで」のオーダーに合わせ、腕を組んで堂々正面を向く。顎の上げ下げ、口角への力の入れ加減など緻密な微調整でもっとも“圧”を感じさせる一瞬を探る。動くたびにゆっくりと揺れるマントのドレープも自然な演出ポイント。長身のスラリとした全身のラインが輝くように美しく、キッと見据えた瞳とのバランスで秘めたる狂気がジリジリと滲み出てくるようだ。

 

 

続けて手の表情を加えてのバリエーション。まだ迷いもあるのだろうか、上田は度々モニターチェックを行い、原作監修の方々にも積極的に話しかけながらビジュアルイメージをすり合わせていた。

 

完全にスイッチが入ったのは手刀を入れた時。

それは、武道の心得のある上田自身の心とシンの魂がひとつに繋がった瞬間だったのかもしれない。そこからシンの流派である「南斗孤鷲拳」の手の型を使ったバリエーションではグッと凄みが増し、「ドンと見下しちゃって!」の声かけにも力強く反応。両腕を広げ肩の高さまで上げる“あのポーズ”では、スタッフ陣から「待ってました!」の歓声も。

 

 

シャープなフェイスラインと陰影の強いライティングがベストマッチな横顔や背中越しの表情に寄った「静」のカットはとてもドラマティックで、マントを広げ群衆を制圧するような表情も似合っていた。さらに、一口水を含み、身体を丁寧にほぐしてから挑んだマントごと豪快に蹴り上げるキックシーンのショット、武道家を彷彿させる右手をまっすぐ突き出した威嚇のポーズなど、スタッフ&カメラマンと呼吸を合わせて“一瞬”が求められる劇画チックな場面もひとつひとつ制覇。マントとスーツというスマートな“鎧”にキレと熱をギュッと秘めたシンが、そこに居た。

 

■コメント:上田堪大(シン役)

シンは悪役、敵役という立ち位置にはなるんですが、愛の物語という視点から見ると、本当に「いい男」ですよね。「北斗の拳」に出てくるキャラクターはみんな愛があって、優しさがあって、僕自身も大切にしている「思いやり」を持った人ばかり。もちろんシンもその中の一人。ただ、自分が演じることは思った以上に想像がついていなかったのですが…衣装とメイクとウィッグをつけていざ撮影に臨んだら、すごく気合いが入りました!自分も武道をやっていたので「構えて」と言われると自然と集中も高まり、改めて「これから大切に演じていこう」「僕らしいシンを追求していくぞ」という思いを噛み締めています。

原作は出演が決まってから読ませていただいたんですけど…もっと早く出会っていればよかった!! 今もどんどん引き込まれていますし、子どもの頃から読んでいたらきっと自分の武道の鍛錬にも活かせたことがたくさんあっただろうな、とも思いました。自然と内なる漢の魂がフツフツと燃えたぎってくる熱さがいいですよね(笑)。

 

グランドミュージカルに出演させていただくのはこれが初めて。

僕自身はもうとにかく「修行」という心境です。周りにしがみついてでも必死にやるしかないし、「今までやってきたことの中でどこまで闘える?」と、今の自分に自分を問い質してもいる。稽古はおそらく自問自答の日々。でもそこから生まれるモノを信じ、そしてこの作品でシンを演じきった後に見えるであろう自分の新しい景色を想像し──修行、挑戦、飛躍。大切なターニングポイントになる作品になるのは間違いありません。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

 

#5.川口竜也がリュウケンに!

