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彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』小栗 旬×横田栄司×吉田鋼太郎 鼎談

  • インタビュー

2020年1月31日(金)

シェイクスピア全37戯曲の上演を目指し、1998年より蜷川幸雄が心血を注いできた“彩の国シェイクスピア・シリーズ” 。2017年からはシリーズ2代目芸術監督・吉田鋼太郎のもと上演を重ねているが、2020年夏の第36弾『ジョン王』には、主演・小栗 旬、共演・横田栄司、そして演出・出演を兼ねる吉田という、超強力布陣が引かれた。
ポスター撮影を終えた3人に、本作そしてシリーズにかける想いを語ってもらった。

 

取材・文/羽成奈穂子


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――『ジョン王』はシェイクスピア作品の中でも、上演機会が少ないものの一つ。その名の通りジョン王を取り巻く人々の物語ですが、ジョン王の動機や心情が見えにくい面もあり、果たして誰が主人公なのかと物議をかもす作品でもありますね。

吉田:この『ジョン王』はシェイクスピアの“問題劇”のカテゴリーに入れられることがあって、要はそれだけちょっと変わった芝居なんですね。起承転結がしっかりしているか、人物像が深く掘り下げられているかというと、そうでもない。割とご都合主義満載で、「ほかの人間と一緒に書いたのでは」なんて憶測が流れたりもしているんですが、やっぱり僕は、あくまでシェイクスピアは意図して書いていると思えてしょうがない。敵対するフランスとイギリスの間に私生児がいて、自国イギリスを批判したり、相手国のフランスを褒めたりする。それは、彼が王族の正当な血筋ではないからこそできること、つまり、「何にも関与していない人間こそが、冷静な批判眼を持てるのではないか」ということが書かれているように思うんです。“歴史、イコール、英雄が動かしてきたもの”では決してなく、必ずその根底に庶民がいる。その辺りの要素が混在する芝居として描ければ、面白くなるのではないかなと思っています。

 

――今回の吉田演出では、小栗さんが私生児フィリップ・ザ・バスタード役を主演として務め、ジョン王に横田さん、フランス王に吉田さんという配役です。

吉田:私生児は、2つの国の間を行ったり来たりして、戦いながら批判し、誰かを守りながら誰かを殺すという、肉体的にも精神的にも非常にパワーがある人間。その点、最近海外で鍛えられている小栗はまさにぴったりだと思います。あと、“蜷川組”に小栗が参加するっていうのも、僕はずっと望んでいたことなので、久しぶりに帰ってきてくれて、本当にうれしい。厳密には蜷川組じゃないけど、僕が継承させてもらっているので。

 

小栗:本当に、ここは蜷川組だと思っているんで。そこに11年ぶり(『ムサシ』(2009年)から数えて)に帰れて……。

 

『ムサシ』(2009年) 撮影:渡部孝弘

 

吉田:11年か、長かったね(笑)。蜷川さんと喧嘩しちゃって、離れて、でも亡くなる前にちゃんと仲直りして、『ハムレット』やろうな、なんて話もしていたから、それは小栗も残念だと思うんですけど。

 

小栗:それをやっているかいないかで、僕の演劇人生もまたちょっと変わっていたかもしれない。こういう形でやっと戻ってこられたというのは非常に感慨深いし、自分を求めてくれたのは光栄です。それに、鋼太郎さん、横田さん、(藤原)竜也は、いろんなところで一緒にやっていたので、それを観るたびに、「俺はもうあそこに入ることはないんだ……」って思って過ごしてきたので。

 

横田:観た後に、やさぐれてたもんね。帰った後、皆で「あいつ、うらやましいんじゃね?」って(笑)。

 

小栗:まさにそうです。

 

吉田:『ヘンリー五世』(2019年)終演後、小栗が浮かない顔していたから、つまんなかったのかなって思ったら、「面白かったんだけど、俺、今度これできるかな」って。あんなに声出るか、セリフしゃべれるかって、しばらくシェイクスピアから離れているとすごく不安になるんだよね。

 

小栗:間違いなくその部分は衰えているんで、急ピッチで、演劇筋肉をビルドアップしてきます。

 

吉田:横田は、もう最も信頼する俳優で、シェイクスピアに関しては、彼がいれば僕は安心して演出ができるという人。かつて蜷川さんが『ジュリアス・シーザー』(14年)で横田にタイトルロールをやらせたけど、なかなか出てこないで死んじゃうっていう、酷い仕打ちをしているので(笑)、今度こそタイトルロール!……って思うんだけど、このジョン王もタイトルロールらしいタイトルロールじゃない(笑)。そこを、横田ならではの演技力で、どう構築してくれるのかというのも楽しみです。

 

『ジュリアス・シーザー』(2014年) 撮影:引地信彦

 

小栗:ジョン王、あまりにも行ったり来たりする人ですごいですよね。私生児はある種の正論を持って行ったり来たりしているけど、ジョン王は周りに振り回されて、じゃ、そっちにする、あ、こっちにするって!

 

横田:ひどいよね!(一同笑)

 

吉田:ダメな王様だよね〜!

