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新生デスミュへの道Vol.5~関係者100名が集った顔合わせレポート
2020年1月9日(木)
12月19日、オール新キャストによる『デスノート THE MUSICAL』再々演がついに本格始動を果たした。すでに何か月も前から各々が準備を進めていたことは、この連載でもお伝えしてきた通り。だがこの日、キャスト、スタッフ、関係者が一堂に会する“顔合わせ”が稽古場にて執り行われ、その後演出家・栗山民也による立ち稽古がスタートしたのだ。
取材・文/町田麻子
■「今の時代の物語として作っていきましょう」
キャストとスタッフに加え、各地方公演の主催者やマネージメントスタッフら、総勢およそ100名が集った稽古場は大混雑! 普段は稽古の舞台となっているセットにキャストが座り、普段キャストが稽古を見ている場所にはスタッフが、そして普段は空いているスペースを埋め尽くしたパイプ椅子にはスーツ姿の関係者がズラリ。大規模公演ならではの熱気と活気に満ちた雰囲気の中、まずは主催者を代表してホリプロ社長、堀義貴がマイクを握った。
堀はまず、『デスノート』ミュージカル化に至った経緯と、初日の幕が開くまでチケットセールスには苦戦していたという初演時のエピソードを披露。その上で、「『デスノート』がエターナルな作品になるためにはこの再々演が非常に重要」と話すと、新キャストの表情がグッと引き締まるのが分かった。「引き続き世界を目指している作品。新たに、よりパワーアップした作品をお届けし、さらに高い評価を得て、素晴らしい大千秋楽を迎えましょう」と結ぶと、場内には大きな拍手が。日本発のミュージカルが世界に行けるかどうかは、自分たちにかかっている――そんなことを、集まった一同が改めて認識した瞬間と言えるだろう。
その後スタッフ、キャストの名前が一人ひとり紹介されたあと、顔合わせを締めくくったのはもちろんこの人、この大カンパニーを束ねる栗山民也による挨拶だ。演劇が社会と深く結びついたものであることを数々の名作によって示してきた演出家らしく、「初演からの4年で世界の様相はガラリと変わった」と切り出し、テロすらエンターテインメント化した現代社会の恐ろしさを静かに語り聞かせていく。「4年前は近未来の話だなと思ってやっていたが、今はまさしく現代演劇だと思っている。そのつもりで、今の僕たちの物語として作りましょう」との栗山の言葉に、いっそう士気が高まった様子のカンパニー。15分ほどの短い時間ではあったが、単なる儀式にとどまらない、有意義な顔合わせとなった。
■新生デスミュ、誕生まであと1か月!
演出補から「15分後に稽古開始」とのアナウンスがあり、大量のパイプ椅子をどうするのかと思っていたら、村井良大や甲斐翔真ら若手キャストが率先して片付け始め、稽古場はあっという間に元の姿に。ウォーミングアップを兼ねた発声のあと、早速にも稽古が始まった。この日あたったのは、死神がデスノートを人間界に落とし、拾った夜神月(ライト)が半信半疑でその効力を試すシーン。全員での立ち稽古はこの日が初めてとはいえ、歌稽古とホン読みはすでに個々で済ませてきているため、誰ひとり台本は持っていない状態だ。
それぞれ黒と白のマントのような稽古着を羽織り、時には寝そべったりもしながら自由に動き回っていた横田栄司とパク・ヘナの死神コンビは、もうこのまま舞台に上がれるのではないかと思えるほどの仕上がり。だがそこに栗山からのアドバイスが入り、動きがさらに追加されていく。その後のライトのシーンは、1回目を村井、2回目は甲斐で稽古。見た目や醸し出す雰囲気はもちろん、表題曲《デスノート》の歌い方も全く違っていて実に面白い。観比べ甲斐のあるWキャストになることを、改めて予感させる二人だ。
あたりながらも個々にアドバイスを送りつつ、一連のシーンを両キャストで通し終わったあと、改めてキャスト全員をセット上に集めた栗山。「デスノートを落とす時はあっけなく」「ライトは徐々に徐々に悪が増殖していくように」「総一郎はリーダーシップを強調して」「市民たちは常に無気力、無感覚で」「情景と情景が全部クロスするように見せたい」……ミクロとマクロの視点を織り交ぜたアドバイスの数々はやはり、さすがのひと言。初日まであと1か月、なんともハイレベルな『デスノートTHE MUSICAL』が誕生することになりそうだ。
★<新生デスミュへの道>連載一覧★
~特別編~ブロードウェイのクリエイター、 音の魔術師ヒロ・イイダにインタビュー
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社
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【公演概要】
音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:栗山民也
作詞:ジャック・マーフィー
脚本:アイヴァン・メンチェル
出演:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯
吉柳咲良 西田ひらり
パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆 ほか
<東京公演>
期間:2020年1月20日(月)~2月9日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
主催:日本テレビ、ホリプロ
後援:TOKYO FM、WOWOW
企画制作:ホリプロ
※静岡、大阪、福岡公演あり
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