 

 

2021年7月下旬のある日、ミュージカル『フィスト・オブ・ノース・スター〜北斗の拳〜』でリュウケン役を務める川口竜也のビジュアル撮影が行われた。

この日は複数人のキャストの撮影が予定されていたが、これが朝一番の撮影ということもあるのだろうか。何か大きな決戦の前のような、独特の緊張感にスタジオが包まれていた。

 

川口は革素材のような黒色のトップスとパンツ、そして黒いマントを右肩にかけ、スタジオに現れる。髪型はオールバックで、口元には巧みなひげ。原作を読んだことがある人が思い浮かべるであろうリュウケンとは異なるかもしれないが、どうやらこれは比較的若い頃のリュウケンをイメージしたビジュアルらしい。

 

 

川口は、挨拶こそすれど、不用意に喋ることなく、集中している様子。自身の中で役のイメージを膨らませているようにも見えた。最初のポージングは、ただ立つ。それだけであっても、体の角度や目線、表情によって印象は全く異なる。シンプルな構図がゆえに、ごまかしが利かず、一番難しい気がするが、川口は本物のリュウケンがそこにいるかのように、佇まいで魅せる。

 

「目の前に敵がいるような目つきで」「手で表現をしてください」。

そんなカメラマンの要望に、静かに、しかし的確に応える川口。力強さを見せたり、憂いを見せたり。中には、眉間のしわだけで、リュウケンの胸の内を表現するショットもあり、川口の役者としての底力を垣間見る。

 

気がつけば、撮影開始時ほどの緊張感はなく、かといって「和やか」というほどでもなく、静かに、テンポ良く、撮影が進んだ。おかげで、予定していた時間よりもだいぶ早く、必要なカットは撮り終えた。

カメラマンが撮影した写真は、すぐにデータで転送され、デスクトップに大きく表示されるのだが、その場にいたスタッフ陣が口々に「格好いいなぁ」などと称賛。川口自身も写真を見て、大きく頷く場面が何回かあり、その出来栄えに手応えを感じているようだった。

 

■コメント:川口竜也(リュウケン役)

僕はまさに世代なので、「北斗の拳」はとても思い入れのある作品です。特にラオウ編辺りまでが大好きで、学生の頃から繰り返し読んできて、今も読ませていただいています。
まさか自分が大好きだった作品のキャラクターをやらせていただけるとは思っていなかったので、出演が決まった時は本当に嬉しかったですね。面白いのは、キャスティングされた人間同士で話すと、みんな「やったー!」と出演を喜んでいて、ノリノリなこと(笑)。それほど愛されている作品なのでしょうね。しかも、今回は、ワイルドホーンさんの楽曲でミュージカル化されるということで、どんな舞台になるのか。今からとても楽しみです。

きょうのビジュアル撮影も、メイクと衣装を着させていただきましたが、それだけでも気分が上がりました(笑)

台本の最終稿を受け取っていないので定かではありませんが、リュウケンにとって一番の見せ場は、ラオウとの対決だと思います。どうやってラオウをいさめていく芝居をできるか。そこに最大の焦点を当ててやれたらいいなと思います。

12月の本番を迎える頃は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況がどうなっているのか……。正直、分かりません。でも、我々の仕事というのは、お客様に見ていただいて初めて表現出来るものです。我々は劇場でお待ちしておりますので、ぜひよろしくお願いします。

 

#6.伊礼彼方がレイとジュウザの二役を!
 

 

2021年7月下旬、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』でレイ役とジュウザ役を務める、伊礼彼方のビジュアル撮影が行われた。

伊礼が始まるまでは、同じくレイ役とジュウザ役を務めるWキャストの上原理生の撮影が行われていた。伊礼も上原と同じように、ジュウザ役の撮影からスタンバイ。二人ともジュウザそのものなのに、それぞれの個性の違いが早くも表出していて、Wキャストの醍醐味を感じる。
 

 

伊礼はメイクアップが終わるや否や、おもむろに腕立て伏せを始める。赤いタンクトップから見える腕の筋肉を少しでも起こそうという狙いらしい。更には、撮影用のウエイト・サンドバックを見つけると、それを両手に持って、上げ下げを繰り返す。腕の筋肉がベストなコンディションになったところで、撮影がスタートした。

