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待望の再演!ミュージカル『生きる』ビジュアル撮影レポート

  • レポート

2020年7月17日(金)

2018年10月に市村正親、鹿賀丈史のWキャストで上演され「これぞ、国産ミュージカルの記念碑」と絶賛されたミュージカル『生きる』が、2020年10月、日生劇場で再演を迎える。本作のビジュアル撮影が6月下旬、都内スタジオで行われた。現場に姿を現したのは、初演から引き続き出演する新納慎也、小西遼生、May’n、唯月ふうか、山西惇とアンサンブルキャストたち、さらに今回から出演する村井良大だ。皆、劇中の衣裳に身を包み、それぞれがカメラの前で『生きる』の世界観を匂わせていた――。

取材・文/こむらさき


 

 

まずは今回初登場の村井良大から。ブルーのスーツ姿にゆるめの7:3分けで固めたヘアスタイル。まさに昭和風イケメンといったところ。カメラマンが出す指示に、村井は即座に反応してポーズを決めていた。「いいね!いいね!カッコイイ!」と声をかけられる村井は一瞬照れ笑いを浮かべたが、すぐ元の表情に戻していた。

途中、カメラマンと「痩せた?」「ちょっとね」とやり取りをする村井に撮影終了後話を聴いた。


――撮影お疲れさまでした!初めて光男の姿になっての撮影はいかがでしたか?

カメラマンさんが“褒めて褒めて”撮影するタイプの方だったのですが、褒められなれていないので恥ずかしくなっちゃいましたね(笑)


――撮影を拝見していましたが、良い昭和感が出ていましたね。

衣裳と髪型のおかげですね。僕、どっちかというと「昭和顔」なので(笑)!


――今回、渡辺勘治の息子・光男役を演じる事となりましたが、今の時点で光男をどのような人物だと捉えていますか?

光男って、唯一この作品の流れに追いつけていない人。光男の長所でもあり、短所でもあると思うんですが、心配性で優しすぎるが故に、父親と想いがすれ違ってしまうところがかわいそうな人だなって思っています。

 

 

――こういった撮影をしているうちに徐々に光男の気持ちになっていくものですか?

光男があんなにもズレていってしまう、或いは自ら突っ走って収集がつかなくなってしまうのは本人の優柔不断さ……光男という人間がまだ確立されていないからなのでは、と思って「だったらどういう居方でいるのがいいのかな」と撮影中にいろいろ考えていました。
今の時点では、あまり役を深堀りし過ぎると良くない気がするんです。「実は〇〇には裏があって……」とかね。あまり不純物を入れずに光男として純粋に生きてみたいと思っています。


――先ほど漏れ聞こえたんですが、村井さん、『デスノート the Musical』の頃よりお痩せになられましたよね!?

痩せましたね。自粛期間の初めの頃に少し太って、その後痩せたんです。痩せたのは多分、あまり食べなくなったから。一日三食ではなく、一日一食で済むようになっちゃって。ずっと家にいると食欲もわかなくなりましたね。


――そんな自粛期間中、ご自宅ではどんな事をされていたんですか?

英語の勉強と音楽の勉強をしていました。せっかくだからこの時間を有効に使うしかないなーと思ったので(笑)。今回、ジェイソン・ハウランドさんともお話が出来たらいいなって思っています。

 

 

村井の撮影の後に登場したのは唯月ふうか。本作では初演と同じく、光男の妻・一枝役と、渡辺勘治と同じ役所に務める女性事務員・小田切とよ役をダブルキャストで務める。

先に一枝としての撮影が始まった。背筋をすっと伸ばし、クールな表情でカメラを見つめる唯月だったが、撮影の合間にはモニターを見つめながら「人妻感、出てる?」「妊婦風になってますか?」と笑顔を見せ、場の空気を和ませていた。

一度休憩が入り、今度は衣裳と髪型を変えて、とよ役としての撮影に。独特な昭和のパーマネントヘアにポジティブキャラのとよモードで「(髪型が)サザエさんだっていったでしょ!?」とハイテンションで笑う唯月。唯月本人も撮影スタッフも笑いが止まらないといった状態となっていた。