 

横田:スケールは大きく、中身の小さい男(笑)を、頑張って演じたいと思います。旬も一緒にシェイクスピアをやるのは『タイタス・アンドロニカス』(2006年)以来。一緒にイギリス公演行って、まだ若かったから、賑やかにわーわーやってた。

 

『タイタス・アンドロニカス』(2006年) 撮影:高梨光司

『タイタス・アンドロニカス』(2006年) 撮影:高梨光司

 

小栗:若かったですよね〜。あの時の横田さん、今の俺より若いんだもんな〜。

 

横田:そうかあ。そんなことも思い出しながら……僕はこのシリーズに出ることが大げさじゃなく一番の喜びなので、命がけで精一杯やりたい。それに、こういったマイナーな作品こそ、鋼太郎さんのシェイクスピアに対する造詣の深さが遺憾無く発揮されて、こんなに面白いものだったの!ってことになるはずです。

 

――吉田さん、演出の方向性は、現段階でどのように考えられていますか。

吉田:『ヘンリー五世』(2019年)では立ち回りを重要視したんですが、それは『ヘンリー五世』に立ち回りが必要だったからで、『ジョン王』にはあまり必要ないような気がするんです。それよりも、フランス側、イギリス側の駆け引きや、真ん中にいる私生児がどういう心理状態で二つの権力者を見て、動きを止めようとしたりけしかけたりいるのかという、心理合戦的なところを前面に押し出した方が面白くなるのかなと。あと『ヘンリー五世』より史実に縛られず、「いつの時代にもこういうことはあるんですよ」という普遍的な捉え方のできる芝居だと思うので、装置や衣装も少し時代を飛び越えて遊べそうかなと考えています。

 

――これまで何度も経験している横田さんから見て、吉田さんの演出や稽古場の面白さは、どんなところにありますか。また、小栗さんは、初体験となる吉田さん演出で楽しみなことは。

横田:蜷川さんの、演出の手法じゃなくて、魂みたいなものがやっぱり似ていらして。すごいものを作りながら、同時に人を導いたり教育したりという、二つのことを鋼太郎さんはされていると思うんです。そこに僕らにとっての学びもあるし、言葉のチョイスが面白くて、毎日必ず爆笑させてくれる(笑)。あと、当代随一の俳優として「俺だったらこう演じる」っていうことを、つまびらかに教えてくれるわけで、それは同業者としてなかなか味わえる体験じゃない。毎回イイ思いをさせてもらってます。

 

小栗:そうですね。(稽古・本番と)たかだか3カ月くらいの世界ですけど、その間だけは鋼太郎さんの脳みその中を覗けるわけですから、どれだけ吸い尽くせるか(笑)。楽しみです。

 

吉田:演出が何をしようと、できない人はできないんですよ。でもこの二人とも、演出が説明したことを100倍、200倍、1000倍にしてくれる俳優なので。特にシェイクスピアは、TVドラマとかに比べたら、1000倍くらいのセリフ量があって、それを一言も逃さず客に届けなければいけない。さらに、その人の個性を、人生を乗せて、その人にしか喋れないセリフを言わなければいけない。やることが山積みだけど、この人たちはそれができると分かっている……演出としてこんなにありがたいことはないですね。今、横田が、「僕が指導する」というようなことを言いましたけど、その指導を体現してくれる横田や小栗の姿を、共演の若手の人たちが見て、さらに学んでいくということが、きっと起きていくと思う。だからこれからのことを考えると、僕よりもこの二人に頑張ってもらわないといけないなという気もしています。

 

 

――あらためて、3人で共演することについての想いをお聞かせください。

吉田:今ここでこうしているだけでも、言いたかないんだけど、ものすごくうれしい(一同笑)。この前、小栗主演の映画「人間失格」を見に行ったんですよ。するとやっぱりね、監督が蜷川実花ちゃんっていうこともあるかもしれないけど、蜷川さんのところで鍛えられてきた俳優の、匂いみたいなものを感じるんです。演劇っていわゆる社会性とはちがう次元にいる仕事だし、モラルから少し逸脱している方がむしろ魅力的だったりするけど、そういう空気をまとっている俳優って、最近なかなかお目にかからない。でもその空気を持つ俳優がシェイクスピアをやると、“劇”になる。「これは見世物だ」という、禍々しさみたいなものが、特に蜷川さんがやってきたシェイクスピアにはないといけないと思うんで、それを小栗や横田が舞台の上で出してくれることが、ものすごく楽しみですね。

 

横田:僕はもう、もちろん楽しみなんですけど、やっぱり、この二人は強大で、大スターですからね。どこまで頑張らなければいけないんだろうっていう、一抹の恐怖もありつつ、そこに、勇気と知恵と工夫で立ち向かっていこうと思います。

 

小栗:僕はお二人のことを本当にリスペクトしていますし、僕らはただ仲良くお酒を飲んで、仲良くやりたい芝居をしているという穿った見方をする人たちもいるかもしれないけど……やっぱり僕の中では、23歳で体験させてもらった『タイタス・アンドロニカス』がすごい体験で、あのイギリスでの芝居の時に、勝手にお二人のことを戦友だと思ったんです。正直行って、「あれほど興奮する時間はその後あったのか」って言われると、なかなかないまま、その後を生きている。あの時間を味わった人たちと、また一緒にチャレンジできるっていうのは、やっぱり、僕にとってはすごい出来事です。

 




 

【公演概要】

彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』

作 :W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:吉田鋼太郎 (彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
出演:小栗 旬、横田栄司、吉田鋼太郎 他

【公演中止・払い戻しのお知らせ】

 

<埼玉公演>
期間:2020年6月8日(月)~6月28日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
制作:(公財)埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ
企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会
お問い合わせ:彩の国さいたま芸術劇場
TEL:0570-064-939(休館日を除く10:00-19:00)

 

<名古屋公演>
期間:2020年7月3日(金)~7月6日(月)
会場:御園座
主催:御園座
お問い合わせ:御園座
TEL:052-222-8222(10:00~18:00)

 

<大阪公演>
期間:2020年7月10日(金)~7月20日(月)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
主催:梅田芸術劇場
お問い合わせ:梅田芸術劇場
TEL:06-6377-3888(10:00~18:00)

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