ジュウザが「無節操な女たらし」という設定を伝えると、伊礼のスイッチがオンに。ニヤついたり、クールに髪を掻き上げるような仕草をこなしたりして、さくさくと撮影が進む。伊礼自身も撮れたての写真を見て「総合芸術だね」と、スタッフワークに称賛を送りつつ、出来栄えに満足気だった。

 

 

続いて、レイ役の撮影準備。1時間ほどして再びスタジオに戻ってきた伊礼は、青髪になり、先ほどとはガラッと雰囲気が変えて登場。ポージングに関して、原作者サイドから腕や足の使い方など細かい指示を受けつつ、それを真摯に体現しようとする伊礼。「南斗水鳥拳」伝承者であるレイの空中に舞う技の撮影で締めくくるまで、10近いポージングをしていた。


長丁場の撮影ではあったが、それだけ1ショット1ショットに懸ける思いがあるのだと知る。これから伊礼がどんなレイとジュウザを見せてくれるのか、楽しみにしていよう。

 

■コメント:伊礼彼方(レイ/ジュウザ役)

一役やるだけでも大変なのに、二役を演じることになりました、伊礼彼方です。

僕自身、原作がある舞台出演は久しぶりです。原作の画像を見ながら、ヘアセットをするメイクさんの緊張感がひしひしと伝わってきましたね(笑)。撮影に関しても、手の曲げ方、指の角度など、細かいところまで作り込んで、原作に近い写真が撮れた気がしています。内面から掘り下げるのではなく、まずは外見や形から役作りをしていくのも、原作がある舞台ならではの魅力ですよね。楽しい撮影でした。

 

「北斗の拳」に関しては、実はまだ初心者で、一度読んでいる程度なのですが、同じ漢(おとこ)として、戦っているシーンは格好いいなと思います。いやぁ、筋肉がすごいですよね。あれだけの筋肉をつけるのに、何年かかるのだろうと思って(笑)。それだけではなく、愛がテーマになっていることや、レイもジュウザも含めてどの役も漢気(おとこぎ)があることが、原作の魅力だなと感じています。

きっと原作ファンはミュージカル化されると聞いて、びっくりされたのではないでしょうか。しかもワイルドホーンさんの楽曲!どんな気持ちでいらっしゃるのか、若干複雑な気持ちもありつつ、その気持ちを裏切りたくないですね。また一方で、ミュージカルファンではあるけれど、原作をあまり知らない方も結構いらっしゃると思う。そういう方にはミュージカルを通じて、原作の良さをお届けできたら、win-winなのかなと思っています。

皆さんに素敵なレイとジュウザをお届けできるように、これから頑張りたいと思います!

 

#7.上原理生がレイとジュウザの二役を!

 

2021年7月下旬、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』でレイ役とジュウザ役を演じる、上原理生のビジュアル撮影が行われた。

まずは、ジュウザ役の撮影からスタート。スタジオでは、ロック音楽が流れていた。上原は時折歌詞を口ずさみ、リラックスしているように見えた。ジュウザと言えば前髪が印象的なビジュアルだが、その絶妙なヘアスタイルを納得のいく形で再現しようと、議論を重ねながらヘアスプレーや櫛で整えていき、「正解」に一歩一歩近づけていく。

 

 

印象的だったのは、上原のポージングの完成度。撮影の際、原作者サイドから細かなポージングの指導があるのだが、上原自身、「手をちょっと研究してきたんですよ」とはにかみながら語るように、原作の絵を見たら、そのまますぐに体現できてしまうのだ(指の角度まで!)。

撮影の途中、「女子風呂に飛び込むような感じで!」という指示が飛んだのだが、それも実は原作に盛り込まれているエピソードの一つだそう。すぐにそれを理解した上原は、スタッフの期待以上の表情と動きを見せてくれた。

 

 

