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「台詞量が『海辺のカフカ』の20倍くらい!ドキッとしています」~『神の子どもたちはみな踊る after the quake』木場勝己インタビュー~

  • インタビュー

2019年7月5日(金)

2019年7・8月上演の舞台『神の子どもたちはみな踊る after the quake』に出演する木場勝己のインタビューをお届けします。

東京で地震を起こそうとするみみずくんに立ち向かおうとする「かえるくん」という役について、どのように理解していこうとしているのか、そして『海辺のカフカ』に続いて村上春樹作品に出演される事への思いなどをお聞きしました。

取材・文/小村早希

 


 

▼公演詳細ページはこちら

 

■村上春樹さんの作品の魅力は「発想の跳躍」

――まずは『海辺のカフカ』に続き村上春樹さんの作品に出演を、という話が来たときの印象をお聞かせください。

確か『神の子~』の話は、『海辺のカフカ』の稽古に入る前に声をかけられた記憶があります。ちらっと台本を読んだとき、『海辺のカフカ』で演じたナカタさん役と比べて台詞量が20倍くらいあったんです。それでちょっとドキッとしてしまいました(笑)。この仕事を受けた後、今になって恐ろしさを感じています。
ナカタさんはそんなに喋っていないんです。いちばん喋っているのが、最初の猫さんとのやり取りくらいでしたから、参っちゃったなあ(笑)。言葉の洪水に押し流されているようです(笑)。

『海辺のカフカ』2019フランス公演舞台写真(ナカタさんとカワムラさんのシーン)
(c)KOS-CREA/国際交流基金

 

――木場さんが演じる「かえるくん」というキャラクターですが、今の段階でどんな存在だと考えていますか?

今はまだ「ゼロ」です(笑)。だって人間ではなく、かえるという生き物ですから。僕はかえるになった事がありませんからね。ただ、『海辺のカフカ』と似ているところを取っ掛かりにしようと思って共通項を探しているんです。ナカタさんは「あるべき姿に戻す事が使命」だと言っていますが、かえるくんもみみずくんと戦って東京を地震から救おうとする使命を持っているようなので「使命」については両者が重なるのかもな。
また、かえるくんは片桐さんという人間に協力を依頼するんですが、最初はびっくりして戸惑っていた片桐さんもいつの間にか「ドストエフスキーの作品を読みます」ってかえるくんに言うくらいの仲になる。これって『海辺のカフカ』に出てきた星野が辿る道中にもどこか似ていて、これも取っ掛かりになるなと思いながら台本を読んでいます。

『海辺のカフカ』前回公演舞台写真 ナカタさん、ミミさん、カワムラさんのシーン 撮影:渡部孝弘

 

――『海辺のカフカ』の猫さんたちみたいに、かえるくんも着ぐるみのような衣裳をつけるんでしょうか?

まだ何も聞いてないんです。ただ小説はイメージの世界なので、地の文で何とでも書けるんですが、僕たちは舞台の上で「人間」が出てしまう。かえるくんは2mあるという描写があるんですが、僕は人間の中ではどちらかというと小柄な方なので、そこをどうするかなあって。俳優としてはかえるになるための何かしら負荷はいると思います。言葉(台詞)だけで成立させるのは、恐いですね(笑)。

 

――出演者から見て、村上春樹さんの作品にどんな印象をお持ちですか?

僕は村上さんの作品について語れるほどの知識がないんです。ただ、パリで『海辺のカフカ』の公演をした時、現地の女学生から村上作品における愛とか恋について矢継ぎ早に質問が出て、それについて村上さんは「プロットは作らない」と答えていらっしゃいました。テーマがどうこうではなく「物語を作っているんだ」と。僕の耳にはそう聴こえましたね。
僕らの日常生活には限界がありますが、「物語を作る」となればアナザーワールドにどこまでもいけます。なんせ「石を持ちあげたら世界が変わる」んですから(笑)。そういう視点で『神の子~』を読むと、かえるくんはみみずくんをやっつける事で地震を食いとめるという独特な「発想の跳躍」が村上さんの作品に感じられるんです。物語を作る上でアナザーワールドへの跳躍力が村上さんは他の作家さんとは少し違う。さすがだなあと思っています。

 

■役作りはしない。キャラクターを最終的に決めるのはお客さんだから。

――その跳躍力を演劇で表現していくために、木場さんはどのように飛び越えようと考えていますか?

