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新生デスミュへの道Vol.6~日韓のレム、夢の対談の舞台裏
2020年1月17日(金)
死神レム役オリジナルキャストの濱田めぐみと、韓国での初演・再演に続き、このたびの新生デスミュでも同役を演じるパク・ヘナ。昨年12月某日、日韓を代表するミュージカル女優の対談がついに実現した。互いの稽古の合間を縫っての対談とあって、日時が正式に決定したのは前日のこと。にもかかわらず複数のメディアが集まったところに、注目度の高さが窺える。対談の詳細は各メディアでご確認いただくとして、ここではその舞台裏をお届け!
取材・文/町田麻子
■和やかそのものの初対面
濱田は今後も『サンセット大通り』などの注目作が控える身、そしてヘナは今回が日本のミュージカル初出演とあって、単独での取材依頼も殺到したふたり。そこでこの日は、まずヘナの単独、続いて対談、最後に濱田の単独という順でいくつかの取材が行われた。ひと足先に現場入りし、ソロでの撮影に臨んだヘナは、カメラが向けられていない時でも常に笑顔。圧倒的な歌唱力に加え、こうした人柄もオファーが絶えない理由なのだと納得させられる。
もちろん複雑な会話となると通訳が入るものの、既にカメラマンとのコミュニケーションは問題なく日本語でとれるヘナ。要求に応えるだけでなく、大きく動いて見せながら「何でもできますから言ってください!」とおどけたり、「あと5枚」と言われると自らダブルピースを繰り出したりと、お茶目な振舞いで居合わせたスタッフを魅了していく。また、撮影がひと段落する度に「ありがとうございます」と、丁寧に頭を下げて挨拶する姿も印象的だ。
そんなソロ撮影中、支度を終えた濱田めぐみが「よろしくお願いしまーす」と現場入り…!ヘナが「会えて嬉しいです!」と満面の笑顔で近寄っていき、日韓の歌姫がついに待望の初対面を果たした。同じ役を演じる女優同士、少しはピリピリするのかと思いきや、その光景は和やかそのもの。そのまま会話が弾み出したふたりはまるで姉妹のような雰囲気で、ツーショット撮影に突入してからも会話が途切れることはない。狭い通路を通って次の撮影場所に移動する際には、互いに「After you(お先にどうぞ)」と譲り合い。微笑ましい応酬のあと、最終的には肩を組んで一緒に通るという仲良しぶりを発揮していた。
■濱田自らヘナに日本語を指導!
ツーショット撮影が終わると、いよいよ対談がスタート。準備が整うのを待つ間、共通の知人の話やヘナの日本での食生活の話など、何気ない会話を交わすふたりにもはや“初対面感”は皆無だ。そんな中で始まった対談は、互いの第一印象から経験者にしか分からないさまざまな“レムあるある”、ワイルドホーンの音楽への思いやミュージカル観まで、このふたりならではの充実した内容に。最後には、ヘナが日本語の発音に苦戦しているというレムのセリフ、「時間はある」を濱田自らが指導するという貴重なシーンで幕を下ろした。
だが意気投合したふたりが、取材が終わったからといってハイサヨナラとなるはずもない。ふたりで記念撮影をしようということになり、場所を移動する間も濱田による発音指導は続いた。指導を受けて「時間はある」の完成度を高めていくヘナが、そんなやり取りを見守っていたスタッフたちに気付いて「皆さん本番を観に来られた時、私がこのセリフをちゃんと言えてるかどうかばっかり気にされるかも!?」と赤面し、濱田が「このセリフに反応するお客さんがいたら、今日ここに居合わせた方ですね(笑)」と応じて笑わせるひと幕も。
そんなこんなで移動し、使っている写真アプリの話などで盛り上がりながら“自撮り”にいそしんだ日韓のレム。別れ際、濱田が改めて「がんばって~」とヘナを激励し、ふたりは熱いハグを交わした。そして濱田はそのまま、ソロ撮影と単独取材へ。こうして本当の意味で幕を下ろした夢の対談だが、ふたりの友情はきっとこれからも続いていくだろう。いつかふたりが、舞台上で共演する姿も見てみたい――そんなさらなる夢まで膨らむ対談となった。
★<新生デスミュへの道>連載一覧★
~特別編~ブロードウェイのクリエイター、 音の魔術師ヒロ・イイダにインタビュー
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社
【公演概要】
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:栗山民也
作詞:ジャック・マーフィー
脚本:アイヴァン・メンチェル
出演:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯
吉柳咲良 西田ひらり
パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆 ほか
<東京公演>
期間:2020年1月20日(月)~2月9日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
主催:日本テレビ、ホリプロ
後援:TOKYO FM、WOWOW
企画制作:ホリプロ
※静岡、大阪、福岡公演あり
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