続いては、レイ役の撮影へ。1時間のヘアメイクと衣装替えで、様変わりした上原。こちらも事前に仕込んできたのだろうか。手を交差させた状態で眼光の鋭さが際立つショットや、肩越しの寄りのショットなどを、要領よくポージングをしていく。撮影の合間には、スタッフ陣と原作話で盛り上がる様子も見られて、撮影そのものを楽しんでいたように思う。

 

上原が体当たりで臨んだジュウザとレイの違いはもちろんだが、Wキャストの伊礼彼方との雰囲気の違いも見比べると面白い。果たして本番の舞台ではどんな姿を見せてくれるのか、期待したい。

 

■コメント:上原理生(レイ/ジュウザ役)

少年だった者ならば、誰しもが一度は読んだことがあるであろう「北斗の拳」。まさかその「北斗の拳」がミュージカル化されて、しかも自分が出演するとは夢にも思っていませんでした。どんな舞台になるのか、正直まだ想像がつかないのですが、面白いことになりそうだなという予感がしています。

今日のビジュアル撮影は、原作を読み込んでいたので、人物像をある程度分かった上で、臨むことができました。

一つの舞台で二役を交互に演じるというのは、僕自身初めての経験です。役の演じ分けももちろん必要でしょうし、何より原作ファンの方がたくさんいらっしゃる作品。漫画のキャラクター(ラオウ)の葬式に3000人以上ものファンが集まるなんて、そんな作品、他にはないですよ(笑)
※ラオウの死を悼む“ラオウ昇魂式”に3,000人を超えるファンが焼香に駆けつけた。


皆さんの中にそれぞれ「北斗の拳」の世界観があると思うので、ファンの皆さんから見て、失礼のないように務めたいです。その上で、舞台上でどんな描き方ができるのか、可能性を追求してやっていけたらいいなと思います。

本番は12月の公演で、外は寒いと思うのですが、劇場の中の熱気はすごいでしょうね。まだ本格的に稽古に入っていないので分からないですが、汗と血を流しながら稽古することになるでしょう。

熱い漢(おとこ)たちの物語なので、一人ひとりに何かしらメッセージや思いを届けられたらいいなと思います。その熱気を感じに劇場へ来ていただけると嬉しいです。

 

#8.リアルな躍動で場を掌握するラオウ、福井晶一。

 

 

ビジュアル撮影最終日。大詰めの現場にいよいよラオウが降臨。深紅のマントに身を包んだ福井晶一がメイク室から現れると…その屈強な佇まいにスタッフも一瞬、息を呑んだほど。どこからともなく「うん、決まりだね」の声。場の空気がキュッと引き締まる。セッションの始まりだ。

 

 

戦う男の精悍さを際立たせる短髪。大振りな石がぐるりと繋がった首飾りは、『北斗の拳』の世界で一握りの人間しか身につけることのできない高級で貴重な逸品だ。マントの下は袖なしのインナーとオリーブ色のパンツに黒いブーツ。動きやすさを重視したコーディネートに拳王としてのプライドが滲む。ファーストカットはカメラに正対し、腕を組んでまっすぐ立って。力強くカメラを睨む福井。眉間のシワはひときわ深く刻まれ、相手を見下すかのような視線が決まる。スタッフのアシストによるマントを翻しながらのアレンジは、画面全体を覆う赤に浮かび上がるラオウというアートな1枚。風を受けるイメージで、福井の口元にも自然に力がみなぎっていった。

 

 

片手を差し出し手のひらを広げて敵を威嚇するような姿勢も雄々しく、拳を握り腕を突き上げる見覚えのある姿は周囲の視線を奪う“本物感”。静止しつつもしっかりと力が込められた拳、その力はプルプルと腕を震わせ、肉体のラインをさらに際立たせるリアルな躍動へと繋がっていく。シャッターのタイミングに合わせて大きく息を吸い、スッと止める福井の集中のリズムも心地よい。

 

