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プロデューサーコラム 第一回【三夜連続更新】

  • コラム

2019年12月6日(金)

文/梶山裕三(『デスノート THE MUSICAL』プロデューサー)

 

「海外に輸出できるミュージカルを」

 

1968年に初のブロードウェイミュージカル「マイ・フェア・レディ」が日本で上演されて以来、数えきれないほどの海外ミュージカルが輸入され、上演されてきました。僕自身、ミュージカルに魅了され制作をしていくうちに、日本の演劇界には素晴らしい俳優や優秀なスタッフがたくさんいることを知り、「そろそろ自分たちの手で作品を創れないか」と思い始めたんです。海外ミュージカルの上演は、高いクオリティが保証されていることの代償として制約がつきもので、作品の中身に関して原則、我々は口を出せません。もしオリジナルを作ることができたら、もっと自由にお客さんが求めるものを作れるはずだ、という思いが年々募っていきました。

 

そんな中、2011年の夏、堀社長から「海外に輸出できるミュージカルを企画して欲しい」と言われました。ようやく訪れた大きなチャンスです。とにかく必死で考えました。「海外に輸出できる」というキーワード。世界でも知られている日本映画や漫画、世界で活躍する日本人など、あらゆる可能性を模索し続けた結果、デスノートにたどりつきました。デスノートは、「ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という、設定がミュージカルとの相性がいいのではないか、そして、漫画はもちろん、映画やアニメも世界中で大ヒットしていたので、これはいけるかも、と思ったんです。

 

『デスノート THE MUSICAL』2015年 舞台写真
中央)浦井健治

 

当時は今ほど漫画原作のミュージカルが作られていなかったので、周りに相談した時は、「え!?デスノートのミュージカルなんて誰が観に来るの?」「死神やエルが歌うの?」と誰も本気にしてくれませんでした。でも僕自身はいけると思いましたし、何とかこの企画を成立させたい、という思いで、権利元である集英社さんとの交渉が始まりました。

 

最初、集英社さんも「デスノートが、ミュージカルになるんですか?」という反応でした。週刊少年ジャンプで連載され、世界中で大ヒットしている漫画です。どんな作品になるのか、クオリティを気にするのは当たり前です。そこから粘り強く、いかにデスノートがミュージカルの題材に適しているか、いかに本格的なスタッフ、キャストを集めるつもりかを一つ一つ説明し、ついに上演権を獲得することができました。

 

上演権を頂けることになる最後の決め手となった理由の一つは、世界的な作曲家のフランク・ワイルドホーンさんが作曲を引き受けてくれたことでした。彼の代表作「ジキル&ハイド」は、世界で上演されている傑作です。代表曲の「時が来た」はオリンピックのテーマソングにもなっています。僕はデスノートの「正義とは何か」というテーマが、「ジキル&ハイド」のテーマと共通すると感じたので、作曲はワイルドホーンさんしかいないと思ったんです。ホリプロは2000年以来、「ジキル&ハイド」をはじめ、「ボニー&クライド」「アリス・イン・ワンダーランド」「モンテクリスト伯」「カルメン」など、ワイルドホーン作品を上演してきたこともあり、新作をオファーする機会を与えてもらうことができました。きっと、どこの人間とも分からない日本のプロダクションが突然作曲をしてくれとお願いしていたら、話すら聞いていただけなかったと思います。

 

ホリプロ役員陣との打ち合わせの様子
右側手前より)フランク・ワイルドホーン、ジャック・マーフィー

 

しかし、ワイルドホーンさんにデスノートの作曲をオファーしたとき「僕はラブストーリーにしか興味がないから」と、最初は断られてしまったんです。絶対にいける、と自信を持ってオファーしたからこそ、それはすごく残念でした。彼がNYに帰国し、企画成立を断念せざるを得ないのか、という思いが頭をよぎった矢先に、ワイルドホーンさんから「やはりデスノートの作曲をするよ」というメールが届いたのです。なんと、彼の息子がアメリカで放映されていたアニメ版デスノートの大ファンで「パパ、これは絶対やるべきだよ」とお父さんを説得してくれたそうで、その息子さんからの一言があったお陰で、ワイルドホーンさんとの新作ミュージカル制作がスタートしました。

 

もう一つ大切なことがあります。それは、誰に演出をして頂くかです。僕は当時、栗山さんとミュージカル「スリル・ミー」の稽古中でした。「スリル・ミー」の稽古場で栗山さんの作品創りを一番近くで見ていたため、演出家は絶対に栗山さんしかいない、と思い栗山さんに演出をお願いしに行きました。「スリル・ミー」は、「私」と「彼」という互いを認めあう二人の天才の話なのですが、デスノートのライトとエルの関係性が、スリル・ミーの私と彼に近いように僕は思えて、それを栗山さんに熱弁しました。数日後、「やるよ」と言ってくださったときは飛び上がるほど嬉しかったです。『コミックの第一話のタイトル「退屈」は、2000年代初頭の日本の若者の空気感を見事に表してる。これは今、やるべき作品だ』と言ってくださいました。この時僕は、「デスノートは本格的なミュージカルになる」ということが確信に変わりました。

 

『デスノートTHE MUSICAL』2015年 オリジナルキャスト
上段左より)浦井健治、小池徹平、柿澤勇人
下段左より)唯月ふうか、前島亜美、濱田めぐみ、吉田鋼太郎、鹿賀丈史

 

ワイルドホーンさんと栗山さんの組合せが決まったことで、作品の方向性が定まり、非常に豪華な俳優陣をキャスティングすることができました。浦井健治さん、柿澤勇人さん、小池徹平さん、唯月ふうかさん、前島亜美さん、濱田めぐみさん、吉田鋼太郎さん、そして鹿賀丈史さんと、今考えればものすごいメンバーです。キャスティングで思い出すのは、リューク役を決めるときに栗山さんから「死神だから人間離れしてる俳優にしたい」と言われて頭を悩ませていると、ふと栗山さんが「吉田鋼太郎は?」と仰ったんです。最初は驚きましたが、不思議とすぐ腑に落ちて(笑)その場ですぐにオファーをしました。オリジナルキャストを世の中に発表し、「デスノートTHE MUSICAL」は本格的に動き出していったのです。

 

『デスノート THE MUSICAL』2015年 舞台写真
手前より)小池徹平、柿澤勇人

 

 

★『デスノート THE MUSICAL』プロデューサーコラム連載一覧★

第一回「海外に輸出できるミュージカルを」

第二回「NYでのワークショップ、そして感動の初日」

最終回「なぜキャストを全員変えたのか」

 

(C)大場つぐみ・小畑健/集英社

 


 

【公演概要】

デスノート THE MUSICAL


音楽:フランク・ワイルドホーン  
演出:栗山民也
作詞:ジャック・マーフィー    
脚本:アイヴァン・メンチェル

出演:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯
吉柳咲良 西田ひらり
パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆 ほか

<東京公演>
期間:2020年1月20日(月)~2月9日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
主催:日本テレビ、ホリプロ
後援:TOKYO FM、WOWOW
企画制作:ホリプロ
※静岡、大阪、福岡公演あり

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