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『ファインディング・ネバーランド』連載コラム|【第2回】 ジェームズ・バリの生きた時代 小さな大人って? ー子供を子供と思わぬ社会ー(文=福田剛士)

  • コラム

2023年2月7日(火)

全4回にわたり、作家 ジェームズ・バリの魅力に迫る連載コラム。世界中を魅了してやまない『ピーターパン』。生みの親、バリの生き様を解説!
 
目次
『ファインディング・ネバーランド』連載コラム
ようこそ、ジェームズ・バリの世界へ

第1回 ジェームズ・バリの生涯
第2回 ジェームズ・バリの生きた時代
第3回 ケンジントン公園
第4回 デューク・オブ・ヨーク劇場(2/14公開予定)

 

第2回 ジェームズ・バリの生きた時代

 

小さな大人って?
―子供を子供と思わぬ社会―

 

ケンジントン公園のラウンド・ポンド(丸い池)1905年頃。

 

一八世紀半ば。英国に大変革の嵐が巻き起こった。産業革命の勃発である。蒸気機関の発明により、工場という斬新な設備が現れ、機関車という鋼鉄の怪物が出現することになった。地方で生じた産業革命は、数十年のうちに英国中を席巻したのである。では、この革命によって何が大きく変わったのか?それまでの英国では、貴族・金持ちと、庶民の二極構造があった。そこへ中産階級という層が割り込んできたのである。いわゆる成金という人々である。

バリの実家も、この革命によって時流に乗った口である。貧しい機織りに過ぎなかったバリの父は、時流に乗り遅れずバリを大学までやったのだ。バリの生きた一九世紀の後半は、こういう庶民から成り上がった金持ちが、大いに台頭したのである。

一方で、ロンドンの下町には古き良き街頭商人が息づいていた。ケンジントン公園に来たアイスクリーム売りも、その一人だ。つまり、バリのように成功を収める者もいれば、淡々と己のペースで暮らす者たちが、混在している。そんな社会であったのだ。

 

19世紀後半のアイスクリーム売り。

 

価値観についても、古きと新しきが互いに乗り上げていた。例えば、「子供」という概念である。一九世紀の半ばまでは、子供イコール「小さな大人」という考え方が主流であった。機械が未発達の時代ならば、大人も子供も力の差はあれど、やれる事は似たようなものだからだ。幼い頃から徒弟として修行に入るのが当たり前であったし、一〇代で仕事をこなせたものだった。 

だが、目まぐるしく科学技術が発達した一九世紀の後半を迎えると、そうは問屋が卸さなくなったのである。高度な専門知識が必要な仕事が誕生し、大人でないと理解できないことが増えてきたのだ。そうなると、子供は小さな大人ではなくなってゆく。バリが『ピーターパン』を描いたのは、まさにそんな時代であった。

一方。バリは鋭敏な感性で、子供であることの素晴らしさを嗅ぎ取っていたのだ。大人になればなるほど、輝く何かを失ってゆく。それにいち早く気づいていた。

ここに到り、大人になることをやめた文豪が、誕生したのである。

 

第3回:ケンジントン公園 ピーターパンに会いたい?─それなら、あそこにいかないとね─ は2/9公開予定。

 

 


 
<東京公演>
期間:2023年5月15日(月)~6月5日(月)

主催:フジテレビジョン/キョードー東京/ホリプロ
企画制作:ホリプロ
 
<大阪公演>
期間:2023年6月9日(金)~12日(月)

6月9日(金)18:00
6月10日(土)12:30/17:30
6月11日(日)12:30
6月12日(月)13:00
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催: 梅田芸術劇場
お問い合わせ: 梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/1108/
 
<久留米公演>
期間:2023年6月17日(土)・18日(日)

6月17日(土)12:30/17:30
6月18日(日)12:30
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
主催:インプレサリオ
共催:久留米シティプラザ(久留米市)
お問い合わせ:インプレサリオ
info@impresario-ent.co.jp
https://www.impresario-ent.co.jp/
 
<富山公演>
期間:2023年6月24日(土)・25日(日)

6月24日(土)12:30
6月25日(日)12:30
会場:オーバード・ホール
主催:北日本新聞社 /富山テレビ放送 /イッセイプランニング
https://www.issei.ne.jp/2022/10/2023069901/
 
<名古屋公演>
期間:2023年6月30日(金)・7月1日(土)

会場:愛知県芸術劇場 大ホール
主催:東海テレビ放送
公演時間は後日発表

<キャスト>
ジェームズ・バリ:山崎育三郎
シルヴィア・デイヴィス:濱田めぐみ
フック船長/チャールズ・フローマン:武田真治
メアリー・バリ:夢咲ねね
デュ・モーリエ夫人:杜けあき

キャナン卿:遠山裕介
クローマー:廣川三憲
ヘンショー:星 智也

家塚敦子、石川 剛、伊藤かの子、榎本成志、大久保芽依、工藤 彩、塩川ちひろ、永松 樹、福島玖宇也、MAOTO、ルイス魅麗セーラ (五十音順)

ジョージ:越永健太郎、ポピエルマレック健太朗(Wキャスト)
ジャック:生出真太郎、豊田侑泉(Wキャスト)
ピーター:小野桜介、長谷川悠大(Wキャスト)
マイケル:奥田奏太、谷慶人(Wキャスト)

スウィング:大倉杏菜、齋藤信吾(五十音順)

<スタッフ>
原作:デヴィッド・マギー脚本によるミラマックス映画作品 アラン・ニーによる戯曲『The Man Who Was Peter Pan』
台本:ジェームズ・グラハム
作曲・作詞:ゲイリー・バーロウ&エリオット・ケネディ

翻訳・演出:小山ゆうな
訳詞:高橋亜子
音楽監督:小澤時史
美術:二村周作
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣裳:前田文子
ヘアメイク:宮内宏明
振付:松田尚子
歌唱指導:亜久里夏代
稽古ピアノ:森本夏生
演出助手:河合範子
舞台監督:小笠原幹夫

公式HP=https://horipro-stage.jp/stage/findingneverland2023/ 
​公式Twitter=https://twitter.com/finding2023
#ファインディングネバーランド
 

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