 

 

――初演での思い出をお聞かせ下さい。

当時初の二役で、演じ分けや2公演ある日の切り替えに苦戦しました。とよは明るい太陽のような存在で地面から少し浮いているようなひょこひょこした歩き方を意識して、対する一枝は意志の強い女性なので、地に足をしっかりとつけてなるべく足をあげないように歩くことを意識してました。ちょっとした仕草や声のトーンや台詞の言い回しを常に意識しながら毎日公演していたのを覚えてます。二役は本当にやりがいがあり、お芝居の楽しさを倍感じられたので毎公演が新鮮で楽しかったです!

初演だったため、お客様の反応が気になって開幕するまでは不安でしたが、「また観たい」という感想など物凄く沢山頂けて、カンパニー皆でそれを実感しながら大千秋楽を迎えられました!カーテンコールでの大声援と大拍手の景色は、本当に忘れられません。


――久しぶりに二つの役の衣裳を着たお気持ちはいかがですか?

今回撮影で2年ぶりに衣裳を着ましたが、それぞれの衣裳を着ると自然と表情や仕草が切り替わって「あ~染みついてる」って嬉しくなりました!(笑)
再演できる喜びと、前回よりも役を深めて『生きる』の世界観に皆様をお連れできるように、今から気合いが入ります!

――さて、いよいよ再演ですね!

何かを始めたくてもなかなか踏み出せない、何をしたらいいのか分からない、そんな悩みを持った方の背中をふっと押してくれるそんな作品だと思ってます。
ぜひ劇場でお待ちしてます!


唯月の撮影が終わると今度はMay’nがスタジオ入り。唯月と共に一枝役ととよ役をダブルキャストで挑むMay’nは、前回の出演が自身初となるミュージカル出演だった。2年が経って再演となる今回のビジュアル撮影だが、唯月とは逆に言葉少なめで大人しい佇まい。緊張しているのかもしれないMay’nを、カメラマンがほぐすように撮影を進めていた。合間のモニターチェックでは真剣に出来栄えを確認して、また静かに撮影に戻るMay’nは、一枝役としての撮影の後、とよ役としてスタジオに再登場。先ほどよりやわらかな微笑みを浮かべつつ、元気いっぱいで撮影に臨んでいた。



――May’nさんにとって『生きる』初演のとよ役、一枝役はどんな経験でしたか?

私自身初めてのミュージカル出演だったので、初めはわからないことだらけでしたが、宮本亞門さんや市村正親さんはじめ皆様に本当に育てて頂き、本番では本当に楽しく舞台に立つことができました。一つの作品で二人の人生を生きることができることは、大変ではありますが、それぞれとてもパワーが溢れている女性なのでとてもやりがいがあります。一度も客席でこの舞台を観られないのは残念なことですが(笑)。

‬――『生きる』で一番好きな曲を教えて下さい

音楽がどれも素晴らしく、歌っていても観ていても本当に好きな曲ばかりなのですが…意外なところでいうと?「どうかしてる」がすごく好きです!!みんなの気持ちが忙しく交差していくところが歌も演出も見どころ満載です!‬‬‬‬


――さて、いよいよ再演ですね!

2年も経った?というくらい衣裳を着た自分はしっくりきました。再演では、とよとしては新納さんの小説家さんと初めてご一緒できるのでダブルキャストの難しさはあると思いますが、とても楽しみです。「自分の人生を思いっきり生きる。」とてもポジティブなメッセージが詰まった作品です。たくさんの方に届きますように!‬ ‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬


午後になると、小説家役の賑やかな二人が姿を現す。まずは小西遼生から。カメラマンとはかなり親しい仲とのことで「久しぶり!」「元気してた?」「昨日配信でライブやったので声が出ないよー」などと笑顔で握手しつつ近況報告。
さて、とカメラ前に立った瞬間、小西ではなく『生きる』のストーリーテラーである小説家の顔に変わっていた。撮影はテンション上げっぱなしで、スタッフ(主に女性)が「カッコイイー!」の連呼。「色っぽいねえ」「ワルそうな表情がいいよね」「小西君の部分、増ページしないとね!」と大騒ぎ。しまいには女性スタッフのチーフから「私のリクエストで振り向きカットを!猫背気味でね!」とオーダーが入って皆大爆笑となっていた。