撮影が進むごとに胸筋にもさらに力が宿り、光沢のあるインナーが自然と身体の逞しさを浮かび上がらせていく。人差し指を立てて空に突き上げる姿、天地を掌握したかのような余裕の笑み…ラオウならではのポージングが続く。中でも下方から狙ったカメラに拳を叩きつけるシーンは圧巻の極み! 福井ラオウのオーラに呼応するかのように「次はどのポーズ行きましょうか?」とスタッフ陣の“少年ジャンプ魂”も加速していったスタジオ全体の熱さも忘れ難い。

 

コメント:福井晶一(ラオウ役)

『北斗の拳』がミュージカルになるなんて本当にびっくりしていますが、様々な挑戦をされているホリプロさんが一から作品を立ち上げるというチャレンジに共感し、こうして参加させていただきました。演出の石丸さち子さんと音楽のフランク・ワイルドホーンさんとは『マタ・ハリ』に続いての再会。今回はまたどう進化を遂げていくのか──僕自身も大いに期待が膨らんでいます。

 

ラオウはやはり根強い原作ファンもいらっしゃるキャラクターなので、撮影はそのイメージを壊したくないという思いとプレッシャーもありましたが、現場のカメラマンさんやクリエーターの方たちも男性の方が多く、ワイワイと少年漫画の世界を楽しむ空気に乗せられ、楽しくセッションさせてもらいました。ずいぶん前からトレーニングは始めていますが、本番までにはもう少し体を仕上げていきたいですね(笑)。

 

僕がアニメを見ていたのは中学生くらいなのでとにかく戦闘シーンを真似して学校で「アタタタター!」とかやっていた思い出が強く…今改めて漫画とアニメを見させていただいて、物語の深さに感動しています。思念を貫き己しか信じないラオウですが、台本には幼少時代の心優しいエピソードも描かれていて、彼の強さや冷徹さだけでなく、なぜその道へ進まなければならなかったのかという彼の本質の部分が伝わってくる。舞台でもそれらを繊細に演じられればいいなと考えています。

アクションシーンも豊富ですが、やはりミュージカルなので音楽がこの物語をどういうふうに支え展開させていくのかも本当に見どころです。ぜひぜひ幅広い層のみなさま、たくさんの方々に観ていただけたら嬉しいです。

 

#9.宮尾俊太郎、覇気溢れる屈強な戦士・ラオウとなる。

 

 

撮影最終日、オーラスでの登場となったのが、ラオウ役の宮尾俊太郎。宮尾はスタジオに着くなり私服のままセッティング中のカメラスタッフの元へ。撮影プランを自らヒアリングし、姿見の前で軽くポーズを作って確認したのちにメイクルームへと入室した。

 

 

 

そして…支度を整えて登場したのは、これまでの宮尾のイメージを覆すような覇気溢れる屈強な戦士・ラオウ。身に纏うひとつひとつのアイテムのデザインはシンプルだが、真紅のマントの質感と重厚感あるネックレス、そしてリストバンドとベルトに施された大振りな赤い石の輝きがラオウのゴージャスなオーラを最大限に際立たせている。まずは撮影エリアに入り、軽い腕立て伏せでパンプアップ。マントが揺れ不意に覗く肩のラインも逞しく、見守るスタッフ陣も「これはヤバイな」とスイッチON。流れるように撮影がスタートした。

 

レンズに向かってまっすぐ立ち、じりじりとパワーを溜め込むように集中、眉間に力を込め胸を張る。それだけでもうラオウの威厳が滲み出てくるのはさすが。グッと足を開きカメラを威圧する宮尾の身体は、さっきよりもさらに大きく見える。両腕を広げ微動だにしない姿はこの世の全てを掌握した者のそれ。身体を翻し、肩越しに右手をこちらへグイッと突き出す制圧の一瞬にはあちこちから「うおっ」と称賛の声が上がるのがわかった。さらに、逆光に照らされながら振り向きざまにグッと拳を握った腕を上げてみせる。迫力と光のマジックが生んだこの絶好の1枚、居合わせた人々からも拍手が!