跳躍力?随分唐突ですねえ。そうか、かえるだけに、飛ばなきゃならないか?(笑)まあ、力技だねえ、どうしても(笑)。ただ、よく俳優は、「役の気持」って言うんですけど、僕はあまり考えないんです。と言うのも、気持は後から沸き起こるものだと思っているものですから。
まず僕が、或る目的を持って相手に言葉を掛ける。相手も、それに突き動かされてこっちに言葉を返してくる。その言葉によって僕の中に変化が生まれる。その力を使って再び相手に言葉を返す。そのくり返しをしていけば、あらかじめ気持を作ったり、役作りをしなくても、芝居は成立すると思うんです。
「僕のことは、かえるくんと呼んでください」という台詞から始まるんですが、お芝居の間中、先程の言葉のやり取りが続きます。この言葉の旅を終えたとき、お客様の心に何かが残ってくれたらいいなあ。・・・あっ、そのためにはこの大量の台詞を覚えないとね(苦笑)

 

――話が最初に戻りましたね(笑)。今回、古川雄輝さんや松井玲奈さんと初めてご一緒されるそうですが、役者の先輩としてどんな存在でありたいですか?またお二人にアドバイスなどありますか?

歳を取っているので、若い彼らにとってはめんどうくさいだろうと思います。「じじぃがいる」って思うでしょ?だから普通にしています(笑)。そもそも「木場勝己」という人はいないんです。生まれた時から木場じゃないので。環境で変わるんですよ、ヌルヌルと(笑)。
彼らに対してアドバイスできることもありません。どんな作品についてもそうですが、僕はキャラクターについては考えないし考えろとも言わないんです。稽古がどんどん進んでいってどういうキャラクターになったか、最終的にはお客さんが決める事だと思うから。
振り返れば、僕が若い頃、先輩の役者に、注文を付けてくる人がいたんですよ。ここはこうしろ、ああしろ、お前の役の作り方はおかしいって。「余計な事を言いやがって。」と殴ってやろうかと思っていたくらい(笑)。だから大人になってからは僕は周りに一切こうしろとは言わないです。そもそも他の人からこうしろって言われて演じたら面白くないでしょ?どういう風に演技をするか、お互い分からないからこそ、驚きが生まれて、楽しくなるんだから。

 

【おまけ】
インタビュー後、同席していたスタッフが「実はこんなデザイン案が上がってきて、この後、倉持裕さんと打ち合わせしようと思っていたんです」と、かえるくんの衣裳デザイン第1号を木場さんに初披露!「かえるって昔からちょっと紳士風ないでたちなのは何故なんだろうね」などと、食い入るように衣裳案を見入っていたのが印象的でした。

 

 

【プロフィール】

木場勝己(きば・かつみ)

1949 年生まれ。櫻社を経て、斜光社、秘法零番館を結成。その後 T.P.T.旗揚げに参加。蜷川幸雄演出作品、井上ひさし作品、翻訳劇など幅広く活躍する。『日の浦姫物語』『ヘンリー四世』『盲導犬』『海辺のカフカ』など多数の蜷川作品に出演。その他、舞台『8 月の家族たち』『テレーズとローラン』 『鱈々』『きらめく星座』『メタルマクベス』『民衆の敵』、映画『駆込み女と駆出し男』 『日本のいちばん長い日』『家族はつらいよIII』など。読売演劇大賞最優秀 男優賞、文化庁芸術祭優秀賞、紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。

 


 

【公演概要】

神の子どもたちはみな踊る after the quake

作:村上春樹
脚本:フランク・ギャラティ
演出:倉持裕
出演:古川雄輝、松井玲奈、川口覚、横溝菜帆・竹内咲帆(子役・Wキャスト)、木場勝己
公演日:2019年7月31日(水)~8月16日(金)
会場:よみうり大手町ホール(東京・大手町)
※愛知・神戸公演あり

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