――撮影お疲れさまでした。さて、『生きる』が再演となりましたが、改めて初演時の思い出などを聴かせてください。

『生きる』は、出演しているメンバーも稽古場で出来上がってきた瞬間から「凄い作品が出来上がるぞ!」と思っていたくらいなんです。そんな作品に毎日関わる事が出来て嬉しかったです。市村さんと鹿賀さんのお力と、また作品が持つ力や普遍的なテーマがお客様にしっかり届いているという実感がありました。カーテンコールで目にしたお客様の反応も今まで観た事がないくらい本気のスタンディングオベーションでしたし。千秋楽の後の打ち上げで鹿賀さんに「こんな景色、今まで何回観ましたか?」と聴いてみたら「何回もないね、こんなにすごい景色は!」って言っていましたよ。


――初演で市村さんの渡辺勘治と向き合ってみて、どんな小説家でいようと思いましたか?

僕はとにかく市村さんが演じる渡辺勘治を「受ける」事に専念しました。例えば渡辺勘治と会話のキャッチボールが何度かあった後、ある時渡辺に感化される瞬間がくるんです。その瞬間は投げていただいた言葉で勝手に心が動くので自分自身はあまり作り込んでいるつもりはなかったですね。
小説家って根はいい奴なんです。小説家ではあるけれど、売れている訳ではなく二束三文の文章を書いて日銭を稼ぐろくでもない人なんです。それがあと半年しか生きられない渡辺と出会い、彼が強い想いを持って生きようとする気持ちに打たれて……小説家も本当に「生きる」事の意味を知り、心が動くんです。


――再演だからこそやってみたい事、挑みたい事はありますか?

何と言っても前回は別のチームだった鹿賀さんと組めることですね!前回の稽古場で鹿賀さんと新納慎也さんが演じているのを観て、「僕も鹿賀さんとやってみたい!」って思っていました。全然違うんです。だからこそリスペクトの気持ちを込めて演じたいですね。


――この作品で一番好きな曲は?
やっぱり一幕最後の「二度目の誕生日」、そして二幕の「ゴンドラの唄」からの「青空に祈った」。特に二幕の曲は、この曲を作ったのが日本人でないのも凄い!ある意味日本人の心を現している2曲をあんなに自然に融合させるなんてジェイソン・ハウランドは天才だと思います!




撮影は新納慎也の番となった。小西とダブルキャストで小説家を演じる新納は、やや斜に構えた世捨て人風な表情で撮影に挑んでいた。カメラに向けた眼差しは何かを探るようでもあり、逆にどこか突き放しているようにも見え、いろいろな表情を見せて撮影スタッフを楽しませていた。小説家が被る帽子の扱い方は小西とは異なり、まるで小説家の本心を隠すように帽子から顔を覗かせたり、目深に被ってみせたりと、新納が描く小説家の姿が見えてくるような撮影となっていた。



――ひさしぶりに衣裳に袖を通したお気持ちはいかがですか?

嬉しいですねー。またこの作品をやれるんだな、という気持ちでいっぱいです。何よりこのコロナ以降の現状を思うと、舞台の現場に来られる事、こういった取材を受ける事も、何もかもがありがたいという気持ちです。この自粛期間、皆さん大ピンチでしたよね。でも僕は信じて疑わなかったです。生の演劇の良さを愛してくれている人はたくさんいる、だからこの仕事はなくなることはない!と信じていました。
とはいえ、出演していた舞台が中止になり、自粛期間が始まって、じゃあ部屋の掃除でも徹底的にするか!と前向きに考えていたんですが、最初の2週間くらいは本当に何もする気が起きなくて放心状態でした。やはり心がショックを受けていたんだなあと今だからこそ分かりますね。


――前回の初演時を振り返って、心に残る思い出は?