 

 

カメラに向かって殴りかかるような“瞬間”の撮影では「何も殴ったことのない手なので(笑)」とおどけつつ、合図に合わせてキッチリ決めてみせる。激しい動きはないが、存在とポージングで見せていく撮影は体幹にも深い刺激を与えるのだろう、宮尾自身のテンションは上がる一方。ラオウとして振る舞うこの時間を堪能しているのが、ほとばしる達成感の表情から大いに感じられた。

 

コメント:宮尾俊太郎(ラオウ役)

カメラマンさんと衣装さん&メイクさんのかけるマジックで楽しんだビジュアル撮影を経験し、自分の中でもラオウという役への具体的な兆しが見えた気がします。みなさんが知っている原作で…僕も当然知っていますからね。やはり極限までそのイメージには近づける努力はこれからもしていきたい。「俺に後退はない、あるのは前進勝利のみ」ってね(笑)。

 

20XX年。世紀末の中で自分の精神に筋を通して生きていける人って本当に素敵だと思う。僕は今回ラオウからその真髄を学ばせていただきます。ストーリーラインでは親子、男女、兄弟、家族…たくさんの「愛」が描かれていきますが、最後はそういうのをすべて突き抜けたところまでたどり着きたい。真の誇り、プライド…作品の本当の核となってくるこの世界に生きる男たちの美しき姿、それらはフランク・ワイルドホーンさんの音楽と演出家の石丸さち子さんの手によって浮き立たせていただける気がしているので、そういった魂の部分も深めていく作業が楽しみです。己を貫いた男たちの生き様に涙し、何か尊いものを見たような感じ、「なんかわからないけど泣けたなぁ」というところまで作り上げられたらいいなと思っています。

 

今まで死のダンサーをダブルキャストで演じていた大貫勇輔くんとは“初共演”。今回は僕らがケンシロウとラオウ、めちゃくちゃ生きている役を演じます!演劇的ドラマ性と肉体的な部分と精神的な部分の表現、音楽と光と…ワイヤーアクションやバトルシーンもありますし、もう相当に見応えのある、大変なことをやる舞台(笑)。まさに日本が送り出す、他に類を見ないオリジナルミュージカルになることでしょう。みなさん、絶対観たほうがいいと思いますよ!

 

#10.平原綾香、多彩な表情にユリアの慈愛を宿す。

 

 

ビジュアル撮影最終日。最初にその姿を現したのはユリア役の平原綾香だ。ゆるく上品にウェーブのかかった長い黒髪が全身白のドレスに映え、揺れるまつげも美しい。首周りを優しく包むレースの飾り、透け感のある袖、長く引かれた裾。全身のラインを完璧にするために選ばれた白いハイヒールで颯爽とカメラの前へ立ったその表情には、早くもユリアの慈愛と意思の強さが宿っている。スタッフからも「しっかりと気持ちが入っていますね」との感想が。

 

 

イメージイラストを確認後、少し体をひねり、軽く背をそらしてスタンバイ。カメラの隣に置かれた姿見で髪の流れる分量や手の角度も入念に整えながらすっと宙を見つめる平原。絶妙に配される両腕の表情とシェイプされたウエストから一気に広がるドレープのその先まで、全身のラインそのものでユリアのオーラを放つと「素敵」「素晴らしい」の声と共に、全員一致で「これです!」と湧き立ったスペシャルカットも次々に生まれていく。

 

手元が映るカットでは急遽ネイルを塗り重ねる配慮も。目を伏せた祈りのポーズ、慈愛の表情に少しずつ凛々しさや強さを乗せていく感情のグラデーション、ダンスするかのような躍動的な一瞬など、平原自身の表現のバリエーションも豊富。派手な動きではないが思わず場を圧倒するような立ち姿の撮影ではカメラマンから「Beautiful!」と感嘆の声も上がった。

 

 

