『バンズ・ヴィジット』勉強会【テキストver.】
「動画の内容が気になるけど、動画を見る時間がない!」「お話ししている内容をテキストでも読みたい!!」そんな皆様に向けてテキストページをご用意いたしました。
バンズ・ヴィジットに関する興味深いお話が盛りだくさん 是非ともお読みください。
ホリプロステージをご覧の皆様、バンズ・ヴィジット勉強会へようこそお越しくださいました。きょうは、
『バンズ・ヴィジット』、日本語で聞くと、「バンズ」ってなんだ?とよく言われるのですが、英語で「バンドのビジット」すなわち、「楽隊の訪問」というタイトルのお話です。
原作は2007年に公開されたイスラエル・フランス制作の映画です。日本語タイトルは「迷子の警察音楽隊」、カンヌ国際映画祭ある視点部門・国際批評家連盟賞、ジュネス賞、一目惚れ賞を受賞し、東京国際映画祭・最優秀作品賞にも選ばれました。
エジプトから演奏旅行に来た警察音楽隊が、目的地と違う辺境の町に到着してしまい、一晩地元のイスラエルの人たちと交流する、というお話です。
そもそも物語の舞台になっているのはどこなのかと言いますと、まず、迷子になってしまう警察音楽隊がやってくるのが、エジプトのアレクサンドリア、彼らが演奏に招かれたのが、イスラエルの「ペタ・ティクヴァ」という町。しかし実際に彼らが到着してしまうのが、ネゲヴ砂漠近くの「ベト・ハティクヴァ」という町。
この「ベト・ハティクヴァ」は、実は架空の町です。
この映画がなぜ舞台化したのか。
それは、ブロードウェイのプロデューサー・オリン・ウルフ氏が、原作映画を見るや否や、この作品は舞台化されるべきだ、絶対ミュージカルになる!と直感したことに始まります。ウルフ氏は、映画監督の、エラン・コリリン氏に猛アタックを開始、初めは舞台化を拒んでいた、コリリン氏も、猛追激しいウルフ氏に押され、遂に承諾。数年がかりで口説き落としたウルフ氏の熱意から、ミュージカル『バンズ・ヴィジット』の道のりが始まります。
2016年、アメリカのオフブロードウェイで開幕すると、次第に口コミで評判は広がり、翌2017年にオンブロードウェイへ進出。その後、ブロードウェイ公演は2019年にクローズしますが、米国ツアーが開始。同時に、2020年にはワールドプレミアとして、フィリピン公演が開幕しました。
ただ残念ながら世界的なパンデミックにより、その後数年は上演中止を余儀なくされましたが、今年遂にアメリカでの北米ツアーが復活、更に今月末からは、イギリスでも英国演出版が上演され、そして来年の2月には日本演出版が、東京・日生劇場、大阪・梅田芸術劇場シアタードラマシティ、愛知・刈谷市総合文化センターアイリスで、上演されます。
【観劇メモ】THE BAND’S VISIT北米ツアーの千穐楽に行ってきました!>>

※The Band`s Visit ブロードウェイ公演より
映画から舞台のミュージカルになった魅力はどこに宿ったのか。アメリカの有力各紙が様々な劇評を出しています。
「型にはまらない無二のミュージカル」「静かで心和らぐミュージカル」「魅力的な音楽と歌詞、控えめで明敏な脚本」「ドラマチックな裏切りも、ひねられたプロットもない。」「どこでもない場所の真ん中での何も起きない夜というとても愉快な無の状態を体験する…」
どんな作品??という感じですが、これすべて、本当です。静かで何も大きなことは起きない、でもそれがすごくリアルでおかしくて、美しい、面白い作品です。
そうして2018年、アメリカ演劇界最高名誉のトニー賞で10部門を受賞しました。
実はトニー賞で10部門以上を獲得したのは、「プロデューサーズ」「ビリー・エリオット」以来の三作品目。
因みにバンズ・ヴィジットと同じ年のトニー賞ノミネートには「アナと雪の女王」「スポンジボブ」「ミーンガールズ」といった作品が名を連ねていました。その中でのこの受賞歴は、素晴らしい快挙です。
そして、楽曲はグラミー賞も獲得しています。
ブロードウェイ版「The Band’s Visit」ウェブサイトのページに、公演のプロデューサーが記載されています。一番左上には、先程お話しました、オリン・ウルフ氏の名前もあります。そこから下に降りていくと、実はホリプロの名前があります。
ホリプロがブロードウェイ公演のプロデューサーとしてクレジットされることになった経緯は、2018年当時、株式会社ホリプロ代表取締役社長だった、現・ホリプログループ会長の堀義貴のインタビュー記事が残っています。ある意味直感的なスタートだったようですが、結果として上質な作品に縁がつながったので、担当者としてもよかったなぁと思います。
この作品を知っている人たちが、皆口をそろえて聞くこと。
アラビア語を話すエジプトの警察音楽隊と、ヘブライ語を話すイスラエルのベト・ハティクヴァの人たち、が、片言の英語で会話する。中東風からジャズ、ポップスに渡るまでの音楽を、生演奏で展開する物語。これをどうやってやるの・・?という興味。これは是非、劇場にお越しいただき、見ていただきたいです! きっと、いつのまにか、ベト・ハティクヴァに旅している気持ちになれる、作品になっているはずです。
▼ホリプロステージ先行特典
10月17日(月)まで受付中のホリプロステージ先行販売でご購入者限定で、どこに行っても迷子にならない非売品オリジナルトラベルネームタグをプレゼント!是非ともこの機会にお求めください!!
▼関連記事
【明日10/1より先着先行】ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』全出演者イメージカット&風間杜夫、濱田めぐみのコメント映像公開!新納慎也が作品の魅力を語るインタビュー記事も!
【インタビュー】新納慎也「日本のミュージカル界にとって新しい一手というか、突破口になりえる作品」/ ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』