思い出だらけです。ある程度台本や楽曲があがってから関係者向けに歌入りで本読みを披露した事があったんですが、読み終わって僕は鹿賀さんに「鹿賀さん!これは鹿賀さんが大変な評判になるから覚悟してくださいね!」って言ったんです、そして「はい、ホリプロのスタッフさん集合!ホリプロの全精力をかけて今日の鹿賀さんの素晴らしさをそのまま舞台上に出せるようにしてください、それがあなたたちの使命です!」って言ってしまいました(笑)。


――感じた事を即、行動に移すのが新納さんらしいですね(笑)

あとね。本番中、僕と山西さんと佐藤誓さん、川口竜也さん、市原隼人さんが同じ楽屋だったんです。よりによって悪そうな役のおじさんたちが沢山ね(笑)。そんなおじさんたちが1幕の終盤になると楽屋のモニターの音量を最大にして、渡辺の「二度目の誕生日」を黙って聴きながら皆号泣していたんですよ!毎回毎回!「これ泣いてしまうなあ」って。僕も泣いていましたけどね(笑)。あの「二度目の誕生日」はいちばん好きな曲ですね。


――さて、いよいよ再演ですが、初演以上に力を入れたい事はありますか?

僕にとっての『生きる』初演は99.8%鹿賀丈史でした!(笑)僕は小説家として鹿賀さんを愛しまくっていたんです。再演ではステップアップしようねとお互い口に出さなくてもステップアップしていけると思うので、すべてを鹿賀さんに委ねたいです。
そして『生きる』では市村さんとは初めて組むので、同じように関係を深めていきたいです。20年以上共演させていただいている市村さんと組ませていただけるのも物凄く楽しみです!


最後に、同日に撮影を行った山西惇(助役役)からもコメントが寄せられた。

 


――『生きる』が再演となりましたが、改めて初演時の思い出などを聴かせてください。

世界初演ということで、初日は特別な緊張感がありましたが、回を重ねるごとにお客様が熱を帯びて見てくださっている事が舞台上にも伝わってきて、嬉しかったです。自分と同世代の男性の姿が多く見られ、背広姿でのぎこちないスタンディングオベーション、身震いするほど素敵で有り難かったです。


――この作品で一番好きな曲はなんですか?

女性陣の歌う「夢はつかみとるもの」ですね。自分が歌う「夢を見るのは愚かだ」のアンサーソングにもなっているのですが、これを歌う時の皆さんが本当に生き生きと輝いて見えて、「生きる」って例えばこういうことなんじゃないか、という一つの答えを示している気がする歌です。


――ひさしぶりに衣裳に袖を通したお気持ちはいかがでしたか?

助役さんのダブルのスーツ!大好きな衣裳でした。この役のキャラクターがギュッと詰まっている感じで。着た途端、2年という長い時間をフッと飛び越えたような気がしました。万全な対策を取りつつ、お客様の前で披露出来る日が来ることを、心から祈っています。

 


 

<完成したビジュアルがこちら>

 


【公演概要】
ミュージカル『生きる』



ホリプロ先行販売スケジュール決定!   
◇先着先行:8月1日(土)ホリプロステージプレミアム(有料)
◇先着先行:8月8日(土)


期間:2020年10月9日(金)~10月28日(水)
会場:日生劇場
出演:市村正親 鹿賀丈史
村井良大 新納慎也 小西遼生 May’n 唯月ふうか 山西 惇
作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門


他、以下地方公演あり

<富山公演>
期間:2020年11月2日(月)、3日(火祝)
会場:オーバードホール
お問い合わせ:イッセイプランニング
076-444-6666(平日10:00~18:00)


<兵庫公演>
期間:2020年11月13日(金)、14日(土)
会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
お問い合わせ:梅田芸術劇場
06-6377-3800(11:00~18:00)


<福岡公演>
期間:2020年11月21(土)、22日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
お問い合わせ:博多座電話予約センター
092-263-5555(平日11:00~15:00、土日祝・休)


<名古屋公演>
期間:2020年11月28日(土)~30日(月)
会場:御園座
お問い合わせ:御園座
052-222-8222(10:00~18:00)

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