繊細な部分にまで目を配り佇まいを常に微調整、様々なオーダーの声にもレンズの向こうから「はい」と即対応。そしてカメラの前で見せる目力とモニターチェック時の談笑する微笑みはまさにONとOFF。集中力にもしっかり緩急をつけ役割に徹する平原のプロ意識は、現場を鼓舞するパワーを放出し続ける。

ラストスパートのシルエットから印象的なアップまで、じっくり撮り続けた1時間。愛に溢れたセッションが繰り広げられた。

 

■コメント:平原綾香(ユリア役)

自分なりに事前にイメージを膨らませて臨んだビジュアル撮影。原作の見た目に寄せていくのはもちろんですが、彼女の内面の優しさと強さ、抱えている宿命の重さのようなものが表情にも出るように心を配り、ポージングにもこだわりました。スタッフのみなさんと共に力を合わせて「お客様が想像しているユリアにどこまで近づけるか」を探りながらの時間はとても楽しいものでした。

 

自分がやるべきこと、宿命を背負い自分の人生を歩んでいくユリアの姿は、ある意味どの登場人物よりも男らしく、彼女を愛する者たちに「決して裏切らない」と思わせてくれる母のような温かさを宿している。それと同時に、少女性も持ち合わせているとても魅力的な人。精神的にも肉体的にも強さと柔らかさを兼ね備えたユリアは、私にとっても理想の女性と言えるかもしれません。

 

私はミュージカルはまだ3作品に出させていただいただけで、新作ミュージカルに関わるのも初めて。しかもまったく形も見えない状態からあの『北斗の拳』を舞台で表現するなんて!この作品はきっと、今までに観たことのない “初体験のミュージカル” になる気がしています。原作ファンの方々にもたくさん観に来ていただいて、この作品がミュージカルになるという歴史的瞬間を一緒に味わいたいですね。もちろん『北斗の拳』世代ではない方たちにも、原作の魅力がしっかり伝わるように、現場は絶賛“創造中”です。ミュージカルの概念を壊していくような作品になるであろう『フィスト・オブ・ノーススター 〜北斗の拳〜』。みなさま、どうぞお楽しみに!

 

#11.May’n、希望を宿した静かに強い瞳のユリアに

 

 

ビジュアル撮影最終日。ユリア役のMay’nの準備が完了。ペプラム袖がアクセントの総レースの真っ白なドレス。動くたびに光の加減でさりげなく輝くビーズが全体に施されており、長い裾は上品さの象徴だ。サイドに少しカールのある黒系のロングヘアーは意思のあるまつげと唇とを際立たせてくれ、小さな飾りのついたヒールとも相まって…総体的に可憐さを備えたユリアが誕生した。

 

 

まずは横向きにスッとカメラの前へ。ドレスの裾のラインを生かしながら密度のある画作りを目指し、手のニュアンスでさらにユリアらしい空気を生み出していく。強い眼差しでレンズを見つめ、やがて憂いを浮かべた表情へ。さらに胸の前で腕を組み、そこから見返り美人風へとスタンスチェンジ。手を喉元に添えたニュアンスある背中越しのポージングに「美しいです」と声がかかる。

全身をしっかりと見せながらドレスの裾をひらり。掛け声に合わせて瞬間、瞬間にポーズを決める。May’nの迅速な対応力と『北斗の拳』の世界を撮り続けてきたチームとの相性もバッチリ。現場の進行もとてもスムーズだ。

 

ちょっと一息ついてモニターチェック。順調とはいえ緊張を抱えながら撮影に臨んでいたMay’nも、照明に彩られた自らのユリア姿に思わず「お〜、すご〜い!」と歓喜の声。「とてもいいです」「ハマってますねぇ」との周囲の感想にパッと輝く笑顔で応えていた。

 

 

イメージイラストを提示されての次のオーダーは座りカット。スカートをふわりとさせた中膝立ちのポーズは、またひとつ違ったユリアの魅力が伝わってくる。両手を重ね、祈りを捧げる。「表情柔らかに」の呼びかけで、ユリアを包んでいた勝気さを含んだ空気が優しさへと移行。そこからさらに最後のワンカットまで熱を帯びた時間が続く。シルエット、アップ、引きと、アングルが変わっても揺るがない、希望を宿した静かに強い瞳の表情も印象的だった。

 

コメント:May‘n(ユリア役)

『北斗の拳』、日本はもちろん世界中で愛されているこの人気作品をミュージカルでお届けできることに私自身もとてもワクワクしております。私が原作を読んでもっとも心に触れたのは、ケンシロウの「99%勝ち目がなくとも1%あれば戦うのが使命だ」という言葉。それってまさに私の人生のモットーなんです!基本「戦ってやる」みたいな感じで生きているので(笑)、この作品に宿る「少しの可能性を信じて前に突き進んで行く」という生き様はぜひみなさんにお届けしたいメッセージだな、と感じています。

 

ユリアは…自分自身とは真逆のキャラクターだと思いますので、彼女の持つ優しさや美しさを表現するのは大きな課題だなと感じました。でもこうして衣裳を纒いメイクをしていただいたら自然とユリアのスイッチを入れることができたので、このビジュアルイメージを持ってお稽古に入れるのが楽しみになりました。ずっと憧れだったワイルドホーンさんの楽曲を歌わせていただけるのもとても光栄なことです。この素晴らしい楽曲をちゃんと歌いこなせるようにさらに歌唱トレーニングも続けてまいります。

 

私は以前からキックボクシングをやっているので戦う準備も万全ですが(笑)、ユリアは戦わないので、心技体で鍛えている心のほうを発揮し、ユリアの内に秘める芯の強さみたいなものはしっかりお届けしつつ、なるべくおしとやかに美しく、作品に込められた「愛」のメッセージを体現していきたいと思っています。生の舞台という世界観の中でどれだけ感動や迫力のある作品にできるかは、これから稽古を重ねる中でしっかり見えてくることでしょう。それもこれもやっぱり生で味わってこその舞台。みなさん、ぜひ劇場にお越しくださいね!

 

トキ役(加藤和樹)、シン役(植原卓也・上田堪大)、ラオウ役(福井晶一・宮尾俊太郎)、ユリア役(平原綾香・May’n)▶取材・文:横澤由香
トキ役(小野田龍之介)、リュウケン役(川口竜也)、レイ/ジュウザ役(伊礼彼方・上原理生)▶取材・文・撮影:五月女菜穂

 

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【公演概要】
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』

<東京公演>
期間:2021年12月8日(水)〜12月29日(水)
会場:日生劇場

<大阪公演>
期間:2022年1月8日(土)・9日(日)
1月8日(土)12:30/17:30
1月9日(日)12:30
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場/関西テレビ放送
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800 (10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/1007/

<名古屋公演>
期間:2022年1月15日(土)・16日(日)
1月15日(土)12:30/17:30
1月16日(日)12:00
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
主催:中京テレビ放送
お問合せ:中京テレビ事業 052-588-4477 (平日11:00~17:00/土日祝休業)
https://cte.jp/hokuto-no-ken/

<スタッフ>
原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊 漫画:原 哲夫)
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子
振付:辻󠄀本知彦 顔安(ヤン・アン)
協力:株式会社コアミックス
主催:ホリプロ/博報堂DYメディアパートナーズ/染空间 Ranspace/イープラス
企画制作:ホリプロ

©武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111


宣伝美術スタッフ
アートディレクター:服部浩臣(COM Works)
宣伝写真:HIRO KIMURA ( W )
宣伝スタイリスト:徳永貴士
宣伝ヘアメイク:宮内宏明

<キャスト>
ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン他:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり 
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互で役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)

バット:渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈・近藤 華(Wキャスト)
ほか

公式HP=
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021
https://www.hokuto-no-ken-musical.com
公式Twitter=https://twitter.com/musical_fons

 

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